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テクノロジー

放射冷却を利用して作る単結晶の氷 68

ストーリー by hylom
水のような氷 部門より
northern 曰く、

長岡技術科学大学(新潟県)の上村靖司教授(雪氷工学)が、単結晶で透明な氷を放射冷却の原理で作る手法を開発したと報じられている(朝日新聞)。

「0℃よりも高い環境で凍らせる」という手法で、この方式で作られた氷は水分子が六角形の網目をつくり、乱れなく並ぶため不純物が混入せず透明度が非常に高いという。家庭用冷蔵庫のチルドルームに追加できる方式のため、近い将来手軽に楽しめるようになるかもしれない。

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  • by NOBAX (21937) on 2014年08月25日 16時02分 (#2663528)
    小久保製氷冷蔵株式会社は、空気やミネラルなどを取り除き、結晶を大きくすることで
    透明で溶けにくくしていると主張しています。
    作り方はここを [youtube.com]参照してください。
    ガイアの夜明けでも紹介(8月12日放送)されていました。

    放射冷却法では不純物の処理をどうするのでしょうか?
    • by Anonymous Coward

      放射冷却法では不純物の処理をどうするのでしょうか?

      処理しないし、処理する必要は無い
      上から凍って、不純物は最後に凍る底部に集まる
      だから容器を2層構造にして、全部が凍った後に取り出した氷の下部をポキンと折り取ることが出来るようにすれば良い
      (上下が繋がった/途中にくびれのある「呂」の字のような容器にして下を折る)

      • by Anonymous Coward

        つまり水溶液から濃縮物を簡単に取り出せる?
        なんか色々便利そう
        水の浄化とか毒物の生成とか…

    • by Anonymous Coward

      > 放射冷却法では不純物の処理をどうするのでしょうか?

      なぜ従来法と新手法とで優劣を決めたいのでしょうか?

      両手法を組み合わせて,
      つまり,従来法で不純物を除去しつつ,今回の方法で冷却すれば
      もっと綺麗な氷ができるでしょう

      • by Anonymous Coward
        >なぜ従来法と新手法とで優劣を決めたいのでしょうか?
        新手法に卓越性があるかという事を評価したいからです。
        従来法でも十分キレイな氷は出来てます。
        ロックアイスはコンビニで売っているから買ってみてください。
  • スライド (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2014年08月25日 13時48分 (#2663434)

    完全に透明な氷の製造
    http://jstshingi.jp/abst/p/09/904/nagaoka8.pdf [jstshingi.jp]

    • by guicho2.71828 (38877) on 2014年08月26日 1時48分 (#2663829)

      計算量理論じゃないけど、 O(n^2) を O(n) にできました、ただし係数は 10^4 x n です、みたいな感じか。
      氷の厚みによって凍る速度が遅くならないということの理由に、色々仮説を考えてみた。

      1. 真空槽の下板には窓がある。あるいはどこかの下コメであったように遠赤を透過する。
      放射は距離にかかわりないから、放射したところから直接冷えることになり、従って氷の厚みに関わらず速度が一定。
      一方伝導で冷やしたら、凍り始める面での温度差が小さくなるせいで冷却速度が下がる。

      2. 実は氷の結晶は氷の下端からではなく上端から生えてきている。蛇花火みたいな感じで。
      たまたまこの装置の他の要素が、氷と真空槽下板のあいだに常に水がゆく構造を作っているのかも。
      この場合、放射冷却を使っていることは別に重要ではなくて、単に冷やされる効率が良い。

      というか、むしろ気になったのはpdf後半の放射冷房かな・・・そんなのあるのか。

      --
      新人。プログラマレベルをポケモンで言うと、コラッタぐらい
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      放射で凍らせるあたりがよく分からんな

      pdf5ページ目に図があるんだが、
      ペルチェの隣の真空層の役割がわからん

      ペルチェ直で水に触れて凍るのと
      真空層を経由して凍るのでは、
      単純に速度が違うだけの気がするのだが。

      あと放射で熱を伝える分、効率が悪くなりそうだし
      0度以上で凍るようには思えない。

      • by Anonymous Coward

        p3 も読もうよ。あと p9も。
        伝導じゃ問題があるから輻射で冷やすのが今回のミソであると、
        この資料は主張しているように思うんだけど。
        その上で、真空層は伝導を遮って輻射だけ通すのに必要。

