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サイエンス

理化学研究所、反水素を長時間保持 44

タレコミ by keybordist
keybordist 曰く、
理化学研究所のプレスリリースによると

理研の基幹研究所山崎原子物理研究室は、
8カ国からなる欧州原子核研究所(CERN)の国際共同研究グループに参加し、
反物質の代表格である反水素原子を、
独自に開発した八重極磁気瓶の中に38個も閉じ込めることに世界で初めて成功した
とのことである。 八重極磁気瓶とは、八重極磁場コイルとミラーコイルを組み合わせた磁気瓶で、
その中に反水素原子の原材料である反陽子を蓄積し、
そっと混ぜ合わせることで冷たい反水素原子を作成したという。

反水素原子は電気的に中性の小さな磁石なので、反水素原子ができあがったころ(約1秒後)を見計らって、
電圧を加え残存している反陽子と陽電子をことごとく排除、
その後、磁気瓶の磁場を瞬時にゼロにすると、
磁気瓶内にとどまっていた反水素原子は装置の壁に当たって消滅し
、 パイ中間子などのさまざまな粒子を放出するそうである。
これらの粒子を、磁気瓶を包む3枚の検出器で観測した結果、
捕捉していた反水素原子を38個も確認することができたという。

これにより、反水素原子を基にした反物質研究が新たな段階に入り、いよいよ基礎物理学の根幹にかかわる実験が始まるとのことである。

タレコミ人としては、更に反炭素や、反酸素、反窒素などの生成から、
反アミノ酸、反生物、反人間の作成、ひいては、反社会や反体制まで構築できるよう、
研究の発展を願ってやまないものである。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 陽電子どっから調達するのか、反陽子が崩壊しても出てこないよなと不思議におもてたら
    プレスリリースと違うじゃんか!>タレコミ文

    プレスリリース:

    反水素原子の原材料である反陽子(陽子の反粒子)と陽電子(電子の反粒子)を、(snip)磁気瓶の中に蓄積し、そっと混ぜ合わせて冷たい反水素原子を大量に生成

    理解できていなかったのかなぁ?

    • 冷たい、といってもまだ(自称)原子、客観的にはむしろプラズマですからね。

      まあ、2000年/2001年あたりに、最初に合成した(かもしれない)実験は、クロスするビームを浅い角度(入射角からみたら鋭角)で這わせたら絡んでいたかもしれない、って感じでしたから、そこから比べると随分進歩しているわけですが、大目標である化学的な性質の検証、あるいは混成軌道の確認まではなかなか道のりが遠そうです。一方で、最初の実験のやり方を見ればどうやってトラッピングするのか、って話になるのは分かりきっているので、この方向性は規定路線の一部ともいえるかと。

      これが、反核子だけの原子核、とかの話になると、そもそもどうやるのか見当がつきません。というか、例えば反デューテロンを作るとして、反中性子線を用意したらターゲットになりそうなくらいは冷たい(=断面積がある)んだろうか?

      親コメント
      • 2000年/2001年あたりに、最初に合成した(かもしれない)実験は、クロスするビームを浅い角度(入射角からみたら鋭角)で這わせたら絡んでいたかもしれない、って感じでしたから

        反水素原子の作成(数は1桁個ぐらいだけど)は, 1995年11月ぐらいにCERNでドイツチームによって実験されたそうです. この時は反陽子ビームにキセノンガスジェットをクロスさせ, この際に対生成される陽電子を反陽子が捕獲して反水素になったそうです. 見るからに効率が悪そうな方法ですけど, 実際に10個程度の反水素を作成するのに5×1012個の反陽子が必要だったとか.

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        >そもそもどうやるのか見当がつきません。

        反重陽子(反陽子+反中性子)なら1965年の段階で出来てるんで同じ手法で原子核は作って(まあ高速で飛んでいきますが)、後は核が通りそうな場所に陽電子をばらまきまくって偶然出来るのを待つ、とか。
        #出来ても1個とかのレベルになっちゃいますが。

  • by Anonymous Coward on 2010年11月20日 13時12分 (#1861849)

    反省

  • by SteppingWind (2654) on 2010年11月20日 21時17分 (#1861971)

    低速反陽子および反水素原子のトラップについては, CERNを中心にいろいろと実験されている [u-tokyo.ac.jp]みたいですね.

