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haradatsのコメント: Re:TOMOYO Linuxの場合 (スコア 2, 興味深い) 101

by haradats (#1885615) ネタ元: 国際プロジェクト初体験を聞かせて!

Linuxカーネルの話ですから、そんじょそこらのプロジェクトとは異なり、流れるメールの量も半端じゃないと 想像します。それを読みこなした上で、さらに自分から情報発信するのですから、英語だけでも大変だと思います。

LKMLのトラフィックは相当なものですが、通常は、関連する話題や投稿者の発言をフィルタして追いかけたり(私はGmailアカウントでTOMOYOを含むようなメッセージ以外はアーカイブにしています)、あるいは自分が投稿したメッセージの反響をモニターする(スレッド表示が不可欠でThunderbirdを使っています)などしていることが多いのではないかと思います。そのようにすると、「数」としてはそんなに多くありません。

「情報発信」のほうは、メーリングリストへの投稿や会議での発表などがありますが、元メッセージに書いたように経験がないと、何をどう書いたら良いか悩みます。メーリングリストごとの雰囲気をつかみ、「どんな人がいるのか」などをつかむには、メッセージアーカイブを読めば良いのですが、よく知っている内容や興味あるものでなければ「言うは易く」、で結構つらいと思います。とりあえず購読して、日々のメッセージを眺めながら必要に応じてアーカイブを参照するのが現実的です。会議の発表のほうは、「郷に入れば郷に従え」ではないですが、発表しようとする会議の過去の資料を参考にしながら考えるしかありません。ある程度目を通すと、おおよそのイメージがわいてきますが、「日本語で書いた資料を英訳する」というよりは、「最初から英語で考える」ほうが良いと思います。とか偉そうに書いていますが、最初にオタワで発表をしたときには、どうしても何をどう書けば良いか考えがまとまらず、手ぶらで現地入りするという恐ろしい経験をしてしまいました。今思い出しても冷や汗ものです。

「英語だけでも大変」は、否定しません。読むのも書くのも、日本語よりはるかに時間がかかりますし、英語での発表と質疑対応の難易度は高いです。ただ、「やりたいこと」あるいは「伝えたいこと」があれば、時間がかかったり思うように伝えられなくても道は開けると思います。よく「語学で上達するには、外国人の恋人を作ること」と言われますが、それと同じように自分が書いたコードや考えを知って欲しいという思い、自分のプロジェクトを知って欲しいという思いがあれば、進んでいけます。最後は情熱であり意地です。昔、聞いた話ですが、ある女性が海外に出かけてトラブルに巻き込まれたそうです。その女性は語学は強くなかったのですが、非常に頭にきて日本語でどなって文句を言っていたら、それが「なんとなく」通じて対応してもらえたという話です。その話が実話かどうかわかりませんが、そうしたことは本当にあってもおかしくないと思います。外国の人が話す片言の日本語を私たちが理解しようとするように、外国の人も私たちの話すことを理解しようとしてくれます。うまく話せるに超したことはありませんが、「伝えよう」という気持ちさえ忘れなければ伝わります。

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haradatsのコメント: TOMOYO Linuxの場合 (スコア 3, 参考になる) 101

by haradats (#1885451) ネタ元: 国際プロジェクト初体験を聞かせて!

/.Jには、国際的なオープンソースプロジェクトで活躍されている(いた)人もいらっしゃるのではないかと思います。英語での議論は予想通りあるいは予想以上に大変でしょうか? 困難をどう克服したのでしょうか? 日本人にとって英語は永遠の課題なのでしょうか? それとも「案ずるより産むが易し」なのでしょうか? 皆様の国際プロジェクト参加初体験をお聞かせいただければ、オープンソースの将来を担うアレゲ予備軍の人々の役に立つのではないかと思います。

TOMOYOは、SF.jpのプロジェクトとして発足して、今もSF.jpで活動しています。プロジェクトの発足から、メインライン(Linux標準への提案活動)までの歩みについて、下記の資料で参照できます。

  • http://www.slideshare.net/haradats/tomoyo-linux
  • http://www.slideshare.net/haradats/realities-of-mainlining-case-of-the-tomoyo-linux-project

TOMOYOは、もともとは「日本で開発したものだから、日本で使ってもらえば良い」と思っており、「国際化」は全く考えてなかったのですが、CELinux ForumやYLUGなどで「Linuxの開発成果はメインラインにすべき(しろ、ごるぁ)」というご意見をいただき、そこから急遽「国際化」である「メインライン化」を目指したという経緯です。

