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yasuokaの日記: 日本標準規格第92号「紙ノ仕上寸法」と獨逸のオスワルド博士 4

日記 by yasuoka

A判の起源に関連して、日本標準規格第92号「紙ノ仕上寸法」(1929年12月4日決定)の周辺を調べていたところ、井上一男『規格が統一せられた紙の仕上寸法』(臺灣時報, 第176號(1934年7月), pp.73-79)に以下の記述を見つけた(p.76)。

卽ち次頁の表で我國の採用したものであつて、之は仕上り品に重心を置いたもので、此の仕上り寸法を規格で制定したものであるから、世上取扱はれるものゝ寸法が整然として來る。之は獨逸のオスワルド博士の考案で、古代美術に目覺めて居た希臘人が傳へた美學上最も優れた矩形、卽ち一對ルート二矩形を使用したのである。

Friedrich Wilhelm Ostwaldを「獨逸のオスワルド博士」と呼んでいるようだが、実のところ「次頁の表」には日本のA判とB判が書かれていて、Ostwaldとは直接関係がない。うーん、「物理学者オズワルド」にしろ「獨逸のオスワルド博士」にしろ、どういう経緯でA判と結びついたんだろう。

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  • by kei100 (5854) on 2022年10月05日 7時29分 (#4338817)

    DIN 476 [wikipedia.org]の前に、紙のサイズを規格化して、Weltformat [wikipedia.org]を作ったそうな。
    論文とか資料とか紙のサイズ揃ってたほうがスペース効率よくなるものね。

    • by kei100 (5854) on 2022年10月05日 7時32分 (#4338821)

      って、既に過去に触れてそうですね。
      この投稿スルーしてください。

      紙のサイズの規格化で伝言ゲーム中に変わったとかなんですかね。

      親コメント
    • by yo4 (48859) on 2022年10月05日 21時15分 (#4339432) 日記

      DIN 476を見に行ったら、Ostwaldsの助手(Assistent)だったWalter Porstmannが策定にかかわったとあった。
      日本に紹介されるときに、手下(違)の手柄は上司の手柄とか技師(Ingenieur)よりも博士のほうが箔がつくとか、「あの有名なオストワルト法の!」とかで、Ostwalds の名前で紹介されたとか Ostwalds の名前だけ広まったとの結果 A判の起源が出来上がったんじゃなかろうか。Ostwalds の名前を出したほうが規格をごり押ししやすかったとか。
      # 当時のインテリには基礎教養だったりしそう。オストワルト法。
      「物理学者」は謎のままだけど。

      ところでこの辺を調べたら JIS B判の由来が気になった。
      美濃判に由来するってことで Wikipedia経由多言語版にも記載されているけれど、美濃判とB4 って結構違う。B系列の数字的な根拠は
      ・B判の面積はA判の1.5倍。
      ・B0の面積はほぼ 1.5平方メートル。DIN 476の 1.414平方メートルに見劣りしない。重さで計算するのもちょっと楽?
      が理由だろうと思えるけれど、美濃判からわざわざ変更した理由が謎。A判の対角線長が辺長になってるのは余禄なんだろうか。
      というわけで『規格が統一せられた紙の仕上寸法』で検索したら『紙類の規格制定の発端とその経緯』に行き当たった。
      B系列の由来って美濃判っていうより四六判で、そっから印刷物にする際の裁ち代を取れるように JIS B系列を採用したのかな。四六判経由の美濃判由来って言えなくもない?でも B4の由来が美濃判は NGだよな…

      親コメント
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