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ネットワーク

yasuokaの日記: Bitcoinは無限連鎖講なのか 7

日記 by yasuoka

ネットサーフィンしていたところ、櫨浩一の『ネット仮想通貨「ビットコイン」は安全か ― コストは誰かが負担しなければならない』(東洋経済ONLINE、2014年1月10日)を見つけた。かなり面白い。

わからないことはもうひとつある。ビットコインのシステムを維持するためのコストである。ビットコインが発行上限に達するまでは、新しいコインの創造がコストを賄うインセンティブになるが、上限に達した後はビットコインの価値が傾向的に増加し続けないとコストが賄えないように思える。経済学の基本のキは「世の中に無料の昼飯はない」(誰かがコストを負担している)という原則だが、ビットコインがこの原則に従いながらどうやって維持コストを賄っていくのかが理解できない。

Bitcoinを維持するためのコストは、基本的には「計算量」なので、そこがどううまく誤魔化されているかなのだけど。まあ、ヤヤコシイ手順で擬装してはいるものの、1BTCあたりに必要な「計算量」は、それまでに投入された「計算量」のゆるやかな指数関数となるよう、Bitcoinは設計されている。卑近な例で言えば、1BTC掘り出すために必要な「計算量」は、現時点では約37日程度で2倍になる。1年でざっと900倍になるわけだ。しかも、それらの「計算量」そのものが、あたかもBitcoin自身の価値であるかのように見せかけているわけである。実際には、P2Pそのものの維持に、そんな大量の「計算量」が必要になるわけではないので、維持コストに必要な「計算量」は、BTC換算では無限に小さくなっていくわけだ。

これは考えてみると恐ろしいことで、Bitcoinはその本質において、無限連鎖講のかなり巧みな変形だったりするわけである。ただし、「人口」の無限連鎖講ではなく、「計算量」の無限連鎖講なので、残念ながら現行法では取り締まることができない。しかしながら、「計算量」という実際上は有限なものを、指数関数的に無限に食いつぶしていくように設計されているという点で、Bitcoinは非常に恐ろしいシステムだと言える。

この議論は、yasuoka (21275)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • 日記に気付いちゃった&最近bitcoin関係をいろいろ見てたので

    素人ですし、論文を全部みた、とかではないんですが...

    参考資料
    http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20131126/1385423772 [hatena.ne.jp]

    基本的には
    * 採掘限界
    * 計算量が担保するのはネットワークというより取引そのもの
    * (これはニュースなどからの予測傾向)ハードウェアの開発がされたりしたこと+ハック側ではなくマイニング側にモチベーションがきてることなどから、今後的にもマイニング側の計算量が上回ったままになりそう

    で、無限連鎖講とまでいくようなこともなさそうかなー、とは思うんですが、なんか状況が逆転するか無限上昇を強制するような要素ありましたっけ?
    # 使う人間には、採掘はそこまで関係することじゃない気がしますし...

    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
    • by yasuoka (21275) on 2014年01月14日 22時28分 (#2527222) 日記

      確かに、元の論文だと、さすがにASICを焼いてくることまでは想定してなかった、と思うんですよね。でも、ゴールドラッシュが終わったからと言って金の価値がいきなり下がったわけではなかったし、現在の埋蔵金発掘競争が下火になる頃にはBTCあたりの「計算量」はかなり割高になっちゃってるだろうから、さあ、どう転がるでしょうね。

      親コメント
  • たぶんいま日本で一番まとまってる記事というか論文だけど短いから30分くらいあれば読めるのでオヌヌメしておきます。
    http://member.wide.ad.jp/tr/wide-tr-ideon-bitcoin2013-00.pdf [wide.ad.jp]

    具体的には「1トランザクションごとの計算量」は一定だが「1トランザクションあたりにもらえるコイン(未採掘コインが残っている限りにおいてもらえる報酬)」が年々”指数級数的に”減っていくというイメージでよろしいかと。
    で、2100万コイン掘りつくした後は、手数料ベースになるのかな。

    あと「1BTCあたり」と書かれてますが、「1BTCあたり」の計算量という仕組みではないです。
    「1取引あたり」計算されます。
    コインにIDは無い。

    • そもそも「difficulty」の問題があるので、「1トランザクションあたりの計算量」は一定じゃないのですが、とりあえず、それは置いといて。

      「1トランザクションごとの計算量」は一定だが「1トランザクションあたりにもらえるコイン(未採掘コインが残っている限りにおいてもらえる報酬)」が年々”指数級数的に”減っていく

      とfuchikomaさんが「仮定」してらっしゃるみたいですけど、じゃあ例えばその「仮定」において、1BTCの「報酬」を得るための「計算量」は、具体的にどう変化していきますか?

      親コメント
      • 自分の https://en.bitcoin.it/wiki/Difficulty [bitcoin.it] の理解は「直近の過去2016BLOCKを計算するのにどれくらいの計算機資源が使われたか」を示す指標としてです。
        「Difficulty を直接操作して必要な計算量を調整する」ことが可能であるという理解をしていません。

        「採掘で当たりを引くために必要な計算量」は https://en.bitcoin.it/wiki/Target [bitcoin.it] と、使われているハッシュ関数の種類に依存していて、「採掘で当たりを引くためにかかる平均時間」は target と投入された計算機資源(hash rate)に依存しているという理解をしています。

        > 1BTCの「報酬」を得るための「計算量」
        という言い方だと
        - その1BTCの「報酬」はどこ由来か?BLOCKに設定されている手数料由来なのか、(未採掘コインが残っている状態での)BLOCK REWARDの一部としてなのか。
        - 1BLOCKを計算するために必要な計算量が、そのBLOCKを計算する時点でどれほど必要か。つまり target はどのような数値か。
        の2つの要素が『1BTCの「報酬」を得るための「計算量」』の変化にかかってくると理解しています。

        とくにBLOCK REWARDが得られる状態かどうかが『1BTCの「報酬」を得るための「計算量」』に大きく関わってくるように思います。
        現在はまだ未採掘コインが残っているのでBLOCK REWARDが得られる状態で、かつ時間経過で BLOCK あたりの REWARD が減っていっている過程であると理解しています。
        BLOCK REWARD が得られなくなった時点での『1BTCの「報酬」を得るための「計算量」』は、「BLOCK の手数料の合計が1BTCになるまで何回BLOCKを計算しなければならないか(の平均回数)」に帰着できるようになると考えます。

        うまくお伝えできているでしょうか?
        誤りがあればご指摘ください。

        親コメント
      • ちなみに自分の理解のしかたは
        https://en.bitcoin.it/ [bitcoin.it]
        http://blogos.com/article/75716/ [blogos.com] と同執筆者による他記事
        http://member.wide.ad.jp/tr/wide-tr-ideon-bitcoin2013-00.pdf [wide.ad.jp]
        のモザイク状態なので、とくに英語の読解力が低い自分には en.bitcoin.it の読み方が難しいです。

        なんか他に良い解説があったら教えてください。頼む・・・頼む・・・・・・

        親コメント
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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