yasuokaの日記: The Union Typewriter Companyの設立 4
“QWERTY…”と並んでいるものは、“クワーティー配列”と呼ばれ、200年ほど前に登場したタイプライターが始まりといわれています。当時は、製造会社ごとに様々な配列があったのですが、19世紀末の大不況をきっかけに会社が一つに統合され、資本力を持っていた会社の決定で現在の配列に統一されたようです
「会社が一つに統合され」ってのが、The Union Typewriter Companyの設立(1893年3月30日)のことを言ってるんだとすると、「19世紀末の大不況」ってのが、いったいどの「大不況」を指しているのか、私にはさっぱりわからない。
たとえば1893年の大不況は、6月27日(火)の株価大暴落に始まったものだから、The Union Typewriter Companyの設立より後のことだ。あるいは1890年の不況は、ロンドンのBaring Brothers破綻(1890年11月8日)が一つのヤマだが、アメリカではそう大きな不況になっているようには思えないし、それがThe Union Typewriter Companyに何らかの影響を与えたとは考えにくい。というか、この文章の筆者は、19世紀末のアメリカにおいて、The Standard Oil Companyを含め、どれほど多くのトラストがどういう経済状況を背景に成立したか、全く理解していないように思える。
そもそもこの文章は、1873年頃に誕生したQWERTY配列を、「200年ほど前に登場したタイプライターが始まり」などと平気で書いていたりするので、19世紀のタイプライターの歴史など全く理解していないのは明らかだ。200年前と言えば1807年だぞ。そんな文章を書く人間が、「19世紀末の大不況」なんて言ったところで、何も考えずに適当なトリビアとやらをデッチ上げてるのは、まあ間違いないのだが。
元ネタは唐沢俊一さん? (スコア:1)
Re:元ネタは唐沢俊一さん? (スコア:1)
Re:元ネタは唐沢俊一さん? (スコア:1)
その意味では「19世紀末の大不況」ってのが、何年に始まる大不況のことを指してるのか、ちゃんと調べるのが榛村季溶子の責任ですよね。1873年9月18日なのか、1893年6月27日なのか、あるいはそれ以外なのか。そもそも19世紀末に「大不況」があったのかどうか。それをちゃんとやりもせずに、他人に聞いたネタをそのまま書いてオシマイっていうんじゃ、ライター [fc2web.com]を名乗る資格などありません。
興味深いです。 (スコア:0)