        • by Anonymous Coward

          その真空層の役割が特許を見てもよく分からない。
          http://jstore.jst.go.jp/PDFView.html?type=nationalPatent&id=17820&... [jst.go.jp]

          ペルチェ素子が、接触している真空層容器の上板を冷やす→輻射で熱を伝えて真空層容器の下板が冷える→冷えた下板(金属?ガラス?)が水と接触していて水を冷やす、という理屈みたいなので直接下板をペルチェで冷やすのとどんな違いがあるのかなぁと。
          直接下板をペルチェに張り付けて特許の図5のように0-2℃になるように制御したら同じことが起きないのかな?
          特許の段階でまだ単結晶氷が出来る理論的解明はなされていないようだし(【0032】)。

          • Re:スライド (スコア:4, 参考になる)

            by Anonymous Coward on 2014年08月25日 16時18分 (#2663544)

            単結晶が起きる理由は、「熱の移動がゆるやかだから」だろうね。

            普通の氷は接触によって熱を失うから、水分子からみると、勢い良く冷たい部分に突っ込んでいったら、あっちが全然動かないもんだからグチャっとくっ付いてしまう感じ。この時は相転移だから、自分が動けないかわりに、それまで持っていた運動エネルギーや位置エネルギーを外部に託すことになる(潜熱)。だから、凍る順番にムラがある。

            逆に、放射冷却だと、途中の水や氷は透明だから(ほぼ)素通りして、水分子自身と冷却面(ベルチェ素子)が直接熱交換しているから、周りから奪われる熱はないのに、自由行程だけがどんどん減っていって動けなくなる。すると、周りも潜熱を使い切って、もうどうしようもなく動けないところまでいってから相転移する。別の言い方をすると、連鎖反応じゃないから、運動エネルギーと位置エネルギーを使い切ってから相転移するし、ここで位置エネルギーを最低にするのは、結晶格子上に整列することだから、液体状態ですでに結晶格子上に並んでいるし、そこから動く運動エネルギーも残ってない、ってことじゃないかと。

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              > 放射冷却だと、途中の水や氷は透明だから(ほぼ)素通りして、水分子自身と冷却面(ベルチェ素子)が直接熱交換

              この系のエネルギーの出入りを考えると、
              出る:水が放射する
              入る:ペルチェ素子の冷却面からの放射を水が吸収する
              でおおよそ平衡している状態ではないでしょうか。
              もし水や氷が透明だったらペルチェ素子の冷却面からの放射を吸収できずにどんどん冷えていくという矛盾が生じないでしょうか。

          • by Anonymous Coward

            材料は特許に書いてあった。真空層は合成樹脂材料で3〜4mmだそうです。

            • by Anonymous Coward

              下面は窓なんじゃないの?
              下面そのもの冷たくならずに輻射を透過させるだけで、水そのものがエネルギーを失って冷えていく、
              って発想なんじゃね?

          • by Anonymous Coward

            真空層容器の上板を冷やす→輻射で熱を伝えて真空層容器の下板が冷える
            ではなくて、
            真空層容器の上板を冷やす→輻射で真空層容器の下板のさらに下の水から熱が直接奪われる
            です
            真空容器は 2℃~0℃ といった水温の水が出す赤外線の透過率が高いことも必要ですね。
            ここが少なくとも赤外線に対して不透明だと駄目ですね。

            • by Anonymous Coward

              特許には「合成樹脂材料」「厚さ 3〜4 mm」と書かれてますが、透過率のことは触れられていません。
              273 Kだと波長は10μmぐらいでしょうか。一般的に合成樹脂でこの領域(遠赤外)を透過するものはないと思うのですが。また、試料のどこにも「窓」を使うとも書かれてないですし。

          • by Anonymous Coward

            >ペルチェ素子が、接触している真空層容器の上板を冷やす→輻射で熱を伝えて真空層容器の下板が冷える
            そこが違うのでは?
            ペルチェってのは水の輻射熱の到達分の反射を減らす為のものであって、熱を輻射で伝える為に使っている訳じゃないと思いますよ。
            スカイラジエーターみたいに無限遠が作れれば良いのだろうけど、実際できないからその替わり、みたいなもんでしょう。

