非親告罪化はコミケ的モデルを壊す--著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム
タレコミ by ayashii_net
ayashii_net 曰く、
ITmediaの記事によると、著作権保護期間延長問題を考えるフォーラムのシンポジウムが8月23日に開かれ、日本発スタンダードの可能性などについて議論が交わされたとのこと。
参加者は知的財産戦略本部構成員の中山信弘氏、ACCS専務理事の久保田裕氏、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事のドミニク・チェン氏。コーディネーターとして弁護士の福井健策氏。
米の年次改革要望書(PDF)に保護期間延長や非親告罪化が盛り込まれていることに関して、「何が日本の国益になり、文化の発展につながるか考えて結論を出すべき(中山氏)」「他国に突きつけられたものをそのまま受け入れるのは危険だ(チェン氏)」と、基本的に慎重路線。ただ久保田氏の「50年の現状でも契約がずさんなら意味がない」という発言は興味深い。
チェン氏はコミケにも言及し、「コミケの2次創作には愛情と尊敬があり、違法行為のために行われているわけではない」と発言したが、実際のところ、黙認状態に胡坐をかいているというのが現状ではないだろうか。ともあれ、非親告罪化が成立すると、著作権者の意思に関わらず起訴できるようになることは間違いなく、コミケの存続に直結する事態ということは言えるだろう。
記事の最後の節で、チェン氏がファンサブに言及したところでタレコミ人は首を傾げてしまった。ファンサブがデジタル化しインターネットでやり取りされるようになったのは確かに近年のことだが、それ以前からファンサブは行われていたのだし、そもそもファンサブが(少なくとも日本著作権法に照らすと)違法行為だということは論を待たないと思うのだが。またP2Pファイル交換ソフトが(結果的に)「従来の音楽産業の手が届かなかったところまでプロモーションができるという可能性を示した」というのは、良い側面ばかりを強調しすぎな気がする。