
化石が埋まっていそうな場所を教えてくれる人工知能 12
ストーリー by hylom
お告げ 部門より
お告げ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
かつては、化石の採掘は勘に頼っており、成功するかどうかは運次第であった。しかし、今日では人工知能の力を借りることで、どこを採掘すべきかのアシストを受けることができるという(Nature News)。衛星写真と学習を行ったコンピュータニューラルネットワークを用いることで、化石が埋まっている可能性が高いと思われる場所を予測できるそうだ(Evolutionary Anthropology掲載の論文概要)。
90年台後半には、すでに衛星写真を活用して探索する場所の目星を付ける「化石ハンター」は存在していた。その試みは実際に成果を上げていたのだが、まだ写真や画像を目視で調べるというものであり、まだハンターの直感に依存するものであった。いっぽうニューラルネットワークを用いる手法は、すでに化石が発見されている地点とその地形をあらかじめ学習させておき、そこから化石を発見できそうな地点を見つけるというものになる。
地形データには衛星写真だけでなく、赤外線写真など異なる波長の光を用いたデータ、そして化石が発見された場所かどうかを示すデータを用いたという。学習させたニューラルネットワークを用いて既存の化石発見場所をチェックしたところ、79%の確率でその場所に化石があるということを正しく特定できたとのこと。この技術はまだあまり探索されていない地域の化石調査に役立つそうだ。
一攫千金の夢 (スコア:2)
一攫千金の夢を追わないなんてもったいない。
# そういうのは商業的にやってる会社があるから、あえて学問的な目的に絞ったの?
Re:一攫千金の夢 (スコア:3, 興味深い)
温泉を衛星で発見するってのは2月に朝日で記事 [asahi.com]になってましたね。
(露出した)鉱脈を発見するってのは、ある程度既出の研究でこの論文 [sciencedirect.com]とかが該当かな?
さすがに、露出してない鉱脈とか油田を衛星探査ってのは聞いたことがない。
あ、「重力異常があるのでこの辺に重たい物質(金属)があるかもしれない」とかが研究されてるかも。
温泉や露出鉱脈の衛星探査は、「地表にとある物質がある・地表が温かい」⇒「周りと放射の仕方がちがう」って
簡単な関係(物理法則のみ)に依拠しているので、『枯れた技術』とまではいかないけれども、
『過去』の『生物相』が推測できるという単純な物理法則の世界に閉じていない
今回の研究よりは面白みはすくないでしょう(=Nature.comが記事にしない)
Re: (スコア:0)
>露出してない鉱脈とか油田を衛星探査ってのは聞いたことがない。
自身が引っ張ってきてるリンク先の論文にも書いてあるけど、鉱床そのものが露出していなくても、鉱床の周囲にできる変質帯(鉱床から、場合によっては数km程度まで広がることがある)の検出によって見つける場合も結構あるよ。最近は衛星の分析能力が上がってるから。表層に植生があまりなくて地面が露出してる必要があるから日本ではあまり使えないけど。
#近赤・中赤が見える&分解能が上がったおかげで、分光的に変質帯が見分けられるようになった。
Re:一攫千金の夢 (スコア:1)
化石は、協力先を探すためのデモンストレーションでしょう。
昔の本物の山師は、地形や樹相などから、金鉱脈の「気」を感じていたと聞いたことがあります。
まあハズレがほとんどなので、詐欺師の代名詞になったのでしょうが、ITを駆使した山師システム
なら出資者は色々あるでしょう。
それに、例えば貝の化石くらいなら何処で見つけましたと発表してもたいしたことはないですが、
紛争地域に石油を見つけたりした場合、大学の研究室だけでは心許無いでしょう。
似たことを既に商業的に行っている処があっても不思議ではありませんが、成功しているなら
なおさら、こっそり活動しているのではないでしょうか。
Re:一攫千金の夢 (スコア:1)
やっぱりここは徳川埋蔵金が埋まっていそうな場所を教えてくれる人工知能を(笑)
#赤城山はいまどうなってるんだろgesaku
埋めるとこからやらなきゃ (スコア:1)
Re:埋めるとこからやらなきゃ (スコア:1)
埋めるためには数億年前に移動できるタイムマシンが必要じゃね?
…はっ、もしかしてそういう機械?
Re: (スコア:0)
とんでもない物を見つけてしまった!
どうしよう?
# 神の手を掘り当ててしまいました
そんなことをしなくても (スコア:1)
IBM辺りを調べれば、恐竜の化石なんていくらでもありそうですが
#化石になるまえの死骸かもしれない
人工知能というには大げさな感じが・・ (スコア:0)
コンピュータがチェスのチャンピオンに勝ったというよりは、どちらかというとエッセンスは、
OCRの精度が良くなったというような、従来の機械的な検索より効率の良いアルゴリズム話なのかなと。
データベースとのマッチングを調べるのに、厳密に調べるのが骨だからニューラルネットにぶちこんだ気がする。
たとえば、4つくらいのパラメータが揃っているときには、化石が見つかりやすいけど、
なぜか5つパラメータが揃ったときには理想的な条件のはずなのに、なぜかさっぱり見つからない場合とかに。
アルゴリズムが未成熟だと、最適なポイントに絞り込んだところで、そこに本当に化石があるとは限らないので、
たしかに現地点の着地点として折り合いは良いと思う。
Re:人工知能というには大げさな感じが・・ (スコア:1)
> 厳密に調べるのが骨だからニューラルネットにぶちこんだ気がする。
なるほど、だから化石に特化しているんですね。
Re: (スコア:0)
推論もしくは学習を行うプログラムは「人工知能」を名乗っていいみたいですよ。
ニューラルネットは推論も学習も両方行うので、立派に人工知能です。
個人的には首をかしげてしまいますが、例えばグラフ構造の最短経路問題のソルバ(ダイクストラとか)も人工知能なんだそうで。