もともと国際化を意識していたわけではないので、「メインライン」という言葉も知らなければ、当時のLinuxの主要な会議である「Ottawa Linux Symposium」について名前すら知らないし、開発メーリングリストであるLKML (Linux Kernel Mailing List)も購読していないというかなりオワタ的な状態からスタートしました。語学(英語)的な課題について振り返るとき、個人的には「最初に何をどう発言(提案)すれば良いのかわからない」が一番悩んだところです。他の方のコメントで「半年ROMれ」というのがありますが、開発にかかわらず新しい世界と交流をしようとするとき、「どんな人たちがいるか」「どんなふうに話をすれば良いか」「どんな(暗黙の)ルール、あるいは文化があるか」がわからないと、発言はできません。まず、その世界を知る、知ろうとする努力が欠かせないと思います。始めてしまえば(交流が始まれば)なんとかなるのですが、最初の合流、最初の提案が、難しい、そう思います。

ということがあったので、TOMOYOの最初の提案からメインラインにマージされるまでの全提案とそのスレッドを他の人があとから読んで参考にできるようにしています(実際、読む人がいるかはわかりませんが)。それを含め、LKMLにおけるやりとりからの教訓を読みやすい形で、Japan Linux Symposium 2009で発表しています。

  • http://www.slideshare.net/haradats/kernel-development-drawing-lessons-from-mistakes

Linux開発における語学(英語)の重要性についてですが、自分の経験からは、「発音や文法が多少おかしくても通じる」ので、「とにかく伝えたいことを伝える」ことが大切だと思います。日本人には「英語が弱い」という人種的?コンプレックスがありますが、英語が弱いのは日本人だけではありません(笑)。Linux界隈のネイティブの人は細かいことはいいから、主張を説明して欲しいという視点で待っているので、「これ正しいかな?」とか「伝わるかな?」とかはあまり気にしないほうが良いです。

「国際化」についてですが、実は世界はもともと国際化しているわけで、要は視点や活動範囲を自分が制限するかどうかだと思います。知らない世界や英語がメインのコミュニティと交流することは大変といえば大変ですし、疲れるといえば疲れますが、視野が広がり経験が増えます。物理的には日本という国にいても、気持ちや活動内容では、自由に世界と交流ができます。すべてがうまくいくわけはなく、時には挫折や失敗もありますし、行き詰まることもあるでしょう(TOMOYOも実際そうでした)。でも、そこには確かにそこにしかない喜びがあります。多くの人に勇気をもって踏み出して欲しい、そう思います。

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haradatsのコメント: Re:関連ストーリー (スコア 1) 34

>…記事の受け売りで理解した、こんな感じの認識であってるでしょうか。

書かれているとおりだと思います。少し補足させていただくと、SELinux陣営(軍団)は、当初何が提案されてもSELinuxと比較して「良くない」とか「SELinuxでできる」と言い続けていました。「これじゃあ、何も追加できない」という閉塞感に充ち満ちていましたが、ついにその態度にLinus様が激怒されたことにより「LinuxにはSELinux以外も追加できる」ことになり、またLSMを外さないことも確定しました。で、実際にSmackが追加されたわけです。この一件がなければ、TOMOYOに限らずLinuxのMACはSELinuxだけになっていたでしょう。

他の「紆余曲折」については、fsのメンテナとして名高いAl Viroの反対があります。パス名方式のMACを実現するためにはfsまわりの修正が不可避ですが、彼は、初期の頃から強烈に反対しており、AppArmorとTOMOYOで、いろいろな方法を提案しましたが全滅でした。Alの反対は、「無駄だからやめろ」のような感じで、挑戦者を落ち込ませるだけでなく、説明も少ないのが特徴です。最後は、「一体どうしたらOKしてくれる?」と公開質問しましたが、答えてくれなくて万事窮すだったのですが、Linux Foundation Japan Symposium #8で来日したAndrew Mortonに相談したところ、彼の意図を聞き出してくれて、やっとその関門を超えることができました。

  • http://lists.osdn.jp/mailman/archives/tomoyo-users/2008-September/000497.html
  • http://lists.osdn.jp/mailman/archives/tomoyo-users/2008-December/000541.html

メインライン化を目指す苦闘については、あとで他の人/プロジェクトに参考にしてもらおうと思い、意識して記録を残しています。当初は、tomoyo-usersのアーカイブが中心でしたが、途中から2ちゃんねるのほうにシフトしています。両方を読むとかなり詳しく状況がわかります。