            • by Anonymous Coward

              無限遠の代わりに巨大ブラックホールの事象の地平面が利用できる

            • by Anonymous Coward

              水と接触していてる下板が放射して水を冷やす→真空層容器の上板が光を吸収して温度が上がるのを、ペルチェ素子が上板を冷却することで防ぎ、下板からの輻射熱の反射を減らしたのと同じ状態にする

              ということでしょうか。

      • by Anonymous Coward

        例えば、ペルチェ素子を50x50mm2とすると、
        -37 ℃のペルチェ素子からの放射エネルギーはシュテハン-ボツルマンの法則によると、
        5.6e-8*(273-37)^4*(50e-3)^2=0.43W=0.37kcal/h。
        20℃で50mm四角の水を0℃にするためには5^3*20/370=6.7時間
        で合ってますか。

        • by Anonymous Coward

          あれか、ペルチェ素子が冷凍光線を放射して水を冷やすイメージを
          お前は持ってるのか。

    • by Anonymous Coward

      写真だけ見ると、真空層さえ用意できれば個人でも簡単に作れそう

  • 読売の記事 (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2014年08月25日 15時50分 (#2663516)

    http://www.yomiuri.co.jp/otona/drink/dnews/20140327-OYT8T00433.html [yomiuri.co.jp]
    今年の3月に出た読売の記事と同じものかな?
    こっちだと2℃で凍るとか書いてないんだけど朝日の勘違いじゃないかなぁ?

  • by nemui4 (20313) on 2014年08月25日 13時26分 (#2663418) 日記

    リンクの(朝日新聞)を見るだけで「虚偽報道?」という単語がまず浮かんだ・・・
    #脳が汚染されてるな。

    >家庭用冷蔵庫のチルドルームに追加できる方式のため、近い将来手軽に楽しめるようになるかもしれない。

    家庭の冷蔵庫に「追加できる方式」なのはいいなぁ。
    でも、うちの冷蔵庫ってチルドルームとか言うのあったっけ?

    これで作った氷は融けにくいとかなんぞいいことあるのかな。
    かき氷は食べてみたい。

    #記事の続きが読めなかった。

    • by TarZ (28055) on 2014年08月25日 13時31分 (#2663423) 日記

      融けにくい氷ってアイスナインか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2014年08月25日 14時02分 (#2663444)

      「0℃よりも高い環境で凍らせる」という表現は単純化しすぎて分かりにくくなっていると思います.
      実際は周囲を2℃程度の環境に保つものの、-40℃に保った冷却ブロックを用いて放射冷却で氷を成長させるという手法らしいです.
      つまり、ちゃんと0℃以下の冷却装置を使っているということになります.

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年08月25日 20時59分 (#2663703)

    こんな装置がなくても大丈夫。

  • ゆっくり氷らせれば純粋な氷になるから、この発明には実際に新しいことと言うと、 冷やし方に無駄があるから誰もやらないやり方だってだけだ。
  • 思い浮かんだのは (スコア:0, オフトピック)

    by Anonymous Coward on 2014年08月25日 14時23分 (#2663454)

    水が凍らなくて困ってる施設がありましたね。
    さっそく電話したりしているのでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      あんなところに「放射源」持ち込んだら大騒ぎですよw

  • by Anonymous Coward on 2014年08月25日 14時34分 (#2663460)

    一旦凍らせる必要はありますが、消耗品が無さそうなので
    (フィルタ等と比べた場合)超純水製造に使ったらメリットとかあるかな。
    スループットは悪そうですけど。

  • by Anonymous Coward on 2014年08月25日 14時44分 (#2663470)

    会員にならないと全文見えない。これはわかる。

    だけど、非会員で読めるものが「意味不明な文章になっている」って気づかないのかな?

  • by Anonymous Coward on 2014年08月25日 17時00分 (#2663571)

    飲食店で使われる、貫単位で買う氷(ぐぐった感じだとこういうやつ http://www.chu-rei.co.jp/ice.html [chu-rei.co.jp] )も、透明で溶けにくいのですが、これとはまた違うのでしょうか。

    # いまどき一般家庭で氷屋で氷を買ったり配達してもらうことはないと思いますが

    • by Anonymous Coward

      氷屋の氷と同等(もしくはそれ以上)の氷が,ご家庭の冷蔵庫でしかも簡単に作れるかも.って話です.

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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