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テクノロジー

コマツ、ペルチェ効果による世界最高効率の熱電発電モジュールを開発 70

タレコミ by antoropy
antoropy 曰く、
ペルチェ素子の素材からモジュール、熱交換器、応用機器までの開発・製造・販売を手がける、世界最大手のKELK(コマツ100%出資子会社)が熱電発電モジュールの製造販売を開始する。

ペルチェ素子は、電気で温度を冷却する用途が中心だが、この逆作用を利用したのが熱電発電モジュールで、熱を使って電気を作ることが可能になる。熱電発電は、次世代の再生可能エネルギーとして、近年注目を集めており、この技術により、工場や発電所、焼却炉などで、これまで排出されてきた大量の廃熱を電気エネルギーとして回収することが可能になる。特に定常的に排出される工場廃熱を利用すれば、太陽光発電よりもはるかに安価な再生エネルギーとなる。また、コマツは建設機械のディーゼルエンジンに応用し、排出ガスを電気エネルギーとして再生することを考えているようだ。

主な特長は以下のとおり
      1. 世界最高の変換効率を持ち、比較的小さな温度差でも大きな出力が得られる。
            (動作条件:高温側280℃、低温側30℃)
      2. 出力密度が約1W/cm2と高く、設備がコンパクトになる。
      3. 最大出力時、3A-8Vと低電流・高電圧のため、電気回路の取扱いが容易
      4. 1モジュール3万円(最小販売個数 50モジュール)
      5. 変換効率:最大7.2%

1枚25W出力なので50枚150万円、一辺が35cmの正方形の面積に対して1.25kWの発電能力がある。1kWh20円換算だと、150万円分発電するのに必要な期間は6年10ヶ月になる。量産により同等の出力のペルチェ素子と同程度まで価格が下がれば人類の電力事情が大幅に変わるかもしれない。

情報元へのリンク
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  • この場合には (スコア:3, すばらしい洞察)

    by ujiie (30323) on 2009年02月06日 16時03分 (#1507375)
    ゼーベック素子と言わなくていいの?
    • Re:この場合には (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2009年02月06日 17時19分 (#1507444)

      温度差によって起電力を生じるのをゼーベック効果、
      それを利用した素子はゼーベック素子と呼ばないで熱電対って呼んでた気がするな。

      親コメント
  • ゼーベック効果 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年02月06日 16時04分 (#1507377)

    ペルチェ効果は発電するためのものではありません.
    逆の効果の素子のためには「ゼーベック効果」というちゃんとした名前があります.

  • ディーゼルは、排ガス中のススの問題の対応のために、かなりの高温でススまで燃やしてしまう仕組みも研究中のようですし、タレこみの技術はうまくすれば案外行けるんじゃないですかね。

  • NEDOの「高効率熱電変換システムの開発」プロジェクト [nedo.go.jp](コマツ以外も入ってます)の成果でしょうかね。「(各社の研究開発の平均で)ほぼ従来の2倍の高性能化」(紹介文献(PDF) [enaa.or.jp]の図4)ってのは立派なもんだと思います。

    「太陽光発電よりも安価な再生エネルギーとなる可能性」って何を根拠に?と思ったのですが、この コマツ技報(PDF) [komatsu.co.jp]の図8あたりを見ると、エネルギー回収年(装置を作るのに使ったエネルギーの回収に必要な年数)では太陽光に圧勝、地熱以外の自然エネルギーには負けない位の順位にいるんですね。
    でもこの文献にあるモジュール価格240円/W、システム価格505円/Wってのに比べるとプレスリリースのはすごく…高いです…

    あと、良くなったと言っても効率自体はスターリングエンジン等の熱機関よりはまだ悪いぽいですか。可動部が無くてコンパクトなので確かに建機などにも積めるでしょうが、ホンダがランキンサイクルをミニバンに積んでみたり [jsme.or.jp](豊田自動織機も似たような開発をしています)、従来定置式でしか使えなかった廃熱回収技術の小型化もすごい勢いですね。
    いろいろと今後が楽しみです。

  • by ef (25263) on 2009年02月06日 17時58分 (#1507478)

