アカウント名:
パスワード:
今回の件で、Googleは作家への直接的報酬だけではなく、以下のコストを支払ってます
つまり、作家への負担コストはほぼゼロで、作家が個別に版権レジストリに登録するだけで報酬を得ることができるようになります。 ほとんどの場合、作家は売上ではなく刷った数に応じて印税収入を得ますので、在庫が売れようが返本されようが処分されようが収入はかわりません。なので、絶版になった書籍から収入を得ることは事実上ありません。つまり、作家にとってのリスクはありません。
そして、その報酬は「電子書籍の販売、書籍ページでの広告での売上の63%」
そして、その報酬は「電子書籍の販売、書籍ページでの広告での売上の63%」です。日本の書籍の一般的な印税が高くて20%程度であることを考えると、破格と言っていいでしょう。
この和解で言う「著作権者(Rightholders)」は、AuthorとPublisherを指しているので、いわゆる印税を受け取る原著作権者(ここでは多分、=Author)の取り分は63%よりは少ないと思います。また、印税は紙の書籍の売価に対する比率なので、出版社が印刷コストや在庫リスクをまるまる持っている計算であり、電子書籍という形態での収益配分の比率と単純に比較を行ってGBSの方が優れているかのように言うのはミスリーディングだと思います。多くの書籍に関しては売価は下がるでしょうし。# GBSが文藝協会より優れていないと言いたいわけではありません。
>また、印税は紙の書籍の売価に対する比率なので、出版社が印刷コストや在庫リスクをまるまる持っている計算
ここは電子書籍化にかかるコスト、ストレージと配信コストなんかをGoogleが持っているんで、どっこいなのではないかと。#出版社から提供されたデータを元に電子書籍化が行われているとかであれば話は別ですが。
実際には編集、組版にかかったコストというのがありますので、労力の問題で言えば当然出版社にも取り分があってしかるべきとは思います。そのあたりは個別に設定となってるのかもしれませんが、前述の通り具体的に出版社が電子書籍化とその管理に当たってなにか仕事をしたわけではないので、あくまでメインは作者にあるのではないかと。
権利者の意味合いもちょっと微妙というか、日本における出版権ってレコード製作者の財産権なんかと違って義務が伴うので、絶版にした瞬間に法律上の権利は消滅してるんじゃないですかね。そのあたりはたぶんアメリカとは事情が違うので、まだ刷り合わせが必要になる可能性は高いですが。
GBSを見ればわかりますが、GBSで提供されるのは紙の印刷物をキャプチャした画像(単純な画像ではないですが)であって、書籍のテキストだけ抜き出した.txtファイルではありません。その点で、出版社/編集者の出版物/編集物に対する著作権は無視しえないでしょう。
紙の印刷とオンライン配信でどちらがコスト高かは、推測にしかならず、であればこそ63対20などという空疎な比較をしてGBSを持ち上げるのはアンフェアだと思います。
# 昔出版社でバイトしていたときのわずかな経験で言えば、紙の書籍の売価のうち1/3は取次・小売の取り分であり、1/3は印刷費です(印刷費は千差万別ですが...)。オンライン配信の原価率が6割ってこたあないと思いますがね。
紙の書籍の印税の同じ割合で出版社が持っていくかといわれると疑問が多いです。書籍の販売における出版社のコスト負担対象になる作業は
あたりに分類できます。紙の書籍の著者印税は取り次ぎ小売の取り分とこれらの費用を引いた上でもらえる額が著者印税として設定されていると考えるのが妥当でしょう。そして、出版社の作業で創作に関連する行為は最初の編集くらい。 つまり、出版物に対する著作権料に該当する額が63%あって、著者への印税がさらにその中から支払われているわけではないと思
僕は一言も、出版社の取り分が紙と変わらないなんて言っていません。出版社の取り分がゼロでない限り、原著作権者の取り分は63より少なくなると言っているだけです。(#1520954 [srad.jp] さんとは別ACですよ)創作の主体はともかく、書籍という形式になったものをキャプチャして配信する以上、少なくともそのデザインに対する著作権料は発生すべきでしょう。(そうしたくないなら、著者から素材を受け取りGoogle独自に編集・レイアウトして配布すべきです。多くの場合独占出版契約がそれを阻むと思いますが。)
