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米連邦控訴裁判所、Led ZeppelinのStairway to Heavenが著作権を侵害していないとする地裁判決を支持 18

ストーリー by hylom
遺産管財人が訴えているというのがなんとも 部門より

headless曰く、

米連邦巡回区第9控訴裁判所全法廷は9日、Led Zeppelinの「Stairway to Heaven(天国への階段)」がSpiritの「Taurus」の著作権を侵害していないという連邦地裁判決を支持する判断を示した(裁判所文書PDFVarietyRolling StoneFox News)。

Taurusは1968年、Stairway to Heavenは1971年にリリースされており、Led Zeppelinは1968年にSpiritとツアーを回っていた。そのため、作曲者の遺産管財人はLed ZeppelinのJimmy Page氏らがTaurusを聴いてStairway to Heavenを作曲したと主張し、Led ZeppelinのメンバーやWarner/Chappellなどを提訴。陪審はPage氏が作曲前にTaurusを聴いていたことを認めたうえで、著作権侵害が成立するほどの類似性はないと判断し、判事がこれに沿った判決を出している。

原告はTaurusの録音物が類似性判断の証拠に採用されなかったことや、「被告が原告の作品に触れていたという証拠が大きければ類似性の判断基準が低くなり、類似性が高ければ作品に触れていたという証拠の判断基準が低くなる」という逆進比率ルールを考慮するよう地裁が陪審に指導していなかったこと、オリジナリティの適切な判断基準を地裁が陪審に示していなかったことなどを不服として控訴。一方、Waner/Chappellも原告に訴訟費用負担を求める請求の却下を不服として控訴していた。

Taurusの著作権登録が行われたのは1967年。当時の1909年著作権法では登録した楽譜に書かれている内容のみが保護対象のため、Spiritが演奏したTaurusの録音物を類似性の比較対象として陪審に聴かせなかった連邦地裁の判断は誤りではないとのこと。Taurusは未出版作品として2段譜に書き起こした五線紙1枚が登録されていた。逆進比率ルールは著作権法で定義されているものではなく、原告の作品に被告が触れていれば類似性が低くてもいいというルールは論理に反することなどを理由に多くの控訴裁判所が採用していないという。

原告が著作権を侵害されたと主張する部分は半音階で下行するベースラインにアルペジオが乗った8小節分の繰り返しだが、陪審は半音階の下行形やアルペジオ、3音の短いシーケンスといった一般的な音楽的要素は著作権保護の対象にならないと指導されていた。原告側はオリジナリティの判断基準として選択と配置を考慮するよう指導しなかったのは不当だと控訴審で主張したが、全法廷ではいずれにしても類似性が低いという陪審の評決に影響はなかったと判断。訴訟費用の件を含めて地裁の判断を支持している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2020年03月12日 19時11分 (#3778117)

    あー、あのハゲ親父のいるバンドね。

  • by Anonymous Coward on 2020年03月12日 19時12分 (#3778118)

    >原告が著作権を侵害されたと主張する部分は半音階で下行するベースラインにアルペジオが乗った8小節分の繰り返しだが、

    該当部分は、Stairway to Heaven では冒頭、Taurus では 44秒目あたりからになる。

    自分はStairway to Heaven を昔から聞きなれていて、Taurus は今回初めて聞くのだが、
    本件を知らずにTaurus を聞いても「おっ、Stairway to Heaven か?」と、気付くレベルで
    素人的には後から作られた方が盗作と言われても納得してしまうなあ。

    •  こういうのはタブ譜をみるとわかりやすい。ベース音だけ半音ずつ下げて他は同じ位置で弦を押さえていれば弾ける、覚えやすいフレーズ。
      Taurusのタブ
      https://www.songsterr.com/a/wsa/taurus-spirit-tab-s62702t0 [songsterr.com]
      Stairway to Heavenのタブ
      https://www.songsterr.com/a/wsa/led-zeppelin-stairway-to-heaven-tab-s27t1 [songsterr.com]

