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朝日→あかつき「寄り道」ttp://www.asahi.com/science/update/0103/TKY201101030294.html寄り道というのは道中に地球近傍小惑星ならぬ金星近傍小惑星の観測を行って、6年間という退屈な長旅の合間に成果を稼ぐ搭載されている観測機器は大気観測用に紫外線カメラや赤外線カメラを積んでいるが、あかつきのLIRは太陽活動が少ない時期にはXRSより成果が挙げやすいとしてはやぶさ2にも搭載される予定のカメラIR1とIR2ははやぶさのNIRSほど適切な分光観測はできないけど波長範囲はほぼカバーしてるのでおおまかな元素分析は出来るはず。ただしあかつきには可視光カメラはないので地形を観察するには向かない
毎日→あかつき「待ち伏せ」ttp://mainichi.jp/select/science/news/20110105k0000m040105000c.html上記タレコミの通り
いくつかの救済プランが上がっているようなので現段階ではどうなるかは不明です。
気になるのはどっちにせよ軌道変更には必要なΔV(燃料)待ち伏せでは減速が必要ですが単純に減速すれば、今の軌道よりも内側に遷移するはず。どうやって金星にフライバイするのでしょうか小惑星探査にせよまともな観測を行うにはそれなりに接近せねばならず軌道変更が伴いますし、当然、金星軌道再投入時にも燃料を使います
結局、何をするにせよ金星観測に必要な燃料から捻出しなければならないはず。となると再投入はともかくどちらも金星長期観測を捨てる判断をしないと出来ないと思います
ひょっとするとJAXA/ISAS的には既に5~6年後の金星周回軌道再投入は厳しいと判断していて探査機が健在な内に観測機器を少しでも生かすべく、小惑星探査や金星のフライバイ観測を行ってささやかながらも成果を挙げて、当初の目的が揺らいでいるミッションにけじめを付けるつもりに見えてしまいます
待ち伏せでは減速が必要ですが単純に減速すれば、今の軌道よりも内側に遷移するはず。どうやって金星にフライバイするのでしょうか
毎日新聞の記事では減速と書かれてますけど、実は増速なんじゃないでしょうか。
現在のあかつきの軌道だと、5年で太陽の周りをほぼ9周します。8周ってことはそれより外側の軌道でないとおかしいので、たぶん近日点で何度かに分けて増速するんでしょう。
で、金星の軌道にじょじょに近づきつつ5年後に8周したところでまた金星に接近するので(というか、そうなるように軌道操作するので)、そこでさらに増速して金星周回軌道に投入、という案なのだと思います。
最初の軌道操作を次の近日点で行うとしたら3ヶ月後くらい? 異常のあったスラスタを使うのなら、そこでいきなり使ってみるのか、事前に短時間の噴射試験でもするのか。どうなんでしょうね。
あ、近日点じゃなくて遠日点かも。まあ、そもそも現在どういった軌道なのか詳細を知らないのでなんとも言えませんが。
あかつきには問題となった二液式500Nセラミックスラスタと共に、姿勢制御用1N一液式スラスタの他、高利得アンテナが付いている面と500Nセラミックススラスタが付いている面にそれぞれ4基の23N一液式スラスタが搭載されています。http://www.jaxa.jp/press/2010/12/20101227_sac_akatsuki_j.html [www.jaxa.jp]
メインエンジンたるセラミックスラスタが使えなくなったり、酸化剤の供給が駄目になった場合は、どちらかの面の23Nスラスタ4基の長時間噴射で軌道投入を図ると思いますが、あかつきに想定外の長旅を強いたトラブルの原因は燃料タンクを加圧するヘリウムガスを供給する配管にある逆止弁が閉塞した可能性が高く、よりによってこの部分の冗長性は無いとの事。現在も閉塞状態にある場合は燃料そのものが吹けないので23Nスラスタ4基に命運を託す事も出来ないでしょうし、閉塞状態でなくても500Nセラミックスラスタは破損して本来の性能は出せない可能性が高く、代替の23Nスラスタ4基の長時間噴射の途中で再び問題の逆止弁が閉塞する可能性も捨てきれません。もちろん5~6年の太陽周回軌道上での機体の劣化も気になります。
