yasuokaの日記: 「これから私は君のペンにインクを入れる」における係り受け解析
日記 by
yasuoka
坂本俊之『作ってわかる!自然言語処理AI』(C&R研究所、2022年1月)を読んでいたところ、p.51に妙な「◉係り受け解析」の図が現れた。「これから私は君のペンにインクを入れる」における係り受けを図示しているのだが、係り受け先が変なのだ。
これから → 入れる
私は → インクを
君の → ペンに
ペンに → インクを
インクを → 入れる
いくら何でも変だと思うので、ちょっとUniDic2UDで試してみよう。
$ pip3 install -U unidic2ud spacy --user
$ python3
>>> import unidic2ud.spacy
>>> nlp=unidic2ud.spacy.load()
>>> doc=nlp("これから私は君のペンにインクを入れる")
>>> from deplacy.deprelja import deprelja
>>> for b in unidic2ud.spacy.bunsetu_spans(doc):
... for t in b.lefts:
... print(unidic2ud.spacy.bunsetu_span(t),"→",b,"("+deprelja[t.dep_]+")")
...
君の → ペンに (体言による連体修飾語)
これから → 入れる (斜格補語)
私は → 入れる (主語)
ペンに → 入れる (斜格補語)
インクを → 入れる (目的語)
UniDic2UDの方が係り受けとして自然だと思うのだけど、私(安岡孝一)が何か勘違いしてるのかしら?
「これから私は君のペンにインクを入れる」における係り受け解析 More ログイン