
脳のメカニズム、我々は何故笑うのか 50
HAHAHA 部門より
danceman 曰く、
人間は何故笑うのかについて論じた Matthew Hurley 氏の書籍「Inside Jokes: Using Humor to Reverse-Engineer the Mind」 が MIT Press から出版されている (The Boston Globe の記事、本家 /. 記事より) 。
これによれば「人間は、少なく不完全な情報を元に休むことなく多くの推理を立てることで合理的に日常を受け入れることができている。こういった推理を行うことで物事を簡略化したり、他者の考えに対して批判的な洞察を行ったり、合理的な決断を下せる」のだそうだが、この行程で誤りをおかすことを避けるのは不可能であり、誤った推理の蓄積は損害を与える大きな間違いに繋がる可能性があるという。だが、こうした間違いを見つけて正すことで我々の脳は「褒美として」笑いを得ているのだのだそうだ。つまり「ユーモアのセンスとは、誤った推理と現実の隙間を警告するよう脳を誘惑するためのもの」であるとのこと。
こうした笑いの一例 (The Boston Globe の記事より抜粋): 寝台車で一緒になった初対面の男女の話
女: (真夜中に男に向かって言う)「すみませんが、寒いので毛布をもう一枚取ってきてください。」
男:「もっといい考えがある。」(瞳を輝かせながら)「今晩は互いに夫婦になったふりをしよう。」
女: (クスクス笑いながら)「いいわよ。」
男:「それはよかった。自分で毛布を取って来い!」
この一例で /.Jer の皆さんが大笑いできたかどうかはさておき、最後のおちで誤った推論に導かれていたことに気がつき苦笑されたであろう。「ユーモアとは間違いを発見したことの褒美」であることをご理解頂けたであろうか。
ロバート・J・ソウヤーは (スコア:2)
こちらだと、ダジャレやバナナの皮で滑って転ぶ紳士なんかも説明出るので、わりと気に入っています
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惑星ケイロンまであと何マイル?
概ね正しそうな印象はありますが、だとすると「お約束のネタ」でも笑えるのは何故だろう? (スコア:2)
最近の研究によりますと、なんでも笑いというものは、脳の推理が事実と乖離した時に起きるものらしいですな。
そうしますとあたしら噺家は困ったことになりそうで、何しろ、古典落語はお客さんもネタを知っているし、だいいち持ち芸の意味がなくなっちまう。まァ学者先生の研究だから正しいんだろうけどね。
先日も、ある推理小説家の先生のところにお邪魔しましてね。
「や、先生。先日の小説を拝見しましたが、面白かったですね、『Aの悲劇』」
「おっ、嬉しいことを言ってくれるねェ。あれは自分でもなかなかよく書けたと思ってましてね」
「あの叙述トリックが秀逸でしたなあ。最後まで気付かず、あたしゃオチを読んだところで大笑いしちゃいましてね」
「おいおい、なんですか大笑いって。喜劇じゃないんだよ」
(寄席の客)「┣¨ッ!」
Re:概ね正しそうな印象はありますが、だとすると「お約束のネタ」でも笑えるのは何故だろう? (スコア:1)
>古典落語はお客さんもネタを知っている
人は、条件反射で笑う場合もあるのではないでしょうか。
反射的に笑える雰囲気を醸しだす、という所に、
話芸の奥深さがあるのかもしれません。
// ええ、疲れている時に「アボガドロ数」という文字を見るだけで、
// 思わず笑ってしまう事があるのですよ
Re: (スコア:0)
おせんみこちゃ --> 大阪さん
はともかく。
他人の笑い声を聞くことで「笑っていい場」であると安心して笑える要因もあるのではないかと。
「笑わなくちゃいけない場」であると誘導しているように感じて、テレビの笑い声挿入は大嫌いなんですが…
Re: (スコア:0)
TVのお笑い番組などで良くある「効果音の笑い声」とかですね。
ココ笑うところですよ、という合図に対しての条件反射的・連られ笑い。
Re: (スコア:0)
まえもって場の皆が共有している「お約束のネタ」で一足飛びに予定調和を引き起こすのも、ある意味で「事実との乖離」なのかもしれませんね。
枝雀さん風に言うと (スコア:1)
すけない情報で推理して緊張しつつ、間違いが正されるという緩和により笑いが生じるわけでんなぁ。
#ほんまか?
