okkyの日記: 面接で私が気にしているポイント -9- パワーシートはどこだ?
というわけで、項目的にはこれが最後。
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お客様訪問の場合、私は大抵複数の人達と行くことになります。来客用の会議室に通された場合、一応上座側の半分のどこかに座ることになる。さて、どこに座ればいい?? いや、席次順とかの話じゃなくて。
一般に人間は右側の耳から論理的な話を聞くほうが受け入れやすい、左側の耳から感情的な話を聞くほうが受け入れやすい、と言います。本当かどうかはよくわかりませんが、優秀な営業マンの人達は確かにこの事を考慮して自社側の人間を配置するように気を配ります。
つまり、お客様側の席を考えた場合、中央よりやや上座側に一番偉い人が来るはずです。その一から見て右側…つまり我々から見て左側…に技術職が多く来るように席を決める。中央同士は会議を進行するための人…報告書とかを読み上げたりする人が、それよりも右側に営業が陣取って会議の流れを「感覚的に」制御できるようにする場合が多いようです。
この知識、有効度がどれぐらいなのかさっぱり判りません。優秀な営業マンはこの辺の席決めで失敗しないだけでなく、実に自然にそうなるように他の人達を誘導するからです。つまり例外を見ることが殆ど無いので、誰をどこに座らせるかでどれぐらい影響があるのか、それとも会議の進行に関与しないこと自体が悪いのか、成功した会議と失敗した会議を両方何件も見ているのに区別がつかないんです。
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でも、採用面接の場合、あなたは一人です。相手が何人がかりかはその場になってみないとわかりませんが。
で、来客用の会議室に通されて、
「しばらくお待ちください」
と言われた場合、さて、あなたは何をする?
私はまず会議室全体を見渡します。で、自分が座る席がパワーシートになるように少しだけ小細工をします。あまりいろいろと部屋のレイアウトをいじることはできませんし、自分が座る席もあまり派手には動かせませんが。
で、パワーシートって何?!あ、車とかの電動シートのことじゃありませんよ?
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たとえば保育園。あなたはこれから20人ぐらいの園児たちにお遊戯を教えなくちゃいけません。どうにか全員の注意を自分に向けた瞬間、あなたの背後でアンパンマン・ショーが始まりました。あなたは子供たちの注意を自分に向け続けさせることができるでしょうか? 無理ですよね?
たとえば会議室。あなたの席は窓側。窓の外はヌーディストビーチ。あなたが話している間じゅう窓の外にはスッポンポンのおねーちゃんがこれでもかと通る。あなたは聴衆の注意を自分に集めることができる? 無理ですよね??
わかった。じゃぁ会議室。窓の外は地上30F。バルコニー付き。あなたの席は窓側。あなたが話し始めると、ご近所の猫が集まってきて集会を始め、あまつさえ
「なにしてるの?」
という感じで子猫が部屋の中を覗いている。あなたは聴衆の注意を自分に集めることができる? これは絶対無理だよね。
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このように会議の席であなたに聴衆の注意を向けさせたいのに、外乱がやってきてその注意を持って行ってしまうことがあります。パワーシートというのはそのような「外乱」が入りにくい席のことです。
具体的には…
- 人は動いているものを目で追いやすい。動きのないもので背景を統一する
- 模様などが変化していると目で追いやすい。単調な模様かできれば単色
- ライティングがあなたの集中していると良い
- 可能ならば少しだけ相手より位置が高いと良い。つーても最大で10cm程度
- あなたの横に人が座っていない方が良い
こういう席のことをパワーシートといいます。
社長室の社長の席とか、講演会の演台とかは、パワーシートに近くなるようにデザインされています。
デートなどでは自分が壁側に座ると、相手の視線を集めやすい。間違っても人が出入しているのが見える側に相手を座らせちゃ駄目。
# 知識があるのと使えるのとは別問題、という典型的な…うるさいっっ!!!
来客用会議室は「自社社員がパワーシートに座れるように」デザインされていることが多いです。入り口を入ると大きな窓がある。窓側が上座でありお客様が座る席。自分たちの席はうしろが壁だったりホワイトボードだったり。
この場合 パワーシートは変化のない背景を持った下座 です。相手の背後には窓が広がり、そこからは雲が見えたりしますから、相手に引きずられにくい。
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なので、会議室に入ったら、なるべく自分の背後が単調になるようにします。カーテンが下がっていたら動かないようにまとめる。ブラインドがあったら外が見えないように下ろす。
窓があるなら窓の外が明るいよりは暗いほうが良い。だから面接は日没後に設定する。
でなければ、朝一番、まだ窓の外が活発になっていない時間帯をお願いする。
自分の後ろにホワイトボードがあって何か書いてあったら、消して良いか尋ねる。
こうして 動いているもの、変化のあるものを自分ひとりだけになるようにする。
さらに話をするときは身振りを大きくして、背景に負けないようにする。
話しを聞くときも、頷くとかそういう身振りを入れて、相手だけでなく、その横で黙っている人の集中も自分に向くように仕向ける。
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このように、相手が会議室に入ってくるまでに、相手の集中が自分から外れないようになるべくコントロールします。
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