    トムソン効果 [wikipedia.org]の事も、たまには思い出してください。

  • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 21時12分 (#1507595)
    タレコミでは、1kWhあたり20円で計算していますが、それは強気すぎます。

    風まかせの風力発電の買い取り単価は3~4円程度ですし、動力での販売単価は10円程度です。
    20円程度の単価で買っているのは、従量電灯の個人宅・事務所くらいでしょう。
  • by Anonymous Coward on 2009年02月07日 1時32分 (#1507846)
    なんですよ。
    進歩はすばらしいですし、この技術自体を否定する気はありませんが。

    この程度の効率なら、熱を熱として使用したいときは断熱したほうがはるかにマシ。
    有効な分野は動力か光源の廃熱ですのでエンジンの廃熱利用は的を得ているように思えますが、まともな効率を得るにはたまたま高温側が280℃付近で、たまたま自然空冷で外気が30℃に保たれるところに限られます。
    強制的にその条件を作り出すなら、そのためのイニシャル&ランニングが必要。
    また、常用250℃なのに最大は280℃の時とある。つまり普通に使う分には最大効率は得られない。

    と、色々考えていくと、どんなにがんばってもても実際には7.2%の半分も変換できるとも思えないのですが・・・。

    また、30,000円/24W→1,250円/W→125万円/kW かたや太陽電池はシステム込みで40万円/kWです。エネルギーの元が違うので比較してもあまり意味がありませんが。

    6年10ヶ月で元が取れるとありますが、計算したら24hrフル稼働時の計算のようです。5万時間以上です。確実にエンジンのほうが先に壊れます。

    よって、現状のコストでは確実に「元が取れない」と思われます。実用化というか「形になりました」が正しいんじゃないかなあ。
    学会発表の論文ならおおいに評価すべきだと思いますが、こんなもん売ってどうする気だろう。
    • by Anonymous Coward on 2009年02月07日 1時52分 (#1507854)
      火力発電所のタービンを回し終わった直後の蒸気なら、
      280度以上の温度があるんじゃないだろうか。

      後は、ゴミの焼却炉の排気とか、製鉄所の溶鉱炉の排気とか。

      どれもほとんど24時間動かし続けるようなものだし。

      # ゴミの焼却炉は、ある程度のゴミが集まることが条件だけど。
      親コメント
  • 熱電素子といえば、熱電堆を使って、アウトドアで使える熱電発電による携帯電話充電器(PDF) [hakko.co.jp]なんて楽しい研究をしてる人もいますね。 「熱の実験コンテスト(第1回 [hakko.co.jp]、第2回 [hakko.co.jp])」の 成果のようです。他の実験も結構アレゲ。
  • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 15時56分 (#1507367)
    小松がKELKに社名変えたのか。解りにくい。
    • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 16時16分 (#1507387)

      「小松エレクトロニクス(株)」が「(株)KELK」(けるく)に社名変更しただけ。コマツの完全子会社。
      http://www.kelk.co.jp/ [kelk.co.jp]

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    • Re:そんなことよりも (スコア:3, おもしろおかしい)

      by mgstyle (34119) on 2009年02月06日 16時23分 (#1507396) ホームページ 日記

      ああ そういう意味か

      タイトルでコマツが開発
      本文頭でKELKが販売
      途中から何の説明もなくコマツがでてきて
      またKELK登場

      で混乱しました

      先日プレゼン資料を添削してもらった時の事を思い出しましたよ
      「mgsくんが書きたいことは分かるんだがね、
      使う単語に一貫性がなく
      新しい言葉が突然でてきて先に使っている単語との関係性が分からない

      人にものを伝えるときは、まず相手が単語や仕組みを知らないと思ってから文章を組み立てなくてはいけないよ

      とりあえず高校に戻るか全文書き直すかどっちがいい?」

      --
      [注意]コメント主は大変叩かれ弱い性質です。優しく接してあげて下さい
      ~おもしろおかしい以外に興味はありません~
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      • Re:そんなことよりも (スコア:2, すばらしい洞察)

        by hokuto (16888) on 2009年02月06日 17時42分 (#1507464) ホームページ
        >人にものを伝えるときは、まず相手が単語や仕組みを知らないと思ってから文章を組み立てなくてはいけないよ

        知らない単語や仕組みは、アレゲな業界ではご褒美です。
        僕達から調べる楽しみ(と知っている喜び)を奪わないで!