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haradatsのコメント: Re:見返り (スコア 1) 34

>・・・技術とは全然ちがう分野の能力を要求されるからです。あと英語という障壁もありますが。

そうなんです。

日本だと「コードが全て!」的な言葉をよく見かけますが、どれほど良いコードがあったとしても、それだけでは足りなくて、コードや技術とは全然ちがう分野の能力が必要になります。そして、それは世界的に見たとき日本人が弱い部分に重なっているような気がしてなりません。

>今回の統合は技術力で真っ向勝負して結果が出たわけですから、同じ日本人として大変喜ばしいことと思っています。

どうもありがとうございます。でも意識してそうしたというよりは、何も知らず、何も持たないところから始めたので、結果的にそうなっただけで、「真っ向から勝負」というよりは、ドンキホーテと言った方が近いかもしれません。そんなドンキホーテを支援、応援してくれた方々に感謝しています。

TOMOYOのプロジェクトでは、挑戦の経験、そこから得られたノウハウもコードと同様に参考にして欲しいと思い、いろいろな形(記事、mlアーカイブ、web、掲示板、ブログ等コメント)で公開しています。あてはまらない場合もあるでしょうけれども、事例として多くの方に活用して欲しいと思っています。

39755 submission
セキュリティ

PacSec2008のお勧め 32

タレコミ by haradats
haradats 曰く、
ということで私は今、広尾のレストランでDragosと食事をしているわけだが、Dragosによると今年のPacSecの目玉は、ずばり"Breaking WPA"だ。 彼から、「15分前に掲載されたばかり」として紹介されたURLだ。 http://www.pcworld.com/article/153396/.html?tk=rss_news もうひとつ、気になる発表がある。 > Countermeasure to SSH Brute Force Attack according to behaviour — Tetsuo Handa さあ、みんなでregisterしよう。

情報元へのリンク
549610 journal

haradatsの日記: SourceForge.jpの活発なプロジェクト

日記 by haradats
今朝の時点で、99.8%で第2位となっている。第1位が100%となっているから、第1位のプロジェクトとの相対的な評価のようだ。アクティビティを計る指標は何なのだろう。
549748 journal

haradatsの日記: SourceForge.jp第4位

日記 by haradats

TOMOYOプロジェクトの活発さが97.83%で、11月20日午前10時現在第4位の活発さになっている。

IT Pro用に「VMwareで始めるTOMOYO Linux」を書いた。手順に従えば誰でも確実に環境を構築し、TOMOYO Linuxを体験できるように。操作の履歴をscriptで取得し、それをもとに説明を追加する。地味で時間のかかる作業で、足かけ3日かかった。記事をSourceForgeに置いてurlを高橋さんに送る。ここからはcvsで管理する。

webページの管理について、どう運用しようか考えていたが、SourceForgeのCVSサーバに置いて、shell serverからcheck outすることにした。kumanekoさんが作ってくれた英語のドキュメントをどう掲載しようか悩んだ。本当はMultiViewsを使って振り分けたかったが、とりあえずhtdocs/ja, enで根元からディレクトリを分けることにした。

549882 journal

haradatsの日記: 活発なプロジェクト16位

日記 by haradats

TOMOYOでソースを公開して一週間がたったがアクティビティ88.88%で活発なプロジェク16位になっている。アクティビティはどのように計算しているのだろうか?(利用する側か、参照する側か、あるいは両方か)

550001 journal

haradatsの日記: 導入手順書 2

日記 by haradats

昨日は公開後初めての進捗会議が開催された。世間では一部の方から同情されているが、公開後同僚以外から名前の件で質問を受けたのはこれが初めてだ。のだめを知っている人はいても、CCSを知っている人はほぼ皆無。もし本当にアニメファンがたくさんいる会社ならそれはそれで楽しいかもしれない。広報担当より、「はてな注目URLで1位とはすごいですね。今度は是非事前に連絡してください」と言われる。高橋さんより原稿の依頼が入る。

話題が先行したとはいえ、ダウンロードが1000件以上を超えて、mlにも加入いただいた方が多いのに、「動きました」という話題がないのは、構築ができていないのではないかと思う。詳細な情報や手順は既に掲載しているが、ポリシーを学習させ、その内容で強制アクセス制御するまでの最短の(一本道の)手順を作り公開しようと思う。例によって、会社にいる間にはほとんど作業できないのが痛い。

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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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