
shimashimaの日記: [書籍]書評「100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊」 1
# タイトルの書名が異なっていたので訂正
以前購入した「100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊 これから出る本」を読み終えたので、気になる人の選んだ本、自分が気になっていた本が選ばれた理由などを書いていきたい。
阪井誠がリーダーを任されてしまったあなたに贈りたい1冊 / ワッツ・ハンフリー著「TSPガイドブック:リーダー編」
まさかここでワッツ・ハンフリー、そしてTSPを見ることになるとは思っていなかった。どちらかというとプログラマ寄りの人たちが多い中で、堅いソフトウェア工学のハンフリー氏の、それもTSPというマイナーなものが出てくるとは。
推薦の言葉として、ソフトウェア工学の面よりもハンフリー氏の経験を基にした実際の現場リーダーとしての考え役割を丁寧に説明しているという点で評価されていた。自分も当該書籍は持っているが、PSPをまだきちんと習得できていないという理由で未読だが、TSPということを気にせずに読んでみようと思う。
Jenkinsのリーダーが孤高のプログラマに贈りたい1冊 / G・M・
ワインバーグ 著「プログラミングの心理学 または、ハイテクノロジーの人間学」
栗原潔が技術指向の若手エンジニアに贈りたい1冊 / G・M・
ワインバーグ 著「システムづくりの人間学 計算機システムの分析と設計を再考する」
ミックが人と仕事をする全ての人へ贈りたい1冊。(特に最近部下や後輩を指導するようになった人は必読) / G・M・
ワインバーグ 著「スーパーエンジニアへの道 技術リーダーシップの人間学」
吉川日出行が開発者からコンサルタントへと異動・転換した人に贈りたい1冊 / G・M・
ワインバーグ 著「コンサルタントの秘密 技術アドバイスの人間学」
一番最初の「Jenkinsのリーダー」は言わずと知れた川口耕介氏です。
ここにあげた4人4冊は、今回選ばれた100冊の中からワインバーグ氏の著書だけを抜き出したものだ。4人ともワインバーグ氏の著書を推薦しながらも一冊も同じものを選んでいないという点がとても興味深い。そして如何にもワインバーグ氏らしいのが、この四冊すべてに「人間」という単語が入っていること。ワインバーグ氏(というか著書)には個人的な思い入れがあることもあり、100人のうち3人が選んだということは素直に嬉しかった。
Personal-PMer冨永章が人生で結果を出したい人にヒントをあげたい1冊 / ワッツ・ハンフリー著「パーソナルソフトウェエアプロセス入門」
ワッツ・ハンフリー氏の著作はこれで二冊目。これ以上ありません。
氏の代表的な開発プロセス、それも個人の能力向上を目的としたパーソナルソフトウェアプロセスについての入門書だ。推薦人の冨永章氏も本文で書いているが、ハンフリー氏は個人の「コミットメント」に力点をおいている。その考えの一端を知るのにも本書は良いだろう。
漆原茂がイケてるITアーキテクトを目指す人に贈りたい1冊 / Jim.Gray, Andreas Reuter 著「Transaction Processing」
masayhがリーディングエッジを目指すソフトウェア開発者に贈りたい1冊 / Jim.Gray, Andreas Reuter 著「Transaction Processing」
邦題「トランザクション処理」の原著を挙げたのが上記二名。
システム開発を行うにあたって(特に業務系システムで)ほぼ避けて通れないトランザクション処理。普段はトランザクション設計をしAPIを利用するだけだが、さらにその奥を突き詰めようとおもうとこの書籍に行きあたる。まさしく「イケてるITアーキテクト」「リーディングエッジ」を目指すならば避けることが出来ないだろう。技術書をしこたま購入している私も、流石にこれはまだ手を出していない。以前から気になってはいたのだが多分読みこなせない、また必要とする場面が想像できないからだ。だが、先を目指すとき必要となるだろう。
bleis-tiftが高専時代にお世話になった先生に贈りたい1冊 / 浅井 健一 著「プログラミングの基礎」
「プログラミングの基礎」はその題名通りプログラミング初心者向けの教科書なのだが、扱っている題材は最終的に最短経路探索を行うというもので、扱う言語はOCamlというかなり強烈な内容となっている。
私もOCamlの勉強のために購入したのだが、いまは絶賛放置中。
普通に教科書としても「デザインレシピ」というかたちでまず設計すること、抽象化することがかかれ、また全ての書籍中のコードにテストコードが含まれている。きちんと動くこと、そしてそれが正しいことを証明することまで含めて書かれている、それがまた入門としてという点で評価が高い。
また推薦人は300ページ弱の入門書ながら赤黒木やヒープについても解説を行っていると点も高く評価している。
他にもいくつかあるが、とりあえず今日はこれまで。
もっとも役に立った本 (スコア:0)
『マーフィーの法則』
ソフトウェア開発において希望的観測をする怠け者を排除する力となります。
ありえない条件でしか現れないはずのバグが発現する不思議さは数学的には説明がつかないです。