        真面目な話、どっかのプレゼン資料みたいな内容の薄い記事が一番嫌なんですよ。
        どう書いたって何かを知らない人は出てくるわけですから、いっそそんなことは気にせず、
        ある程度の知識を前提として内容のある記事を書いてもらった方がずっといいです。

        そういう記事を読み解くだけの能力を持つ人のことを、アレゲって呼ぶんじゃないかなあ。
        親コメント
      • >人にものを伝えるときは、まず相手が単語や仕組みを知らないと思ってから文章を組み立てなくてはいけないよ

        自分にとって不都合なことを、バカに伝える必要があるときに非常に役に立つテクニックですね。(違

        --
        1を聞いて0を知れ!
        親コメント
      •  それ以上 私と私の上司を虐めないで。

        /*
          * 前後や途中の説教を抜いてるんで分かりづらいですが
          * 新しい言葉が突然でてきて先に使っている単語との関係性が分からない
          * は、ワザと「何も知らない人間になりきって読むと」新しい単語に聞こえるから
          * 言い回しを変えるときは説明しろって説教の途中の言葉
          *
          * 高校に戻るか全文書き直す で出てくる「高校」は 事業所の裏が女子高なので、
          * mgs「裏の高校で良ければ喜んで勉強し直してきます」→上司「それだけ元気があるなら書き直せ」
          */

        --
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      • Re: (スコア:0, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward
        高校に戻って女の子を見つける選択肢を選ばなかったのか
      • by Anonymous Coward
        >とりあえず高校に戻るか全文書き直すかどっちがいい?
        こういう物言いをするヤツはこっちが言い返せないのをわかってて言ってる
        から余計に腹が立つなあ。

        社長相手に似たようなこと言ったら思い切りキレられましたが。
    • by Anonymous Coward

      コマッちゃうね

  • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 16時56分 (#1507424)

    ガソリンエンジンに使おうと思うとMAX800度-900度(最近の欧州車だとMAX1000度)位に耐えてほしいんですが、無理?
    マフラー辺りなら大分温度低いけど、効果も目減りするし
    (ディーゼルもDPF再生時にかなり温度上がるはずだけど、大丈夫なんでしょうか)

    • KELKのプレスリリース [kelk.co.jp]から。

      【商品仕様】
      寸法: 50mm × 50mm × 4.2mm (リード線含まず)
      質量: 47g
      出力: 最大24W (高温側電極280℃、低温側電極30℃のとき)
      使用可能温度: 高温側 最高280℃・常用250℃以下 / 低温側 最高150℃
      変換効率: 最大7.2%
      材料: BiTe系

      とあるので、280℃以上の熱源との直接接触は保証しないのでは…
      とはいえ、素子自体の接触面が250℃(最悪値で280℃)を越えなければいいので、エンジンの排熱をうまいこと分散して素子との接触面の段階で250℃になるように放熱機構(と言うか熱回路)を組んでやればいけるように思いますよ。

      #と言うか、そういう用途に使う場合は素子の接触面の形状や面積、パッケージ構造についてももかなり変えて、熱的にうまいことやるとは思うのですが…

      親コメント
      • 高温で使える熱電素子材料(Zn-Sb系、Co-Sb系、Pb-Te系、シリサイド系など)と、このBi-Te系を積層することで、うまく高温から低温までの利用を狙うのがセオリーであるようです。
        というか、元のNEDOプロジェクト [enaa.or.jp]では、コマツは「高温域シリサイド系,低温域Bi-Te 系材料を用いたカスケードモジュールの開発」を担当してますね。この文献の図2の右端中段の写真がカスケードモジュールだと思います。
        現状は600℃くらいが上限のようです。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 17時35分 (#1507459)

    熱が電力に変わるんじゃないと思うんですが・・・
    温度差を電力にしてるだけでしょ?
    電力にしたら温度差なくなるだけで熱がなくなるわけじゃないですよね?
    温度差があり続けないと発電し続けられないわけで、結局ここに捨ててた熱をあっちに捨てますってことで、廃熱は廃熱だと思うんですけど。

    • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 17時49分 (#1507471)

      駆動部がないという利点もありコンパクトかもしれません。
      だから今までは発電するに及ばず、ただ捨ててた廃熱にも適用できるとか。

      本格的発電用途には「タービンより効率いいのか」で普及の度合いが決まってくるものなんでしょう。
      高温の気体/液体に晒される訳でメンテナンスフリーとまではいきませんが。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      >電力にしたら温度差なくなるだけで熱がなくなるわけじゃないですよね?
      電力に変換した分の熱量は確実に失われるでしょ

      >高温側が280℃、低温側が30℃という条件で動作する
      とあるので、
      「余った熱量が残らず電力に」なんてほどは使い勝手は良くないでしょうけど

    • by Anonymous Coward

      捨てられる熱からエネルギーを回収して使いましょうという話なんで
      何を懸念されてるのかさっぱり分かりませんよ?
      捨てなければならない熱から多少でも回収できれば得ですよね。
      回収したら不味いでしょうか?

      それと、
      >結局ここに捨ててた熱をあっちに捨てますってことで
      これはあらゆることに言えるんでございますよ。火力発電所で
      起こした電気をお宅様が使った後は熱になって捨てられます。
      火力発電所で捨てるかお宅様が捨てるか、ってことなんですよね。

      • by Anonymous Coward

        ほら・・・・だまされてる・・・・

        熱からエネルギーを回収することはできないです。
        温度差から回収してるんですよ。
        熱平衡になるのにかかる時間を電力に換算してるっていったほうがいいかも。
        使えば使うほど、効率上げれば上げるほど、早く熱平衡状態になるんです。

        熱平衡になるとどこにも熱が捨てれなくなりますが・・・

        • 火力発電所みたいに熱源がある場合は、どっちにしろ
          外気や水などで冷却をおこなわなければならないので
          必ず熱勾配はありますよね?

          熱平衡になるような状態では、どっちにしろ壊れて
          しまうでしょう。

          むろん、常に熱勾配があるような位置に設置しなければ
          ならないなど、利用上の制約はありますが、この際それは
          問題ではないでしょう。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            えっと、たぶん元ACが言ってるのは熱勾配を常に維持する為に
            低温側を常に冷やさないといけないからそのエネルギーが
            必要じゃねえの?
            で、そのエネルギーはどうするの?
            ヒートシンクで足りるの?
            ってことを言ってるかと・・・

            高温側が熱くなれば熱伝導で少なからず低温側にも熱が伝わるわけで・・・

            本当のとこはどうなんでしょ?

    • by Anonymous Coward

      >結局ここに捨ててた熱をあっちに捨てますってことで、

      あっちとこっちにこれを用いれば、念願の永久機関ががが!

      凄い、俺、天才!

  • by Anonymous Coward on 2009年02月06日 19時19分 (#1507533)

    タイトル見た瞬間 CPU→ペルチェ素子→ヒートシンク→ファン の構成で
    ペルチェ素子で発電してファンを回せるのかと思った。

    これができるならファンコンなくてもファンスピードがコントロールできる?

    • by taka2 (14791) on 2009年02月06日 20時18分 (#1507563) ホームページ 日記

      マジレスしますが、

      ファンを回せるかどうかはともかく、CPU冷却用に売られてるようなペルチェ素子でも発電はできますよ。
      でも、たとえその方式で実際にファンが回せたとしても、ファンコン要らずにはなりません。

      「CPUの発熱が増えるほどファン回転数を上げて、CPU温度を一定に」というフィードバック制御は出来るんですけど
      「外気温が高いほどファン回転数を上げて、CPU温度を一定に」というフィードバックが出来ないんです。

      ペルチェ素子のゼーベック効果による発電は、相対的な「温度差」に依存しますから、
      外気温が高いほど、温度差が減るためファンの回転が落ちてしまいます。
      CPUは常に「外気温+α」を維持するようなフィードバック制御になってしまい、
      CPU温度を一定にすることができません。

      親コメント
typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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