創作(技術書なども含め)の過程において、編集者から著者へのフィードバックが創作の質向上に寄与する部分は多分にあると思いますが、現時点でその貢献度を衡ったり、その権利を明文化して個別に収益の配分を規定したりといった契約は結ばれていない(出版契約で包括的に取り扱われていた)と思います。このあたりは、紙の出版を前提とした契約(加えて権利の規定が曖昧な日本的な契約)が現状にそぐわなくなっているのでしょうね。
Googleが広告からも収益配分するのは素晴らしいと思いますが、広告+オンライン販売の売上が、紙で出版する場合の売上とどちらが大きくなるかは知るべくもありません。単純化すれば、売上が1/3に落ちれば著作者の取り分はほぼ同額になってしまうわけで、比率だけを比較するのは危険だと思います。
夕べ、和解文を読んだ人に聞いたのですが、出版社と著者の取り分は50:50(1987年以後に発行)もしくは35:65(1986年以前に発行)、出版社が倒産している場合などは著者が100%受け取りということになっているようです。逆に百科事典みたいに出版社が100になる書籍もあるようです。おそらく、この割合は出版契約に具体的な取り決めがない場合の話で、出版契約で別途取り決めがあった場合はそれに従うのではないかと思います。まあ、出版社込みの訴訟で和解した条件なので、大多数は取り決めのない場合の条件から大きく外れることはないかと。
ちなみに、日本で電子書籍向けの契約をした作家の方にお話を伺う機会があったのですが、その方は印税15%で契約したそうです。Googleブックと違い、書籍を直接取り込んだものではないのでこちらも単純比較はできませんが、参考までに。
出版社と著者の取り分は50:50(1987年以後に発行)
この配分は、Agreement の Attachment A、Article VI、6.2項に定められている、絶版本(Out-of-Print Books)に関する規定ですね。
In-Print Booksに関しては、同 Attachment の Article V、5.5項を読む限りでは、著者-出版者間の既定の契約もしくは別途著者-出版者間で結ばれる合意に従って配分されるようです。配分に関する紛争は新設されるレジストリが調停を行うとあります。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
文藝協会に離反者が出るんじゃ…… (スコア:5, 興味深い)
今回の件で、Googleは作家への直接的報酬だけではなく、以下のコストを支払ってます
つまり、作家への負担コストはほぼゼロで、作家が個別に版権レジストリに登録するだけで報酬を得ることができるようになります。
ほとんどの場合、作家は売上ではなく刷った数に応じて印税収入を得ますので、在庫が売れようが返本されようが処分されようが収入はかわりません。なので、絶版になった書籍から収入を得ることは事実上ありません。つまり、作家にとってのリスクはありません。
そして、その報酬は「電子書籍の販売、書籍ページでの広告での売上の63%」
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
この和解で言う「著作権者(Rightholders)」は、AuthorとPublisherを指しているので、いわゆる印税を受け取る原著作権者(ここでは多分、=Author)の取り分は63%よりは少ないと思います。
また、印税は紙の書籍の売価に対する比率なので、出版社が印刷コストや在庫リスクをまるまる持っている計算であり、電子書籍という形態での収益配分の比率と単純に比較を行ってGBSの方が優れているかのように言うのはミスリーディングだと思います。多くの書籍に関しては売価は下がるでしょうし。
# GBSが文藝協会より優れていないと言いたいわけではありません。
Re: (スコア:1)
>また、印税は紙の書籍の売価に対する比率なので、出版社が印刷コストや在庫リスクをまるまる持っている計算
ここは電子書籍化にかかるコスト、ストレージと配信コストなんかをGoogleが持っているんで、どっこいなのではないかと。
