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医療

赤ちゃんのうちに様々なバクテリアに晒されると、アレルギーを発症しずらくなる 80

ストーリー by hylom
無菌室はよろしくない 部門より
danceman 曰く、

Journal of Allergy and Clinical Immunologyに掲載されたJohn Hopkins Children's Centerの研究論文によれば、赤ちゃんのうちにチリダニや猫の糞、ゴキブリなどのアレルゲンに晒されたほうが、喘息やアレルギーになりずらくなるとのこと。しかも、アレルゲンに晒される時期が早いほど良いのだそうだ(Daily Beast記事)。

喘息を発症するリスクの高い子供(20%以上の住民が貧困レベル以下である地域で、アレルギーまたは喘息持ちの両親を持つ子供)467人を、生まれた時から3歳まで経過観察し、定期的に牛乳や卵、ピーナッツ、ゴキブリ、チリダニ、犬、猫、ネズミのアレルギー検査を行った。また、104軒の家からチリを採取し、チリに含まれるバクテリアを分析した。こうしたデータを集めた結果、より多くのバクテリアやアレルゲン(特にネズミや猫、ゴキブリの糞というアレルゲンの組み合わせ)に晒された子供のほうが、3歳になった時に喘息になる確立が低くなることが分かったとのこと。

この研究結果は、「Hygiene Hypothesis(衛生仮説)」の信憑性を裏付けている。衛生仮説は、ウイルスやバクテリア、共生微生物、寄生微生物などの感染因子に晒されない環境で育った子供は、免疫システムの自然な発達が抑制されてしまうため、アトピーなどのアレルギー疾患を引き起こしやすくなるというもの。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by bghtyu67 (46369) on 2014年06月12日 9時00分 (#2619720) 日記
    九州大学の研究 [jst.go.jp]により、アレルギー反応時にヒスタミンが放出される過程で、dock5というタンパク質が作用していることが明らかになった。
    これまではアレルギー緩和にヒスタミンの働きを抑える薬剤が用いられていたが、 dock5の働きを抑制する薬が開発されればヒスタミンの原因を絶つことができると期待される。

    すでにアレルギーになっちゃった我々には、こっちを期待したい。
  • by Ryo.F (3896) on 2014年06月09日 9時27分 (#2617692) 日記

    子供のアレルギー発症をおそれて、ある程度大きくなるまでアレルゲンになりやすい食物を摂らせない、ってことが行われているけど、それは逆効果って事なのかな?

    それと、これはアレルギー性の病気全般に言えることなのか?
    花粉症に関して言うと、みんな等しくアレルゲンに晒されているわけだけど、発症してしまう人がかなりいる。

    自分自身の経験で言うと、家にGも出てたし、極度に衛生的な環境で育ったとも思えない。
    なのに、アトピー性皮膚炎も喘息もあったな。

    • ぶっちゃけ、医療的見地からのアレルギーて、特定の症状に対する対症療法が幾つか存在するだけで、残りは全く不明なんだよね。

      アレルギーの極限と云える自己免疫疾患は、治癒が絶望的な難病のまま、全然進歩してないしね。

      --
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    • by fukapon (4131) on 2014年06月12日 15時15分 (#2620005)

      花粉症に関して言うと、みんな等しくアレルゲンに晒されているわけだけど、発症してしまう人がかなりいる。

      それは誤解では。
      直接の原因に(花粉症で言う花粉)に曝されているか否かではないように読めます。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      スェーデンかどこかじゃ赤ん坊を一日数時間屋外に出して寝かしておくから病気に強くなるみたいなことをTVで言ってた

      • by Anonymous Coward
        それは多分日光浴の効果なんじゃないかと
        • by Anonymous Coward

          日光浴の効果って何よ
          どういう理屈で日光浴が病気に対して抵抗力を増すのか教えてよ

          • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 9時06分 (#2619725)

            うろ覚えだけどマジレス
            日光を浴びることでビタミンDが生成されて免疫活動が活発になり云々だったかな。
            最近の子供は日光を浴びないので抵抗力が低いという意見が出ていたけど、
            紫外線による害の方が大きいというオチがついていたような。

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            • by Ryo.F (3896) on 2014年06月12日 10時08分 (#2619796) 日記

              最近日本では、佝僂病 [wikipedia.org]が増えている [nhk.or.jp]そうだね。

              原因は複数考えられるけど、その一つが日光に当る時間が少ないこと。
              他には、アレルギーを気にするあまり、偏食になってることや、母乳だけで育てることも関係していると考えられている。

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            • by amay12 (45809) on 2014年06月12日 11時44分 (#2619865) 日記

              その目的なら、日光浴と呼ぶほど気合入れる必要はない。
              外に出れば十分。

              http://jsbmr.umin.jp/kotutaisha_vitaminD.html [jsbmr.umin.jp]
              引用:
              一般的に、晴れた日に顔と肘から先の腕を15分直射日光に当てるだけで、ビタミンDが合成されると考えられています。
              また、この程度の紫外線では、皮膚癌の心配はほとんどないとされています。

              親コメント
              • Re:逆効果? (スコア:4, 参考になる)

                by yoshimo (15798) on 2014年06月12日 12時56分 (#2619910)

