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とか書いてみたり.読めばわかる通り,容量のmA/gの質量部分は「空気極の重量」で規格化されています.また空気電池ですので,実際の電池の重量のかなりの部分は「空気極以外の部分」です.#空気極側は,反応主体の空気を外気から取り込めるため,必要な物が少ない.
空気電池ですと,電池内には実際には
・空気極(炭素と触媒のみでそれなりに軽め)・対極(活物質,今の例だとリチウムが多量にいるので結構重い)・セパレータ(仕切り)・パッケージ
などがあります.今回の研究で実現されたことは,「多量の活物質を使い切るまで動かせるような構造を開発しました」ということです.今までの構造で活物質のリチウムだけ量を増やすと,リチウムを使い切る前に空気極やリチウム表面で反応後の物質が堆積しそれ以上反応が行かないためあまり容量が増やせなかったのが,多量のリチウムを使い切れる構造になります.例えば適当に各パーツの重量が
・空気極 1・対極 10・セパレータ 0・パッケージ 2
だったとして,今までの10倍量のリチウムが使えるようになったとしたら,
・空気極 1・対極 100・セパレータ 0・パッケージ 2
ということになります.空気極あたりの容量は10倍になりますが,電池全体としての重量あたりの容量はこの場合1.3倍弱までしか伸びないこととなります.#上記の重量分配は適当です.
今まで10個の小容量セルが必要だったのが一個の大型セルでいい,などの利点もありますが,決して電池としての重量あたりの容量が十倍二十倍と増えるものではないことにはご注意を.何せ理想的な系を想定してしまえば,いくら反応が進んでも阻害要因がないので,無限の量のリチウムを対極とする理想的な電池を考えると「空気極1gあたり無限大の容量」とも言えてしまうわけですから.
#なお,この研究そのものがしょうもないと言っているわけではありません.
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騙されるな! (スコア:5, 興味深い)
とか書いてみたり.
読めばわかる通り,容量のmA/gの質量部分は「空気極の重量」で規格化されています.
また空気電池ですので,実際の電池の重量のかなりの部分は「空気極以外の部分」です.
#空気極側は,反応主体の空気を外気から取り込めるため,必要な物が少ない.
空気電池ですと,電池内には実際には
・空気極(炭素と触媒のみでそれなりに軽め)
・対極(活物質,今の例だとリチウムが多量にいるので結構重い)
・セパレータ(仕切り)
・パッケージ
などがあります.今回の研究で実現されたことは,「多量の活物質を使い切るまで
動かせるような構造を開発しました」ということです.
今までの構造で活物質のリチウムだけ量を増やすと,リチウムを使い切る前に
空気極やリチウム表面で反応後の物質が堆積しそれ以上反応が行かないため
あまり容量が増やせなかったのが,多量のリチウムを使い切れる構造になります.
例えば適当に各パーツの重量が
・空気極 1
・対極 10
・セパレータ 0
・パッケージ 2
だったとして,今までの10倍量のリチウムが使えるようになったとしたら,
・空気極 1
・対極 100
・セパレータ 0
・パッケージ 2
ということになります.空気極あたりの容量は10倍になりますが,電池全体
としての重量あたりの容量はこの場合1.3倍弱までしか伸びないこととなります.
#上記の重量分配は適当です.
今まで10個の小容量セルが必要だったのが一個の大型セルでいい,などの
利点もありますが,決して電池としての重量あたりの容量が十倍二十倍と
増えるものではないことにはご注意を.
何せ理想的な系を想定してしまえば,いくら反応が進んでも阻害要因がないので,
無限の量のリチウムを対極とする理想的な電池を考えると「空気極1gあたり
無限大の容量」とも言えてしまうわけですから.
#なお,この研究そのものがしょうもないと言っているわけではありません.
Re:騙されるな! (スコア:3, 参考になる)
アルカリ電解液の中和などから寿命があります。この研究は従来品より長持ちする
のが新機軸なのかな? しかし長持ちするといっても、20日間しか持ってないから、実用化
にはほど遠い感じですね。
しかし、このプレス発表記事は、容量として揚げられている数字が空気極の容量であると
いう事が非常にわかりにくいなあ。まさに騙している感じ。
(ちなみにリチウム金属そのものの電気量が3850mAh/gだからリチウム電池の容量がこの値を
超えることは絶対無いです)