そもそも23Nスラスタ4基の長時間噴射で金星周回軌道投入を試みた場合は燃料消費が本来のセラミックスラスタより更に大きくなるので、小惑星探査や短縮軌道を取った場合、道中の燃料消費如何によっては金星周回軌道投入を断念せざるを得ないと思います。むしろさっさと断念して小惑星探査及び短縮軌道に注力して金星フライバイ探査に切り替えた方が金星探査機が金星で全く成果を上げられないという最悪の事態だけは避けられるのではないかと考えています・・・
冷静に考えるとあかつきが置かれた状況は探査機が健在であってもミッションそのものが崩壊する瀬戸際であり、思っている以上に深刻です。
のぞみやはやぶさを死の淵から救った軌道の魔術師の異名を取るはやぶさプロマネの川口教授をJAXAは擁していますが、あかつきは圧倒的な航続距離を持つイオンエンジンも無く、問題となったHeガスの配管に冗長系はなく川口教授が得意としている惑星重力を使ったスイングバイを使おうにも、あかつきが航行する軌道付近にはスイングバイに相応しい惑星は無く、敢えて言うと5~6年後に接近予定の金星しかありません積載燃料も金星以外の惑星へ自力で行ける程の余力はありません
今のあかつきはのぞみやはやぶさと比べて、打てる手段がほとんどありませんおそらくさすがの軌道の魔術師も手も足も出ないと思います
事実上、太陽周回軌道上で自分の出来る範囲の事をやる事しかありませんね
↑何故かこうやってハードルが上がると成功する気がするのは、はやぶさ病かなぁ…
日本が月、惑星探査機(工学実証機)として打ち上げた機体はさきがけ、すいせい、ひてん、のぞみ、はやぶさ、かぐや、あかつきの7機種があります。
さきがけとすいせいは、ハレー彗星探査には成功したものの、エクストラミッションとして行われた他の短周期彗星への探査には地球スイングバイの失敗で出来ず。
のぞみはラッチングバルブのトラブルや電気系統のトラブルで、航海期間が延びたあげく火星探査は出来ず。
はやぶさはRWの故障や化学推進剤の漏洩トラブルや通信途絶などで地球帰還が三年延びた。
あかつきは金星周回軌道投入時に推進系にトラブルが発生金星周回軌道投入が5~6年延期された。
ほぼ予定通り、ミッションをこなしたのはひてんとかぐやだけですね。スラド的にはかぐやは月周回軌道上の活躍より、NHKのかぐやHD動画独占利用騒動の方が話題になりましたね。
あっ。地上も軌道上にも何の波乱もなかったのはひてんだけですね。
はやぶさは、不測の事態に備えた設計だった。と言っても、コスト度外視で色々積んでいったわけではなく、トラブルがあっても柔軟性の高い運用が出来る設計思想。
あかつきは、よく言えば野心的、率直に言えば博打。基本的な部分を簡略化してまで、観測機器やイカロスにコストを割いた。希望的観測で壊れない事を期待する設計。
はやぶさと同列に語ってはいけない物だと思う。
あかつきが保守的だとは思えない。肝心なメインエンジンの系統が冗長化されてないなんて、セラミックスラスタの失敗を望んでたのではと勘ぐりたくなる。
読売に依れば効率よく減速できる時期が今年4月に迫っているそうですhttp://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110105-OYT1T00488.htm [yomiuri.co.jp]
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
短縮軌道はあかつき救済プランの一つに過ぎないが (スコア:3, 参考になる)
朝日→あかつき「寄り道」
ttp://www.asahi.com/science/update/0103/TKY201101030294.html
寄り道というのは道中に地球近傍小惑星ならぬ金星近傍小惑星の
観測を行って、6年間という退屈な長旅の合間に成果を稼ぐ
搭載されている観測機器は大気観測用に紫外線カメラや赤外線カメラを
積んでいるが、あかつきのLIRは太陽活動が少ない時期にはXRSより
成果が挙げやすいとしてはやぶさ2にも搭載される予定のカメラ
IR1とIR2ははやぶさのNIRSほど適切な分光観測はできないけど波長範囲は
ほぼカバーしてるのでおおまかな元素分析は出来るはず。
ただしあかつきには可視光カメラはないので地形を観察するには向かない
毎日→あかつき「待ち伏せ」
ttp://mainichi.jp/select/science/news/20110105k0000m040105000c.html
上記タレコミの通り
いくつかの救済プランが上がっているようなので現段階では
どうなるかは不明です。
気になるのはどっちにせよ軌道変更には必要なΔV(燃料)
