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ちなみに2001年は映画版と小説版は別物と考えた方が良いです. 大きなストーリーの流れは同じなのですが, 映画版では単に映像として提示されているものに対して, 小説版ではそれに対するバックグラウンドが合わせて描写されているので, 印象としては全く異なったものになります.
たとえば冒頭のヒトザルのシーンはモノリスの「神」的な降臨ではなく, 単なる動物実験. HALの反乱は伝統的なフランケンシュタインの怪物ではなくシステムバグ. スターゲートは人知を越えた天界の光の奔流ではなく, 宇宙のさまざまな状況における生命の形態. とどめはボーマンが「部屋」の中で食べる「物」の描写です. こうして両者を比較してみると, 映画版ってのはキリスト教会的なハッタリ技法の伝統(ステンドグラスに見られる光の演出, 教会音楽の効果, 絵画における意味等)に則って作られていて, 日本人が考える以上に分かりやすい, というかより正確には分かった気になりやすいのではないかと思います.
おそらく受信しちゃう人ってのは, 小説版ではなく映画版を見て影響を受けたんじゃないかと思いますので, まずは映画版でトリップして次いで小説版で着地するというのが順番としては良いのでは.
# フリッツ・ラングの「月世界の女」 [kinokuniya.co.jp]が見たいのでID
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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常
2001年と2010年しか読んだことないや (スコア:1)
とありますが、できたら往時のSF隆盛を知る人達に振り返っていただきたい。
私は、よく知らないけどなんかすごい人、ぐらいのイメージしかないんですな。
Re:2001年と2010年しか読んだことないや (スコア:2, 興味深い)
冗談はともかく、SF作家を理解するには、作品を読むのが一番です。
まずは読みなさい、そして自分で評価しましょう。
# 「渇きの海」「楽園の泉」がおすすめ。
作品名忘れたけど、太平洋上に静止衛星を配置してインドの寺院の彫刻をアメリカに向けて延々と放送するという短編がありました。
冷戦時代を反映した内容ですが、この短編で提起された問題が、そのまま放送衛星で日韓の問題にされたとき、微苦笑が……。
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:2001年と2010年しか読んだことないや (スコア:1)
まさにそういうところが知りたいのですよ。
作品は書店に行けば手に取れますが、単にアイウエオ順に並んでるだけですし。
もちろん作品自体の鑑賞に必要ではないので、
潮流を追体験するというか、外側を楽しみたいというおたく的な欲求ですかね。
Re:2001年と2010年しか読んだことないや (スコア:1)
ちなみに2001年は映画版と小説版は別物と考えた方が良いです. 大きなストーリーの流れは同じなのですが, 映画版では単に映像として提示されているものに対して, 小説版ではそれに対するバックグラウンドが合わせて描写されているので, 印象としては全く異なったものになります.
たとえば冒頭のヒトザルのシーンはモノリスの「神」的な降臨ではなく, 単なる動物実験. HALの反乱は伝統的なフランケンシュタインの怪物ではなくシステムバグ. スターゲートは人知を越えた天界の光の奔流ではなく, 宇宙のさまざまな状況における生命の形態. とどめはボーマンが「部屋」の中で食べる「物」の描写です. こうして両者を比較してみると, 映画版ってのはキリスト教会的なハッタリ技法の伝統(ステンドグラスに見られる光の演出, 教会音楽の効果, 絵画における意味等)に則って作られていて, 日本人が考える以上に分かりやすい, というかより正確には分かった気になりやすいのではないかと思います.
おそらく受信しちゃう人ってのは, 小説版ではなく映画版を見て影響を受けたんじゃないかと思いますので, まずは映画版でトリップして次いで小説版で着地するというのが順番としては良いのでは.
# フリッツ・ラングの「月世界の女」 [kinokuniya.co.jp]が見たいのでID