yasuokaの日記: 「叱・填・剥・頬」は新常用漢字表で許容されているのか? 4
日記 by
yasuoka
『新常用漢字表が迫るUnicode移行、「シフトJIS」では対応不可能』(日経コンピュータ, No.745 (2009年12月9日), pp.89-93)に関して、小形克弘さんからコメントがあった。「改定常用漢字表」に関する試案のPDFで28ページ目、以下の「付」に関する話題だ。
付 情報機器に搭載されている印刷文字字体の関係で、本表の掲出字体と異なる字体(掲出字体の「頰・賭・剝」に対する「頬・賭・剥」など)しか用いることができない場合については,当該の字体の使用を妨げるものではない。(※「賭」はそれぞれ「貝へんに者」と「貝へんに者」)
私(安岡孝一)個人の意見を言わせてもらえば、「…しか用いることができない場合については」という条件は、正直かなり厳しい。この条件にしたがえば、「𠮟・塡・剝・頰」が使える場合は「𠮟・塡・剝・頰」の方を使え、ということになる。たとえばWindows 2000ですら、少なくとも「塡・剝・頰」は使えたので、その場合「填・剥・頬」の出番はないということだ。その点が「遡[遡]」などの許容字体(要するに2点しんにゅうと1点しんにゅうのどっちを使ってもいい)とは、はっきり扱いが違っている。
また、「𠮟」の代わりに「叱」を使っていいのかどうかは、上記の「付」からはイマイチわかりにくい。と言うのも、表外漢字字体表のNo.411「𠮟」には、*つきで「叱」が併記されていたが、新常用漢字表の「𠮟」には*が付いていないからだ。うーむ、さて、このあたり、どうパブリックコメントに盛り込めばいいんだろう…。
互換規準は救えても、非互換は救えない (スコア:1)
この「表の見方」の一文ですが、これで互換規準3文字は救えるでしょうが、「叱」に関してはちょっと無理があると思います。
とにかくこれは改定常用漢字表とは無関係に、「叱」を複数区別する環境と区別しない環境の間でおこる非互換ですから。
包摂分離に不可避に付きまとう問題で、常用漢字表の問題ともまた別です。
ぼくも色々考えてみましたが、たしかにおっしゃるように許容字体あたりが落とし所かもと考えはじめています。
包摂 (スコア:2, 参考になる)
互換包摂と包摂規準78・167 (スコア:2, 参考になる)
バレましたか。まあ、「これら4字を収録していない」って書くのは、さすがの私も勇気がいったんですけどね。でも、包摂規準のことを理解している人達は、次の文の「実用上それで問題がないと考えられていた」を読めば、私の苦悩も同時に理解できるはずですから…。よければ、(新)常用漢字と携帯電話 [srad.jp]での議論も、ごらん下さい。
Re:互換規準は救えても、非互換は救えない (スコア:1)
つまり「剥」も「叱」と同様に非互換になる。