「サーバサイドでは順調だが~」とか言ってるように、デスクトップ用途の話なんですよねこれきっと。 と、なると、マルチコアが有用な利用法を考えて、かつユーザに受け入れられる必要があります。ただ、デスクトップ用途のほとんどは「人間とのインタラクション」だと考えると、人間のI/Oは並列化しづらい性質のものなので(少なくとも言語的思考の流れや注視点は2つ以上にすることは困難)、CPUにはI/Oに関係しない仕事をやらせるか、「壁紙を動画にする」などの無駄な仕事をやらせるかのどちらかになるのだと思います。 そもそも、今のPCに求められてる機能って
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ソフトウェアって一括りにするのは間違いで (スコア:2, 興味深い)
と、なると、マルチコアが有用な利用法を考えて、かつユーザに受け入れられる必要があります。ただ、デスクトップ用途のほとんどは「人間とのインタラクション」だと考えると、人間のI/Oは並列化しづらい性質のものなので(少なくとも言語的思考の流れや注視点は2つ以上にすることは困難)、CPUにはI/Oに関係しない仕事をやらせるか、「壁紙を動画にする」などの無駄な仕事をやらせるかのどちらかになるのだと思います。
そもそも、今のPCに求められてる機能って
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(近未来の)「UI」には並列化が必要だ (スコア:0)
確かに言語的思考とかはシングルスレッド的なんですが、
人間および人間…と計算機の間…のI/Oは、必ずしも全部がシングル的とはいえないと思います。
なんの話かというと、典型的には「運動」です。
少なくとも人間から計算機へ情報を与える(いわゆる入力)のとき、人間は大脳の前あたりでは確かにシングル的に思考をしてるものの、それは運動野だの小脳だの神経だの筋肉だのと落とし込んで最終的に外に現れる「運動」になったときには、かなりマルチ的動作になっています。腕の多数の関節は別々に動きます。もちろんばらばらに動いてばらばらの意味(=大脳の前あたりが作り出した何か)を表現してるわけじゃないのですが、逆にいえばUI層では人間の複雑な動きの「(できれば)全部」をサンプリングして初めて、人間の表現するものを「十分に」入力できるようになる、んだと思うんです。なんでもかんでもキーボードで表現するのが効率的だ、ってわけじゃないよね。
先日、よりによってMS(わら)が、
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/30/news055.html [itmedia.co.jp]
>MS、ハイテクテーブル「Surface」を発表
ってのを出したようです。
こいつがマルチタッチ画面だそうで、例えば両手のソレゾレの指を画面に触りつつばらばらに動かしたときに、それを計算機は全部とってくれるわけです。そうすると、大昔から人間に出来たのに、それを計算機に食わせるのは困難だった、たとえば「かきあつめる」「こねる」「ひねる」などといった動作が、そのまま計算機に食わせられるようになることになる。
で、話を戻すと、
そういうUIの入力処理にも、マルチコアは役立つんじゃないかな?と想像しています。
今までのキーボード&マウスていどのチャチなUIなら、片手間でも大丈夫だったのでしょう。しかし上記のマルチタッチのような入力デバイスが出てくると、たぶんその入力はグラフィックと同じくらいのオーダーの「CPU」「メモリ」「(データ転送の)帯域」といったものを消費する、ご大層な系(ハード+ソフト)になると思われます。
そうなってくるとコアの1つや2つをそれ専任で割り当てたくなったりするんじゃないでしょうか?
しかも想定される処理はそれだけじゃなく、今までマウスだとソフト層は単に点の座標(整数が2つだけ)として処理すれば足りたのですが、マルチタッチだと1つの使い方として「場」というものが有ります。画面を例えば平面状に広がるスカラー場…なじみのものでいえば凸凹のある地面と標高ごとのポテンシャル…とみなし、その場の形状をマルチタッチで与えるのだとみなす、という系です。そうすると、凸凹によって生まれた「斜面」つまりポテンシャルの傾きというものを管理しないとならなくて、しかもそれは全画面つまり乱暴にいえば画素数と同じくらいの情報を扱う羽目になる。「マルチタッチのための処理は画像処理と似てる」そうです。もちろん初歩的なことしかしないなら従来のCPUでも十分でしょうけど、洗練されるにつれて「レスポンス」の良好な入力は求められると思います。「こねた」ものが変形してくれるのに0.5秒もかかったら視覚的に不愉快ですから。この「場」の変形の計算を常時バリバリやらないとならない。そういう時代は次第に近づいてくるはず。