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yasuokaの日記: 整数多項式が有限個の素数しか生成しない場合 7
日記 by
yasuoka
今日の京都大学の入試問題のうち
n3-7n+9が素数となるような整数nをすべて求めよ
という問題が、私(安岡孝一)個人としては、なかなか良問だった。一般に整数多項式は、無限個の素数を生成してしまったりするのだが、それが有限個となるのはどのような場合なのか、という背景があったりする。ただ、文系の高校生でも解けるようになっているので、問題としては比較的やさしい。端的には、整数a,b,c,dを使って(n-a)(n-b)(n-c)+dに変形する際に、dをできるだけ小さい素数となるよう持ち込めば、かなり楽に解けてしまう。さて、どのくらいの受験生が解けたかしら。
どうかしら (スコア:1)
n(n2-7)+9とした時点で、3が怪しいなと思うし、
ならn=3k+0,1,2の場合分けをすれば3の倍数の素数は3となる。
昔の記憶だが全く同じ解法は他に見たことある気がする。
nの倍数となる多項式は日記本文にあるように(n-ak)(n-(bk+1))(n-(ck+2))...+dkで容易に作れる。
そんなに深い話が隠されているとも余り思えない。
ただ、k=3になるのは面白いかもしれない。
大学入試は精々三次までで、だからmod 3になるのかしら。
他の作り方はあるのかな。
Re:どうかしら (スコア:1)
追記:
適当な数字を代入して3の倍数と気づく方がまっとうだね。
0,1,2で入れればmodの考え方を知ってれば3の倍数になる事は分かるし、そうでなくても勘づく。
そして1,2で3になると気付けば記事中にあるように、(n-a)(n-b)(n-c)+dの形に置ける。
しかしn以下のkの倍数になるn次多項式が作れるのは簡単な話だけど、そうでなければ無限個の数があるかは証明されてないらしい。
ブニャコフスキー予想 [wikipedia.org]だそうで、要は予想なので分かってないと。まだ反例はないけどね。
数学の入試における記述問題 (スコア:2)
まあ、自分のところの入試問題なので、リークできる内容は限られてくるんですけど。
という方向だと、たとえばan=n3-7n+9 とおいてみて、a1と漸化式を書けるかどうか、というところが採点ポイントになると思います。この問題、解答欄が1ページもあって、あくまで記述問題なのですから。
Re:数学の入試における記述問題 (スコア:1)
いや、漸化式は不要。まず解けなそう。
元コメの後は最初のn=3k+...の場合分けで3の倍数になること(ほぼ自明だけど一応代入と式変形が必要そう)、3の倍数になる素数は3のみである事、それは式よりn=1,2,-3のみである事が示せて多分満点。
解答は数行で済む。かなり易しい。
問題はこの手の問題は既視感がある事で、それには大学入試は精々3次多項式だからであろうという点が多少は興味深い。
しかし整数論云々と言う程ではない。
ただ、入試の採点基準や模範解答は基本公開されなかった気がするから参考にはなります。
Re:数学の入試における記述問題 (スコア:1)
追記:
今模範解答を調べたらだいたい書いた通りだけど、記憶とは違い普通に合同式を使って良いそうだ。さらに易しい。
東大のあれを考えると京大の理系数学がこんなんでいいのかという気はする。
Re:数学の入試における記述問題 (スコア:2)
「mod 6」の合同式ならまだしも、「mod 3」の合同式を使うのは、当てずっぽう過ぎる気がするのです。やっぱり、n3-7n+kにして、kで場合分けさせる問題の方が良かったのかしら。それなら「6の倍数+k」が活きてきたはずですけど、でも理系文系共通問題なので、あまり無茶は出来ないんですよね。
Re:数学の入試における記述問題 (スコア:1)
いや、0,1,2を代入すると9,3,3でmod 3がいずれも0なので当て推量には当たらない。自分ならこの手の問題ならこうだなと推測して答えるけど。
mod 6がどこから来たのかはちょっと謎。