こんな例か (スコア:0)
相談員「この人なんてどうでしょうか?年は41歳で年収は260万 結婚後は家事を優先しt・・・」
女「ぜったい嫌です!!!年とりすぎで年収?ゾッとします!!!」
相談員「あ・・・すみません これはあなたのプロフィールでした」
これ亭主関白が世の中にあり得ると妄想してる独身男性が考えたジョークだろ (スコア:1)
女房にこんなこと言ったらとんでもないことになるぞ!注意しろ!
Re: (スコア:0)
亭主関白を調べるがよろし
Re: (スコア:0)
間違った用法には思えないが?
Re: (スコア:0)
亭主関白を調べるがよろし。
Re: (スコア:0)
間違った用法ではありませんでした
笑いの根源はひとつではない (スコア:1)
星新一氏のエッセイにあった話(記憶モード)で、フランス映画の一こまだそうですが
これ、すごく共感できる話なんですが、この笑いは「誤った推理と現実の隙間を警告するよう脳を誘惑するためのもの」とは違いますよね。どういうメカニズムなんでしょう?
# 引用の後半は悲しみの話だけど、これがないとオチがつかない。
Re:笑いの根源はひとつではない (スコア:1)
蛭子さんはお葬式に出ると、みんなが真顔になってるのがおかしくて笑うってしまうんだっけ。
#箸が転げて笑うってのは、何をどう推理して間違うんだろう。
Re: (スコア:0)
箸は静止しているものであるというイメージがある…とか?
Re: (スコア:0)
誤った推測:葬式では厳粛に立居ふるまうべきである
現実:バナナで転んでずっこける
笑いはすべて、あるべき姿と現実との差、端的に言えばすべて差別である
というのを聞いたことがある。
Re: (スコア:0)
それは社会人}的には正しい推測ではないかと。
Re: (スコア:0)
>>誤った推測:葬式では厳粛に立居ふるまうべきである
>それは社会人}的には正しい推測ではないかと。
ここで言っている誤った推測とは、以下のような事を言っているのでは?
推測する事象Aに対して、事象Aが起こる時点をA'とし、A'より以前の時点で推測した事象Aの結果をBとします。
そして、実際の事象Aの結果をCとした時、
『BとCのギャップがあり、その補正される値が大きければ大きい程(あまりにも大きいのはダメなのかな?)、笑いにつながるよ~。』
と言っているのでは無いでしょうか?
なので、推測の妥当性ってのはあまり関係がないように思います。
なぜなら、正しいと思われる推測であろうとなかろうと、推測した当人が干渉しないかぎり、
結果は『フタを開けるまで解らない』でしょう?
Re: (スコア:0)
この場合、単純に「推測が誤っている」=「誤った推測」だね。
「誤った考え方に基づく推測」は限定しすぎで、一般論にまではなれないと思う。
Re: (スコア:0)
葬式のような厳粛な雰囲気が要請される場で、派手な音を立てて失敗するのは笑えるかもしれないが、
逆に皆が楽しく騒いでいるパーティーで根暗に押し黙る人がいても陰気に感じるだけで笑えない、という
非対称性から考えると単なる推理と現実のギャップというよりはいわゆる緊張と緩和のほうがあたってると思う。
Re: (スコア:0)
それは、取りようと状況次第だと思う。
厳粛の中でのずっこけも、本人が厳粛にしようと必死になっている中なら笑えるが、
こいつを出席させたらまずいだろうと思えるほどいいかげんな奴ならば気まずく、怒りに満ちた空気になる。
楽しいパーティでも、連れてくるんじゃなかったと思えるような人が暗ければ、陰気になるけれど、
必死に笑顔を作ろうとして明るくしようとしても、オーラが真っ暗、頑張っているけど口を付くのは暗い話題
という人ならば、笑えると思う。
Re: (スコア:0)
葬式で変な奴がふざけてても笑える(葬式コントやどっきりに多い)し、必死に明るくしようとして失敗するのが笑えるってのは、その悲壮な努力が(本人にとっては)緊張の場面だからでしょ。
そりゃ状況を作れば葬式もパーティも笑いの場面にも怒りの場面にもなるだろうけど、要は緊張した場面に不意に緩和が導入されるのと、緩和した場面に不意に緊張が導入されるのでは笑いの効果には差があるという話。笑いの場面の例を考えると葬式という緊張の場面がまず浮かぶ事自体その証左ではないかな。
Re:笑いの根源はひとつではない (スコア:1)
>不意に緩和が導入
緊張の中で失敗が起きて、さらなる緊張を緩和するために「笑い」が導入されるんじゃない?