       Stairway to Heavenの方がトップノートも変化してるし2小節目後半からアルペジオも変化してる。これがメロディを意識させる音になっているので、メロディに着目すれば似ていない(というかTaurusはここがない=一般的音楽要素だけ)。
       一方、アレンジは同じ(アルペジオとベース音半音進行)だから聴いたら似てるのだが、音楽的にはロック以前からある王道でTaurusが元祖じゃない。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      確かにこれは似てる。Stairway to Heaven はあの部分がなければここまで有名になってないだろうし、Taurusの方はずっとこればっかりやっててメインテーマなわけだから。

    • by Anonymous Coward

      Taurusは単純なアルペジオの繰り返しでまさに「一般的な音楽的要素は著作権保護の対象にならない」というのに該当する。
      一方Stairway to Heavenはアルペジオのトップノートが独創的なメロディーラインを奏でていて十分オリジナリティが高いといえる。

    • by Anonymous Coward

      まあ似てるわな。
      真似と言えるかどうか別として
      少なくともインスパイアされてるよな

    • by Anonymous Coward

      以前読んだ同裁判の記事では
      ZepとSpiritは同じライブに出演したことがあり、Spiritの演奏を聴いた可能性があるそうです
      (興味ある方は検索ください)

      インスパイアした状況証拠はある、しかし楽曲の比較論の結果 この程度の類似は著作権侵害ではない ということだと思います

      • by Anonymous Coward

        それって元の文章読めばわかることなのになんでいちいち書くの?

    • by Anonymous Coward

      似てるか?
      この程度のアルペジオで、よくもまぁここまで強突く張れるなと思うよ。

      • by Anonymous Coward

        「素人的には」ってわざわざことわってるんだからさ、素人に分かるように説明してほしいな。

        タレコミの後半に説明は書いてあるが、音楽的にも著作権的にも素人な自分は「でも、似てるじゃん?」と思ってしまう。

        • by Anonymous Coward

          リフを構成するアルペジオとコード進行が似てるとは言えるけど、楽曲全体を盗作とするほど作品は似てない。
          Spiritの方はなんというか、才能が足りてない。
          ジミーの頭の中にSpiritの作品はあったのだろうが、それはネタの一部として再構築してしまったのだろう。
          俺も素人。

  • by Anonymous Coward on 2020年03月12日 19時27分 (#3778122)

    何年も前で、題目もURLも失念しているのだが、YouTubeかニコニコで「J-POPのサビは皆同じコード・リズムに乗る」みたいな動画があった。
    (ピアノを弾きながら理路整然・淡々と解説していくスタイル)

    面白い程、一定のコードにはまる様子が大変面白い動画で、時々思い出しては探すのだが、見つからない。
    うろ覚えだが、投稿者は「黄金コード」みたいな名前を付けていた。

    本件もそんなたぐいのものになるのかと。

    • by Anonymous Coward

      ニコニコだとこれかな?王道進行
      https://www.nicovideo.jp/watch/sm4947752 [nicovideo.jp]

      • by Anonymous Coward

        #3778122 投稿者です。

        コレです、コレ。ありがとう。
        「王道進行」かぁ、この言葉をすっかり忘れていた。

    • by Anonymous Coward

      カノン進行なんかもソレ系かな。

      • by Anonymous Coward

        故やしきたかじんがJ-pop隆盛の頃「織田哲郎のサビ・バンク」を語っていたが、特にZARDで顕著だったベースライン半音/一音下げはカノン進行と言う方がなんかかっちょいいな。

        そう言えばドラマ「リーガル・ハイ」の著作権な回は本件のパロディと言えるのだろうか?

    • by Anonymous Coward

      それを言うなら演歌なんかはどうなってしまうのか

  • by Anonymous Coward on 2020年03月13日 13時31分 (#3778661)

    有名な曲だと、似たフレーズが他の曲に紛れてると気付く事がたまにあるよね。

    私が時々気になるのは「Highway Star(Deep Purple)」の間奏の最後
    「じゃじゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃじゃ~ん」
    (スタジオ録音盤だと、2:53~ )

    最近では、深夜ドラマの「フルーツ宅配便」で流れた「裸足の果実(EGO-WRAPPIN‘)」の冒頭部分。
    「じゃじゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃっ、」ぐらいまでで、本件の天国への階段ほど似てないけど、毎週聴くたびちょっと気持ち悪かった。

    実は、Highway Star以前にもあったフレーズだったりする?

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