待ち伏せでは減速が必要ですが単純に減速すれば、今の軌道よりも
内側に遷移するはず。どうやって金星にフライバイするのでしょうか
小惑星探査にせよまともな観測を行うにはそれなりに接近せねばならず
軌道変更が伴いますし、当然、金星軌道再投入時にも燃料を使います
結局、何をするにせよ金星観測に必要な燃料から捻出しなければ
ならないはず。となると再投入はともかくどちらも金星長期観測を
捨てる判断をしないと出来ないと思います
ひょっとするとJAXA/ISAS的には既に5~6年後の金星周回軌道再投入は
厳しいと判断していて探査機が健在な内に観測機器を少しでも
生かすべく、小惑星探査や金星のフライバイ観測を行って
ささやかながらも成果を挙げて、当初の目的が揺らいでいる
ミッションにけじめを付けるつもりに見えてしまいます
Re:短縮軌道はあかつき救済プランの一つに過ぎないが (スコア:2)
毎日新聞の記事では減速と書かれてますけど、実は増速なんじゃないでしょうか。
現在のあかつきの軌道だと、5年で太陽の周りをほぼ9周します。8周ってことはそれより外側の軌道でないとおかしいので、たぶん近日点で何度かに分けて増速するんでしょう。
で、金星の軌道にじょじょに近づきつつ5年後に8周したところでまた金星に接近するので(というか、そうなるように軌道操作するので)、そこでさらに増速して金星周回軌道に投入、という案なのだと思います。
最初の軌道操作を次の近日点で行うとしたら3ヶ月後くらい? 異常のあったスラスタを使うのなら、そこでいきなり使ってみるのか、事前に短時間の噴射試験でもするのか。どうなんでしょうね。
Re:短縮軌道はあかつき救済プランの一つに過ぎないが (スコア:2)
あ、近日点じゃなくて遠日点かも。まあ、そもそも現在どういった軌道なのか詳細を知らないのでなんとも言えませんが。
こんなこともあろうかとがあるはずなのだが (スコア:1, 参考になる)
あかつきには問題となった二液式500Nセラミックスラスタと共に、
姿勢制御用1N一液式スラスタの他、高利得アンテナが付いている面と
500Nセラミックススラスタが付いている面にそれぞれ4基の23N一液式
スラスタが搭載されています。
http://www.jaxa.jp/press/2010/12/20101227_sac_akatsuki_j.html [www.jaxa.jp]
メインエンジンたるセラミックスラスタが使えなくなったり、
酸化剤の供給が駄目になった場合は、どちらかの面の23Nスラスタ
4基の長時間噴射で軌道投入を図ると思いますが、あかつきに想定外の
長旅を強いたトラブルの原因は燃料タンクを加圧するヘリウムガスを
供給する配管にある逆止弁が閉塞した可能性が高く、よりによって
この部分の冗長性は無いとの事。現在も閉塞状態にある場合は
燃料そのものが吹けないので23Nスラスタ4基に命運を託す事も
出来ないでしょうし、閉塞状態でなくても500Nセラミックスラスタは
破損して本来の性能は出せない可能性が高く、代替の23Nスラスタ4基の
長時間噴射の途中で再び問題の逆止弁が閉塞する可能性も
捨てきれません。
もちろん5~6年の太陽周回軌道上での機体の劣化も気になります。
そもそも23Nスラスタ4基の長時間噴射で金星周回軌道投入を試みた
場合は燃料消費が本来のセラミックスラスタより更に大きくなるので、
小惑星探査や短縮軌道を取った場合、道中の燃料消費如何によっては
金星周回軌道投入を断念せざるを得ないと思います。むしろさっさと
断念して小惑星探査及び短縮軌道に注力して金星フライバイ探査に
切り替えた方が金星探査機が金星で全く成果を上げられないという
最悪の事態だけは避けられるのではないかと考えています・・・
冷静に考えるとあかつきが置かれた状況は探査機が健在であっても
ミッションそのものが崩壊する瀬戸際であり、思っている以上に
深刻です。
付け加えさせていただくと... (スコア:0)
23Nスラスタは1液性で性能が劣ります。
もし時間をかけて23Nスラスタを吹いて,正常に動作したとしても
残念ながら燃料切れになります。
500Nスラスタの性能が7割しかでなくても比推力は23Nスラスタより良いのではないでしょうか。
もっとも大幅に減速量が少ない軌道が存在すれば23Nスラスタ*4でも可能かもしれません。
Re: (スコア:0)
はやぶさの時みたく、町工場のおっちゃんがなんか予備回路入れてたりとかないの?