緊張+緩和で「笑い」になるんじゃなく、過度の緊張を緩和する安全機構として「笑い」があって、「笑い」の効果で緩和が起こると思うんだが。
「笑い」を発生させた最後の「緊張」を、結果としての「緩和」とごっちゃにしてるような。
the.ACount
その辺は… (スコア:1)
南国から糸色まで読んでると、色々と言及されいるギャグですね(走召糸色木亥火暴)
------------------------------ "castigat ridendo mores"
ダジャレでも (スコア:1)
くだらなさがじわじわときて笑ってしまうのは「そんな状況ねーよ」と言いたくなるような、ある意味「出来の悪い」ものが多く、
ダジャレであることを除いて文章に違和感のないものは、感心することはあっても笑うことはあんまりない気がする。
1を聞いて0を知れ!
女: (クスクス笑いながら)「いいわよ。」 (スコア:1)
推理に対してかけ離れた返答が来ているから笑っているのに、何故それを受け止めてしまうのだろう。
Re: (スコア:0)
いえ、このケースでは女性の推測どおりの反応を男性が示しています。
寝台車で女性が毛布を持ってきて欲しいと頼むというのを言葉通りに受け取ると、このジョークの意味があやふやになると思います。
間違いの発見というよりも (スコア:1)
「間違いの発見への褒美」では、駄洒落やドタバタやナンセンスや物真似が面白い理由の説明が難しい。
あと若者・子供の方が笑いやすい傾向にある(箸が転げる・・・)事も説明できそう。
確かに夫婦というのを誤解していたようだ (スコア:0)
男女を逆にすると推論どおりだったんだけど…
女「自分で毛布を取って来い!」
くすぐりは (スコア:0)
いわゆる危険部位に予想がつかない接触がある場合(自分でやると脳が予想してるので意味が無い)
妙な気分&笑ってしまう事ですが
何で笑うんでしょうね?
・・・ご褒美?
トリビアの種 (スコア:0)
「トリビアの泉」の「トリビアの種」で、絶対受けるジョークを調べるネタがあったと思ったけど、見逃していたのでググってみると、
"「人が笑うという行為」を学問として研究している人達が作る 1番面白いギャグは「青年の主張で性欲の強さを主張する」" [syu-ta.com]
だったらしい。何がおもしろいのか、さっぱりわからん。
Re:トリビアの種 (スコア:1)
詳しく見てないのでわかりませんが、
多くの人に共通の知識であることが、多くの人が笑う可能性が高いという事で選定したのかなと推測しますが
如何でしょうか。
で、知識があっても笑えない人がいる問題は、
刺激に対して、本人が笑うという行為に積極的な受け入れ態勢ができているかどうかが
やはりとても重要なんでしょうね。
Re:トリビアの種 (スコア:1)
clausemitz
Re: (スコア:0)
辞書で「シャレ」の項を引いたら、例として
下手なシャレは止めなしゃれ
と記載されていた、という都市伝説に通じるものがありますね。
Re:トリビアの種 (スコア:1)
「青年の主張・・」は常識的倫理に沿った真面目な主張をするという前提を破るから面白い。という理由は分かるし、一応は面白いかもと思うけど、こういうひねくれまくった人たちが一番面白いモノなんて一般人には分からんよ。
the.ACount
3徹で (スコア:0)
ボールペン落として笑いが止まらなくなるというのは、どういう理由だろうか。
Re:3徹で (スコア:1)
笑い自体は、現象としては一種の痙攣のようなもので、徹夜明けの場合は
無意味な発振を制御している部分が働かなくなっているのでしょう。
一度発振してしまうと、脳の他の部分はそれを可笑しいからだと解釈して
いるのでしょう。(悲しいから泣くのじゃなくて、泣くから悲しいみたいに)
Re:3徹で (スコア:1)
箸が転んでも笑う人と同じくらい抑制が綻びてるのさ。
the.ACount
Re: (スコア:0)
もう脳がぶっこわれてるから。
間違ってた→いや間違ってなかった→と思ったのが間違ってて本当は……
違いによる笑い(無粋) (スコア:0)
うちでは1枚の毛布にくるまってますので、持ちにいく必要がありません
オフトピ(Re:違いによる笑い(無粋)) (スコア:0)
ごめん。
全然関係ないけど、この表現って方言ですかね?