    CP対称性の破れとかの精密測定には磁気トラップはあまり素性が良くないみたいですが, 次段のレーザートラップまで冷却するには有効みたいですね.

  • by hafu (31167) on 2010年11月21日 14時29分 (#1862081) 日記

    反原子を使った生物の創成はさすがに先が長そうだけど、D-体アミノ酸を使った生命の創成は何とかなりそうな気もする。
    ちょっとぐぐってもこんなの [geocities.jp]があるぐらい。 立派にチャレンジングだと思うが……。

    ところでやっぱり、D-体アミノ酸で生命を構築すれば 糖も DL 反転した糖を使うようになるのかしらね?

  • by Anonymous Coward on 2010年11月20日 19時25分 (#1861945)
    早く仕分けないと
    • by Anonymous Coward
      反水素原子にsengokuと名付けよう
  • さっぱり分かりません><
    • 磁気瓶:磁場勾配を作っておくと、そこに入射した荷電粒子にローレンツ力が働き、らせん運動させながら徐々に(円運動に垂直な方向側の)速度を減じさせ、反射することが出来る。これが磁気ボトル。これを上下に作っておくと、その中間付近で粒子が行ったり来たりしながら閉じ込められる。これを使うと荷電粒子を蓄えておける。

      八重極:要は磁極が8個中心に向いているような電磁石の組み。四重極とか八重極とかいろいろある。磁場だけではなく電場に対しても使う。N-Sとか+と-の組をいろいろに配置(場合によってはさらに交流電場で振って中の粒子の運動と共振させたりする)することで様々な形状の磁場/電場を作れる。

      ミラーコイル:ローレンツ力を使うことで、ある速度で飛んできた荷電粒子を同じ速度で反射する磁場を発生させるためのコイル。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      大丈夫。
      ちょっと見方を変えれば…

      (・∀・)らんらんらーんらーんらん

  • by Anonymous Coward on 2010年11月21日 1時58分 (#1862019)

    「理研の基幹研究所山崎原子物理研究室も参加したCERNの8カ国合同プロジェクト」が
    反水素原子を磁気瓶に閉じ込めることに成功ってことみたいでよ
    このタイトルの付け方はどうかと思うぞ。

  • by Anonymous Coward on 2010年11月22日 4時47分 (#1862184)

    nature.comの記事 [nature.com]を見ると、40人あまりの研究者のうち、
    理研の人は一人しかいないうえに理研のプロジェクトでもないものを
    理研が主体的にやったみたいな書き方するのはどうよ?って感じなんですが。

    • by Anonymous Coward
      ふつう偉い人がAuthoresの最後にきます。
      論文書いたことない人は知らないかもしれないけど。
      • by Anonymous Coward

        その「ふつう」は分野によって大きく異なります。
        まあ今はどの分野の話をしているのか明確だから省略したのかもしれないけれど、
        「論文書いたことない人は知らないかも」というのはちょっと誤解を招くかも。

        http://en.wikipedia.org/wiki/Academic_authorship#Order_of_authors_in_a_list [wikipedia.org]

      • by Anonymous Coward

        この場合はアルファベット順でしょ?
        論文書いたことない人ても著者リスト見れば一目瞭然だと思うよ。

      • by Anonymous Coward

        とは限りません。
        アルファベット順だったり(今回の例など素核のように人数が多い分野や数学とか)、雑誌によっては所属別に著者を分けたり(A大学の人を列挙して、次にB大学の人を列挙して……等)と、分野や雑誌により違います。
        特定分野や特定の論文誌を発表の場にする人だと意外に気づいていなかったりもしますが。
        同様にcorresponding authorでもまあ揉めるところは揉めますよね。

  • by Anonymous Coward on 2010年11月24日 2時37分 (#1863099)

    残念だがこの世界に反物質が少ないわけではない。
    この世界こそが反物質によって作られているのだ。
    キミたちが少ないと思っているのは正物質の方なのだ。
    宇宙の彼方で反物質を資源として求める生命体がこの地球にやってくる日をお楽しみに。

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