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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie
DRMは誰がためにある? (スコア:5, すばらしい洞察)
Appleのやり方が市場に受け入れられただけなんですよね。
CCCDにしろ、BMGらが消費者に強いたDRMにしろ、不便な思いをするのは
その楽曲を購入した消費者自身であり、本来彼らがブロックするべき
不正な複製品の利用者を排除するために、彼らの最上の顧客である、
楽曲の正規購入者にも同等の不便を強いてしまったことからでした。
消費者からすれば、正規の金額を払って購入したのだから、あらゆる
場面や機器で楽しみたいという欲求は当然でしょう。これは特定の
DRMで許可された機器のみで再生できます、といったとしてもそれは
Re: (スコア:1, すばらしい洞察)
> Appleのやり方が市場に受け入れられただけなんですよね。
ちょっと違います。
それは後から差が広がった時の話です。
もともとSONYはAppleが音楽配信に参入するよりも前から運営してました。
そして、SONYのATRAC3はAppleのFairPlayよりもオープンでした。
MDLP対応のMDプレイヤーがあれば、SONY以外のプレイヤーでも
再生することができました。
また、MDLP以外のメモリーオーディオでも、シャープなどから
ATRAC3採用したプレイヤーが発売されていたくらいオープンでした。
それに対し、数年後発のAppleが一気に追い抜き、差
Re:DRMは誰がためにある? (スコア:2, 興味深い)
まず、「所有するCDから取り込んだ楽曲なのに、コピー回数が制限されており、・・・、などの問題もありました。」はSONYのDRMの厳しさとは言わないのでしょうか。
また、FairPlayはCD-Rに曲を焼き、リップする事でCDからの取り込みが可能などのようなデバイスでも利用が可能であったと記憶していますし、その他のクラック方法もいろいろあったように思います。
また、列挙された要因からWMAがあまり成功していない事も説明できないような気がします。
SONYのDRMの対応機種はSONYやSHARP等僅か数社からしか出ていませんでしたが、WMAの方が余程対応機種が多く、参加レーベル数も多いです。
これらから考えるに、やはりiTunesの成功要因として緩いDRMの貢献が大きかったと言えるのではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
>DRMが厳しかった事が原因ではないという主張には同意しかねます。
DRMが厳しかったことが一番の原因ではないと言っています。
原因ではないとまでは言っていません。
感覚的にパーセントで表現すると、厳しいDRMによってSONYが負けた
という原因は、10%くらいなものでしょう。
SONYの音楽配信&メモリーオーディオが最初から成功しなかった理由が
当時はまだ姿形もなかった緩いDRMのiPod&iTMSのせいだとは言えない
ということを考えてみてください。
>まず、「所有するCDから取り込んだ楽曲なのに、コピー回数
Re:DRMは誰がためにある? (スコア:1)
まず、ソニーがHDD搭載機種を投入するまでの第一フェーズ(1999~2003年頃)に関しては、アルバム単位でメディアを入れ替えなければいけなかったMDやフラッシュメモリに対して、とりあえず全部つっこんでおけばいいiPodが利便性で勝ったために勝利したという説明の仕方は頷けるところも多いです。
当時はiTMSが無く、FairPlayは無関係であり、プレイヤーのシェア争いは主としてCDからのリッピングした音楽の再生に関して行われていたと考えられます。
しかし、この時点ですでにDRMに対する方針の違いが記録媒体の選択に影響を与えていたのではないでしょうか。まず、2000年に登場したソニーのメモリースティックウオークマンは「OpenMG」という著作権補技術を採用しており、PCでリップした音楽をプレイヤーに転送するとPCでは聞けなくなると言う、地デジでいうムーブのような方式が採用されていました。
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/1520.html [impress.co.jp]
著作権保護のためにリップした音楽をムーブして利用するのであれば、HDDに全部つっこんでおくと言う利用方法は家のPCと携帯プレイヤーの間で毎日のようにムーブを行う必要があり、手間が大きくなります。ムーブ先のプレイヤーがPCに接続されていればそこから直接データを読み込んで再生、等という高度な制御が実装されていれば良かったのでしょうが、当時のソニーはそのような機能を用意していませんでした。
親コメントで仰っている「3回まで」の使い勝手の悪さというのは記録媒体がHDDであろうが、MDであろうがフラッシュであろうがおそらく変わらなかったのではないでしょうか。
当時のソニーのDRMの使い勝手の悪さについては本田雅一氏のこちらの記事が参考になります。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000229/mobile41.htm [impress.co.jp]
他方、2001年に発売されたiPodはCDからのリッピングに関してはDRMがかからず、mp3ファイルをそのままつっこめば再生ができるほか、iPodに記録したmp3ファイルを他の人に譲渡することも可能であり、DRMフリーの柔軟な運用が可能でした。
従って、仮にソニーが2000年頃に大容量のHDDを搭載したプレイヤーを投入していたとしても、iPodのような利便性を提供することはできず、DRMに対する態度の違いが勝敗に致命的な影響を与えていたのではないでしょうか。
(OpenMGのムーブ規制がいつ頃までかかっていたのは解りません。さすがにまだかかっているとは考えたくないのですが・・・)
次に、ソニーがmp3対応、HDD搭載機を投入し、iTunesMusicStoreがネットワークでの音楽配信を開始しだした第二フェーズ(2004~)の競争に移ります。2004年からソニーもHDDを搭載したオーディオプレイヤーを販売開始しました。
この時のフェーズになってようやくFairPlayとその他のDRMの間の競争が生じるわけですが、この時点でのシェア争いでソニーが逆転できなかった要因に利用していた記録媒体は無関係です。おそらくiTMSが音楽配信事業に成功したのは#1277257に書かれている事や、私が#1277481で主張したようなDRMの影響が要因だったと思われます。
ところで、音楽配信が開始されてからの第二フェーズでPCを持たずにiPodを利用している人はいたのでしょうか?MacはPCじゃない、非PCユーザはMacを利用していた、と言うであったとしても、CDに焼くことができ、それまで利用していたオーディオプレイヤーが利用できたことはそれこそPCを音楽再生の中心に置かなかったギャル系の方々にも受けが良かったのではないかと思うのですが。CDも焼けない程度にPCリテラシが低い方々にはおそらくiTMSも受け入れられず、ケータイの音楽配信を利用していように思います。
ともあれ、ソニーの敗因についていろいろ理解が深まりました。ありがとうございます。