「取って/持ってくる」「取って/持っておいで(取っ/持っといで)」などはあると思うんだけど「取りに行く」を「持ちに行く」と表現するのって、甲信越地方あたりであってますかね?
それとも、もっと広い範囲なのかな?(或いは、自分が聞いたことがないだけで全国的にある表現だったりします…?)
# 笑う笑わないよりも、こういう表現の成り立ち(由来)のほうに興味があるAC
Re:オフトピ(Re:違いによる笑い(無粋)) (スコア:1)
カバン語 [google.com]の香りがしますね。日常的に用いる表現というより、よそ事に気を取られながら推敲を欠いて書いたという可能性が高いのではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
#2058038のACです。
情報が足りなかったですね。申し訳ない。
私の経験範囲のみなのですが、甲信越地方、より具体的には山梨では、結構この表現をされる方がいらっしゃるのです。
例えば小学校の転校当初、先生に「○○を持ちに行ってこい」と言われ、一瞬頭が「?」になった経験があったりします。
なので、このあたりの方言なのかなぁ? と興味を持った次第です。
そうすると、じゃぁ、どういう範囲で使われる表現で、どういう経緯でこの表現が成り立ってきたのか、なんかが気になってきたりして…(笑)。
# 盛大なオフトピ、失礼。
Re: (スコア:0)
山梨出身のACです。
普通に「持ちに行く」=「取りに行く」の意味で使ってました。
標準語ではないことに気づいたのは上京後10年以上たってから、
カミさんに「何それ分からない」と言われたときが初めてでした。
それから10年以上たちますが、まだたまに使って子供に同じ事を言われます...orz
Re: (スコア:0)
#2058038のACです。
ありがとうございます。
大変参考になります。
やっぱり、少なくとも山梨では認知度が高そうですね。
いやいや、それは仕方ないですって。
そういう個性を必要以上に殺す必要も無いと思いますしね(寧ろ、個人的には、無くしちゃいけないとも思うし)。
それが何か間違いを誘発するとか、問題を孕んでいない限り、多様性、ということでポジティブにいきましょう。
あっあっあっ (スコア:0)
多分、みんな誰かに「あっあっあっ」ってされてるんだと思う
どこが面白いのか分からなかったら。。 (スコア:0)
すいません、このお噺の落ちが分からなくて悩みました(^^;
わが家では私は女性の言いなりなので・・
Re: (スコア:0)
では無粋を承知で解説すると・・・
初対面の男性に夜中に声をかける -> 誘い水であって女は本当に毛布を欲しいわけではない。
これは亭主関白な言動ではない。
もし夫婦で、夜中に妻から誘われたらジョーク的には「かんべんしてくれ明日早いんだ」でしょう?
つまり、女からの誘い水であり単なる言葉のあやを、夫婦ならではの拒否の意味でわざと額面通りに受け取り、
女は毛布が欲しいわけではないと判った上で、欲しいなら自分で取ってこいよと突き放すところがポイントです。
女にとっての夫婦=H相手 と、男にとっての夫婦 = Hの対象外
というところが誤った推論ということですかね。
MatthewHurley氏はさぞドMなんだろうよ。 (スコア:0)
自ら生まれる感情すらも褒美として受け取るなんて
どうかしてる。