アカウント名:
パスワード:
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond
情報追加 (スコア:5, 参考になる)
今年は例年よりも気温が高いのが流行の原因とされています。これに加えて、平成17年に日本脳炎ワクチンの副作用の報告が問題視され、(急性ADEMとの因果関係、厚労省のQ&A [mhlw.go.jp])予防接種が中止されてることが問題になってます。日本脳炎ワクチンの昔の定期接種スケジュールは、一期:6〜90月で3回、二期:小学4年生で1回、三期:中学3年生で1回だったのですが、三期は廃止され、一期・二期についても一時中止…「積極的勧奨」が外され、希望者のみが定期接種を受けることが可能な状況になってます。
基本的にスケジュール通りに受けている人であれば、免疫を得ていると思ってかまいません。問題になるのは、平成17年以降の方針変更の影響で、受けるはずだったワクチンを受けていない人です。またワクチン接種した人でも免疫力が低下していると(高齢者など)罹るリスクは上がります。今出来るもっとも有効な対策は、蚊に刺されることを予防することなので、蚊取り、虫除けなどを有効に活用するように心がけましょう。
実は1994年の法改正の頃に、国の予防接種に対する方針転換というのがありまして、従来は「集団防衛」という考え方がメインだったのが、「個人のリスク重視」の方向にシフトしてます(もちろん、その背景には医療費削減だとか、そういう別のベクトルも作用してると思いますが)。昨今のはしかの流行や、この日本脳炎については、それが悪い方向に作用した典型と言えるかと。まぁインフルエンザについては(新型でなく、従来のに限って言えば)、集団接種の有効性自体が疑問視されてたこともあって、施策転換しても問題なかった部分もありはするのだけど…でもまぁ、結局ワクチン生産能力自体を落としてしまうという副作用を招いたということからは、叩かれても仕方ないかな、という部分もある。
#でもまぁ、いちばん厄介で始末に負えないのはマスメディアなんだよなぁ…タミフルの件といい、ワクチンの件といい。
Re:情報追加 (スコア:4, 参考になる)
日本脳炎は、ワクチンの普及によって「過去の疾患」と思われがちなものの一つですが、日本脳炎ウイルスは俗に「夏風邪」とよばれてるものの原因の一つでもあり、意外にありふれた病原体の一つでもあります。とは言え、その生活環がブタ→蚊であるため、養豚を行っている場所が減った日本では病原体自体も減少傾向にあると考えられてますが。
ウイルスを保有している蚊に刺されたからと言って、必ず日本脳炎を発症するわけではなく、「夏風邪」程度の症状で終わったり、あるいはそれすらも出ずに気付かないケース(不顕性感染)というのも多いです。ただし、まれに髄膜脳炎を発症して神経症状が現れた場合(この場合が「日本脳炎」と呼ばれる)には、致死率も高く、また傷ついた神経は修復されないため、現在でも「発症≒治せないとなる、怖い病気」の一つです。このため、予防がとても重要になります。日本脳炎ワクチンの接種を行うことによって、感染しても軽く済み、脳炎を発症しない効果が得られます。また蚊に刺されないようにすることも重要な予防手段の一つです。
Re: (スコア:0)
>気付かないケース(不顕性感染)
ウィルス性ということは、後日体力が弱った場合に重篤な症状を発症することもあるのだろうか?
Re:情報追加 (スコア:4, 参考になる)
この流れは、いわゆる「教科書通りの」というか、一般的な感染症での「感染→(発病)→自然治癒」のパターンでして、ウイルス感染症も特にこの推移を辿るものの方が多かったりするんですよ、実は。
そうでないタイプ、つまり持続感染を起こすタイプ(ヘルペスとかのように潜伏感染するヤツとか、B/C型肝炎のように慢性感染するヤツとか、HIVのように遅発性感染を起こすヤツとか)が、特殊だから目立つんですけど、まぁこれらは持続感染のためにそれぞれ個別に、独自の持続感染機構を獲得しているわけです。
Re:情報追加 (スコア:4, 参考になる)
あ、そうそう。この抗体による排除というのは、血中や粘液中などにフリーの状態で存在しているウイルス粒子を排除するために重要な役割を担ってますが、一旦ウイルスが細胞内に侵入してしまうと、細胞の内部には抗体は入っていくことができないので無効です。
そこで、こういうウイルス感染細胞に対しては、細胞傷害性T細胞などの、いわゆる「キラー細胞」がそれを特異的に認識して、感染細胞ごと殺してしまうことで排除する機構(特異的な細胞性免疫)が、我々には備わってます。また、同時に感染細胞は、タイプ1インターフェロン(インターフェロンαおよびインターフェロンβ)という物質(サイトカインの一種)を分泌し、これを感知した周辺の細胞は、細胞内でのタンパク質合成をまるごと抑制することで、ウイルスが細胞内に入ってきても、ウイルスタンパク質を作らない(=ウイルスの増殖に加担しない)ようにしたりします。そういう「非特異的なウイルス感染防御」なんかも、同時に行いながら、人体は二重三重の構えでウイルスに対抗してるわけです。
#この辺りは、ここ5〜10年くらいにすごく解明が進んでて、Toll様受容体だとか樹状細胞の関与だとか、いろいろと複雑なことも判ってるんだけど、まぁ大雑把な説明としてはこんな感じで…
Re: (スコア:0)
どっちが少ないかってことなんだよ。マクロ的な視点に立った話で、個々にはワクチン打ったために後遺症残るやつもいるだろうさ。
なるべくワクチンで発生する後遺症は少なくしなければならないが、ワクチンで後遺症を起こしたから全てだめって考え違いはよくない。
ワクチン接種が100%でなくても大部分が接種してれば、感染が伝播しないから受けなくてもNPってのはある。
みんながやってなければ、やれ
みんながやってれば。やるな