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遺伝子組み替え作物の是非はひとまずおいて、世界規模で安定して増産するためには収穫した種子が親の持つ特性を継承できる必要があります。でないと、この技術をもった一部の人々が生産量をコントロールできてしまうからです。
要はF1 [enjoy.ne.jp]じゃ困る、という話ですが、そこらへんはどうなんでしょうね?
話が全く噛み合ってませんが、倒伏や収量に関係する遺伝子が特定されることと、その遺伝形質が通常の交配で子孫に継承されることは別問題です。私が疑問に思っているのは後者なんですが、それは理研のプレスリリースにもどこにも書いてありません(前者についての研究結果なんだから当然ですが)。
なお「緑の革命」については負の側面を指摘する意見 [hit-u.ac.jp]もあります。今回の研究自体を否定するつもりはありませんが、作物の収穫量は最終的には生物的な光合成能力と土からの養分吸収量に還元されることを忘れてはいけません。
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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー
で、遺伝するの? (スコア:1)
遺伝子組み替え作物の是非はひとまずおいて、世界規模で安定して増産するためには収穫した種子が親の持つ特性を継承できる必要があります。でないと、この技術をもった一部の人々が生産量をコントロールできてしまうからです。
要はF1 [enjoy.ne.jp]じゃ困る、という話ですが、そこらへんはどうなんでしょうね?
Re:で、遺伝するの? (スコア:3, 参考になる)
多分ご理解いただける様に書いてあると思いますが、これは普通に「交配」を行って作り出されたものなので、一般に言われている「遺伝子組み替え作物」ではありません。(私は、「交配」==「遺伝子組み換え」だと理解しているのですが)
また、イネは自家受粉作物ですので、「他の花粉が飛んでくる前に自分の花粉で受粉」します。(参考記事:稲の出穂と開花 [janis.or.jp])
今回の掲載ストーリーから切り落とされていますが、
粒数に最も強い影響を及ぼしていたものが、植物ホルモンである サイトカイニン [osaka-u.ac.jp]
Re:で、遺伝するの? (スコア:2, 興味深い)
話が全く噛み合ってませんが、倒伏や収量に関係する遺伝子が特定されることと、その遺伝形質が通常の交配で子孫に継承されることは別問題です。私が疑問に思っているのは後者なんですが、それは理研のプレスリリースにもどこにも書いてありません(前者についての研究結果なんだから当然ですが)。
なお「緑の革命」については負の側面を指摘する意見 [hit-u.ac.jp]もあります。今回の研究自体を否定するつもりはありませんが、作物の収穫量は最終的には生物的な光合成能力と土からの養分吸収量に還元されることを忘れてはいけません。
Re:で、遺伝するの? (スコア:2, 参考になる)
通常、QTLの効果の検証には、準同質遺伝子系統(NIL)という系統が用いられます。これは、今回の場合で言うと、Gn1とPh1というQTL領域はインディカのハバタキ由来でホモ接合され、その他の領域はコシヒカリ由来でホモ接合された系統のことを指します。このことから、今回作製された系統における、低い草丈や多粒数といった形質は、自家受粉する限り安定して継承されるものと思われます。
今回の話で気になる点を挙げます。
理研のプレスリリースには、「粒数が約20%増加」と書かれてありま
限定要因は光合成能力 (スコア:2, 参考になる)
> 光合成能力や光合成産物の効率的な転流などの「中身」を増やす方向性
タバコの葉緑体のDNAに藍藻の光合成関連遺伝子(二酸化炭素結合酵素のルビコス・RuBisCOなど2種類の酵素の遺伝子)を組み込み、光合成速度を7割高める事に成功し、結果として光合成からの産物である「でんぷん」も7割増えたという報道が有りました。
そういう話でしょうか?
中国では既に「害虫に抵抗性を持たせた遺伝子組み換え米」 [biotech-house.jp]が栽培されていますし、将来的には多分増収の為にいもち耐性遺伝子の組み込みも含めて使える手段は全部使う、という方向で行くしか無いのだろうとは思いますが … 現在の日本では「遺伝子組み換えコシヒカリ」なんて誰も食べたがらないでしょうし、売れない米では作る人が食べていけない。自然交配の出来る高い光合成能力を持つ野生種が有るのなら話はまた違ってくるのでしょうが、あるのかな …
それから、稲作を可能にしている水路等のインフラを維持してきた「集落」が無くなってしまうと、田圃で米を作る事は出来なくなります。能力の高い品種はがんばって育種して欲しいですが、米を作ってくれる人の育成・確保も含めて、米作りの為のインフラを壊滅させない努力も要ると思います。
補足事項:稲作農家でない人の為の稲の基礎知識
日本のイネは「他家受粉」による交雑をさけるように品種改良が行われたため、「出穂と同時に開花し、開花すると受精する」ようになっています。その為、「自家受粉」性が強く、元々持っていない遺伝形質が入り込む事はあまりありません。(混ぜ米の鑑定がDNAによって可能なのは、この条件が有る為です) 日本の栽培品種のイネに新たに遺伝形質を導入する品種改良の為には、人為的な操作が必要とされます。
稲の生長という場合、「栄養生長期」と「生殖生長期」の2層が存在します。今回の話で、背丈が低くなるというのは「栄養生長期」に関連する部分で、実がたくさんつくというのは「生殖生長期」に関連する部分です。
稲は、「栄養生長期」という時期に1つの種から出た芽が「分蘗(ぶんけつ)」といって茎の数を増加させてゆきます。そして日照時間の長さの影響をうけて、茎の先端部にある成長点が花芽に分化する時期を迎える事になります。今回の話で出ている「背が低い」という特徴は、成長点が花芽に分化するまでの茎の長さが短い事を意味します。
成長点が花芽に分化した後が「生殖生長期」です。今回の話で出ている「粒数が多い」という特徴は、生殖成長期により多く分化がおきて、よりたくさんの実がついた事を意味します。「生殖生長期」は生殖相(受精まで)と登熟相(その後の種子形成まで)に分かれますが、合計60~70日と品種にあまり左右されません。