                こちらの記事
                http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/218209.html [hokkaido-np.co.jp]
                では

                「どのくらいの日光浴が必要か。母坪さんは、臨床医向けの国際的な電子教科書「Up To Date」にある「春から秋の午前10時から午後3時までの間に、黄色人種で30~45分間」を、一つの目安として挙げた。」

                となってます。
                続きを読めば書いてありますが、特に北の方では15分じゃ足りないみたいです。

                親コメント
              • by amay12 (45809) on 2014年06月12日 13時41分 (#2619944) 日記

                参考になります。ありがとうございます。

                冬の北海道で日光浴でビタミンDを生成するのは無理で、食事で取るしか無い、という話ですね。
                外に出れば十分、という私の主張は間違っていました。

                親コメント
  • by epheal (32955) on 2014年06月12日 10時26分 (#2619811)

    免疫寛容という既に知られた現象もありますし

  • by Anonymous Coward on 2014年06月09日 9時29分 (#2617693)

    あまりにも衛生的すぎる環境で育つと、本来は生きていくために必要な抵抗力が正常に働かなくなるんでしょうね。
    1995年に日本人だけコレラにかかったなんてこともありましたし。

    • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 10時30分 (#2619818)

      国立感染症研究所感染症疫学センター、病原微生物検出情報(IASR)のVol.17 No.4 (No.194) [nih.go.jp]より:

      ところが、1995年2月以降バリ島への観光ツアー帰国者の間にコレラ患者が爆発的に発生し、12月末までに患者(278名)および保菌者(18名)を併せて296名にも達し、その発生は37都道府県に及んだ。特に2月(154事例)および3月(105事例)の2ヵ月の間に、バリ島帰国者コレラの88%(259事例)が集中的に発生した(図2)。しかしながら、4、5月にはこのバリ島由来のコレラ事例は激減した。その後6月9事例、7月19事例、8月5事例と再びやや増加の傾向を示したものの、9月以降の発生は1事例のみであった。このバリ島帰国者コレラは1995年の全コレラ罹患者(372名)の80%を占めた。

      なお、オーストラリアでもバリ島で罹患したコレラ患者(3名)の報告があり(本月報、Vol.16、No.10、1995参照)、バリ島では1995年当初よりコレラが潜在的に蔓延していたものと推察される。

      ・「日本人だけコレラにかかった」は誤り。
       (「日本人はコレラにかかると大騒ぎする」のはあるかも)
      ・「温室、無菌室、ぬるま湯育ち」が原因だとすると、1995年後半以降コレラ事例が激減したことの説明がつかない。

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    • by Anonymous Coward

      だからといって、
      いまさらウィルスやバクテリアがうようよいるような環境で子育てしろと言うんでしょうか。

      この研究がそういう単なる自然主義に終わることなく、
      薬剤や無害な菌を使うなどでアレルギー症状を起こさなくできる研究になることを期待したいものです。

    • by Anonymous Coward

      生き残った子供が正しい子供

  • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 7時22分 (#2619647)

    なりずらく……

  • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 8時18分 (#2619676)

    こういう研究成果を前にして「子供がアレルギーになったのは、私の子育てが間違っていたとでもいうの?」と喚き始める馬鹿と「子供がアレルギーになったのは、あなたの子育てが悪い」と決めつける馬鹿

  • by PEEK (27419) on 2014年06月12日 9時23分 (#2619751) 日記

    だから月の清浄な環境で育ったイノセントはゾラと呼ばれている地球上では
    特殊なドーム内でないと長生きできないんだ。

    --
    らじゃったのだ
  • by onomenoga (45732) on 2014年06月12日 9時51分 (#2619781)

    気がつくと私はバイドになっていた、それでも私は地球に帰りたかった

    だけど地球の人々はこちらに銃を向ける

    • by PEEK (27419) on 2014年06月12日 10時14分 (#2619799) 日記

      気がつくと私は水のない環境に適応した姿になっていた、それでも私は地球に帰りたかった

      だけど地球の人々はこちらに銃を向ける

      #実際は自分を見捨てた祖国への復讐で戻ってきてるんだけど。

      --
      らじゃったのだ
      親コメント
  • ちょうど今読んでいるところですが
    「寄生虫なき病」が大いに参考になります。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4163900357/ [amazon.co.jp]

  • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 7時34分 (#2619651)

    捨て子の方が強く育つから、一度形だけ捨ててまた拾ってくるっていう?
    親が守ってくれないから自分で生き延びようっていう精神面だけじゃなくて、劣悪な環境で病気に対する耐性もついたのかな?

    • by Anonymous Coward on 2014年06月12日 8時21分 (#2619678)
      ネタにマジレスっぽくてすみませんが。
      >捨て子の方が強く育つから、一度形だけ捨ててまた拾ってくるっていう?
      あれは「この子はいらない子です。(あえて害する必要はありませんよ。)」って鬼神の類に提示して、子供を害される(早世する)事がないよう祈る儀式だそうです。幼名に「捨丸」とか付けるとかいうのもその例です。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      強い子だけが生き残るから、結果として強くなったと勘違いしていることはないかなあ

      ホメオパシーみたいなものの見方で、ちょっと疑問におもう結果だな

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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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