のぞみやはやぶさより厳しい条件です (スコア:0)
のぞみやはやぶさを死の淵から救った軌道の魔術師の異名を取る
はやぶさプロマネの川口教授をJAXAは擁していますが、
あかつきは圧倒的な航続距離を持つイオンエンジンも無く、
問題となったHeガスの配管に冗長系はなく
川口教授が得意としている惑星重力を使ったスイングバイを使おうにも、
あかつきが航行する軌道付近にはスイングバイに相応しい惑星は無く、
敢えて言うと5~6年後に接近予定の金星しかありません
積載燃料も金星以外の惑星へ自力で行ける程の余力はありません
今のあかつきはのぞみやはやぶさと比べて、打てる手段がほとんどありません
おそらくさすがの軌道の魔術師も手も足も出ないと思います
事実上、太陽周回軌道上で自分の出来る範囲の事をやる事しかありませんね
Re:のぞみやはやぶさより厳しい条件です (スコア:1, おもしろおかしい)
↑何故かこうやってハードルが上がると成功する気がするのは、はやぶさ病かなぁ…
艱難辛苦の航海はお約束かも (スコア:1, 参考になる)
日本が月、惑星探査機(工学実証機)として打ち上げた機体は
さきがけ、すいせい、ひてん、のぞみ、はやぶさ、かぐや、あかつき
の7機種があります。
さきがけとすいせいは、ハレー彗星探査には成功したものの、
エクストラミッションとして行われた他の短周期彗星への探査には
地球スイングバイの失敗で出来ず。
のぞみはラッチングバルブのトラブルや電気系統のトラブルで、
航海期間が延びたあげく火星探査は出来ず。
はやぶさはRWの故障や化学推進剤の漏洩トラブルや通信途絶などで
地球帰還が三年延びた。
あかつきは金星周回軌道投入時に推進系にトラブルが発生
金星周回軌道投入が5~6年延期された。
ほぼ予定通り、ミッションをこなしたのはひてんとかぐやだけですね。
スラド的にはかぐやは月周回軌道上の活躍より、NHKのかぐやHD動画
独占利用騒動の方が話題になりましたね。
あっ。地上も軌道上にも何の波乱もなかったのはひてんだけですね。
Re: (スコア:0)
はやぶさは、不測の事態に備えた設計だった。
と言っても、コスト度外視で色々積んでいったわけではなく、
トラブルがあっても柔軟性の高い運用が出来る設計思想。
あかつきは、よく言えば野心的、率直に言えば博打。
基本的な部分を簡略化してまで、観測機器やイカロスにコストを割いた。
希望的観測で壊れない事を期待する設計。
はやぶさと同列に語ってはいけない物だと思う。
Re:付け加えさせていただくと... (スコア:1, 参考になる)
もともとM-Vで打ち上げる予定でした。
なので重量的にぎりぎりで開発されました。
ところが,M-Vの廃止でH-2A にロケットが変更になり,
重量に余裕ができたので,重しとしてイカロスが急遽開発されました。
開発が間にあわなくてもとりあえず乗せろとか言われていたとか。
じゃあ,あかつきの燃料を増やしたり冗長性を増す設計にすれば良かった,といえばそうなんですが,
重量を増すとスラスタの出力が足りなくなりますから,スラスタの開発し直しになる可能性がありますし,
機体の構造的にもすべて設計し直しになるでしょうから,時期的に間にあわなかったようです。
はやぶさと同列に語ってはいけない,というのはその通りですね。
でも野心的なのははやぶさであって,あかつきはできるだけ保守的に作られています。
部品などもできるだけ特注を避けて汎用品で固めています。
基本的な部分,つまり姿勢制御や通信部分は冗長性が確保されています。
唯一設計上無理していそうなのが,周回軌道に投入するための9分間だけです。(ここだけ冗長性なし)
でそこが失敗した,という当事者にとっては何ともいえない気持ちなんじゃないですかね。
Re: (スコア:0)
あかつきが保守的だとは思えない。
肝心なメインエンジンの系統が冗長化されてないなんて、
セラミックスラスタの失敗を望んでたのではと勘ぐりたくなる。
Re: (スコア:0)
というふうに宇宙船の操縦は難しいです。アポロ11号のオルドリンは、そのあたりを楽々と直観的に処理できる「ランデブーの天才」として搭乗したとか。
短縮軌道への遷移のタイムリミットは4月 (スコア:0)
読売に依れば効率よく減速できる時期が今年4月に迫っているそうです
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110105-OYT1T00488.htm [yomiuri.co.jp]