sitosiのコメント: Re:何を問われているか理解できない子が激増している (スコア 4, 興味深い) 240
その日本語学校で外国人生徒の作文コンクールがありました。妻が書いた作文は日本語的にも、内容的にもなかなかのもので、優勝は確実だと思っておりました。仮に優勝は逃したとしても(作文の出来からまずそれはないとは思っていましたが)1席か2席には入るだろうと確信しておりました。ところが妻の作文は佳作にも入りませんでした。後に手元に届いた文集を読むと、優勝や入賞した作文は内容的にも、日本語的にも酷いものばかり。わけがわかりませんでした。しかし、巻頭の校長の総評を読んで妻が落選した理由がピンときました。校長は「今回も力作が集まったが、今回は日本人に露骨におもねるような作文があって非常に残念だった」と書いてあったのです。あは、これだ。妻は西洋人なのに、納豆の美味しさを作文に綴っていたのでした。妻は来日して本当に納豆が大好きになっていたのですが、それは日本人が期待する「ガイジン像」にそぐわなかったのですね。「ガイジンに納豆が食えるはずが無い」という日本人の思い込み(ある種の歪んだ優越感)が妻は日本人におもねるために納豆が大好きだなどと嘘を書いたと判断されたのでしょう。
ちなみに、日本語学校の初日に妻は泣いて帰ってきました。それはクラスの生徒たちに日本人の女性の先生が最初に自己紹介を求めた時の出来事が原因でした。アメリカ人やオーストラリア人の男性は「あなたの専門は何ですか?」と訊いていたので、自分の順番が回ってきたら「心理学です!」と答える気満々で自分の順番を待っていたのです。そうしたら日本人の女性の先生は妻には専門を尋ねず「あなたは主婦ですね!」と決めつけてきたことが悔しくてたまらなかったそうです。わかります。後日、学校で鎌倉への遠足があった時に自分も参加し、その日本人の先生にそれとなく、彼女が妻にだけ専門を訊かずに主婦だと決めつけたことで妻が酷く傷ついたということを告げたところ、彼女は驚いて、「どうして? 私だって学校で日本語教師をしていても、主婦ですよ。主婦って何の悪い意味もありませんけど?」とポカンとしておりました。あゝ、ダメだこりゃと思ったものです。