
yasuokaの日記: 高校英語教科書におけるQWERTY配列 6
Today's keyboards are not in alphabetical order. Why did the ordering change? It was to overcome a mechanical problem. If a typist typed too quickly, the type bars would hit each other and the typewriter would jam. The solution was to change the locations of the keys. Letters such as i and e, which were often typed together, were placed on opposite sides of the machine. This way, their bars would not hit each other.
端的に書けば、「活字棒が絡まないように、連続する頻度の高い2字(iとe)が離れて配置され、その結果QWERTY配列となった」ということを、この高校英語教科書は主張しているわけだ。こんなガセネタを教科書に書くなんて、はっきり言ってどうかしている。
デザイン学者の書くQWERTY配列でも書いたが、英語の連続する2文字のうち、「ie」+「ei」の出現頻度は第44位だ。第1位の「th」+「ht」や、第2位の「er」+「re」がQWERTY配列上で近接して配置されているのに、第44位の「ie」+「ei」だけを離して配置しても、文字頻度という点では何の意味もない。この1点を取ってみても、↑の高校英語教科書の内容は全くのガセネタだと言える。「英語における文字頻度とタイプライターのキー配列」にも私(安岡孝一)の考えを書いたが、Iが8の隣に移されたのは、当時の年号の頭3桁「187」を連続して打ちやすくするためだ。Eから離すためじゃない。
こんなガセネタが高校英語教科書に載ったとなると、今後4~5年は、このネタに騙された高校生が世の中に大量に輩出されることになるのだろう。さて、どうしたものやら。
QWERTY配列がバーの絡まりを防ぐために最適でないことは分かりますが (スコア:2)
QWERTY配列がバーの絡まりを防ぐ以外の目的でデザインされたとする根拠をお持ちなのですか? 頻度分析の考え方がすでに存在していても、高速な計算機も機械で読める文章もほとんど存在しなかった20世紀初頭という時代を考えれば、ロクな検証もせずにとりあえず散らして絡まり防止とした、ということも考えられないわけではないように思えますが。
現在のQWERTY配列の登場は1882年 (スコア:1)
っていう言説は、1882年には現在のQWERTY配列が現れている以上、全くナンセンスです。また
には、すでに「Morkrum Printing Telegraph」(Teletypeの原型)が現れますが、この時点で文字コードの都合上、QWERTYUIOPを一列に並べたキー配列にせざるを得なくなったわけです。このあたりのことを『キーボード配列 QWERTYの謎』(NTT出版)に詳しく書いておきましたので、よければお読み下さい。
大変丁寧なご返事をありがとうございます (スコア:2)
なるほど、テレタイプの文字コードが発祥なのですね。タイプライターのためのものだという説とその否定は聞くのですが、具体的な論拠にはあたったことがなく、大変参考になりました。
文字によって由来が違う (スコア:1)