#出版社から提供されたデータを元に電子書籍化が行われているとかであれば話は別ですが。
実際には編集、組版にかかったコストというのがありますので、労力の問題で言えば当然出版社にも取り分があってしかるべきとは思います。そのあたりは個別に設定となってるのかもしれませんが、前述の通り具体的に出版社が電子書籍化とその管理に当たってなにか仕事をしたわけではないので、あくまでメインは作者にあるのではないかと。
権利者の意味合いもちょっと微妙というか、日本における出版権ってレコード製作者の財産権なんかと違って義務が伴うので、絶版にした瞬間に法律上の権利は消滅してるんじゃないですかね。
そのあたりはたぶんアメリカとは事情が違うので、まだ刷り合わせが必要になる可能性は高いですが。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
GBSを見ればわかりますが、GBSで提供されるのは紙の印刷物をキャプチャした画像(単純な画像ではないですが)であって、書籍のテキストだけ抜き出した.txtファイルではありません。その点で、出版社/編集者の出版物/編集物に対する著作権は無視しえないでしょう。
紙の印刷とオンライン配信でどちらがコスト高かは、推測にしかならず、であればこそ63対20などという空疎な比較をしてGBSを持ち上げるのはアンフェアだと思います。
# 昔出版社でバイトしていたときのわずかな経験で言えば、紙の書籍の売価のうち1/3は取次・小売の取り分であり、1/3は印刷費です(印刷費は千差万別ですが...)。オンライン配信の原価率が6割ってこたあないと思いますがね。
Re: (スコア:1)
紙の書籍の印税の同じ割合で出版社が持っていくかといわれると疑問が多いです。
書籍の販売における出版社のコスト負担対象になる作業は
あたりに分類できます。紙の書籍の著者印税は取り次ぎ小売の取り分とこれらの費用を引いた上でもらえる額が著者印税として設定されていると考えるのが妥当でしょう。そして、出版社の作業で創作に関連する行為は最初の編集くらい。
つまり、出版物に対する著作権料に該当する額が63%あって、著者への印税がさらにその中から支払われているわけではないと思
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:文藝協会に離反者が出るんじゃ…… (スコア:0)
僕は一言も、出版社の取り分が紙と変わらないなんて言っていません。
出版社の取り分がゼロでない限り、原著作権者の取り分は63より少なくなると言っているだけです。
(#1520954 [srad.jp] さんとは別ACですよ)
創作の主体はともかく、書籍という形式になったものをキャプチャして配信する以上、少なくともそのデザインに対する著作権料は発生すべきでしょう。
(そうしたくないなら、著者から素材を受け取りGoogle独自に編集・レイアウトして配布すべきです。多くの場合独占出版契約がそれを阻むと思いますが。)
創作(技術書なども含め)の過程において、編集者から著者へのフィードバックが創作の質向上に寄与する部分は多分にあると思いますが、現時点でその貢献度を衡ったり、その権利を明文化して個別に収益の配分を規定したりといった契約は結ばれていない(出版契約で包括的に取り扱われていた)と思います。
このあたりは、紙の出版を前提とした契約(加えて権利の規定が曖昧な日本的な契約)が現状にそぐわなくなっているのでしょうね。
Googleが広告からも収益配分するのは素晴らしいと思いますが、広告+オンライン販売の売上が、紙で出版する場合の売上とどちらが大きくなるかは知るべくもありません。単純化すれば、売上が1/3に落ちれば著作者の取り分はほぼ同額になってしまうわけで、比率だけを比較するのは危険だと思います。
Re:文藝協会に離反者が出るんじゃ…… (スコア:1)
夕べ、和解文を読んだ人に聞いたのですが、出版社と著者の取り分は50:50(1987年以後に発行)もしくは35:65(1986年以前に発行)、出版社が倒産している場合などは著者が100%受け取りということになっているようです。逆に百科事典みたいに出版社が100になる書籍もあるようです。
おそらく、この割合は出版契約に具体的な取り決めがない場合の話で、出版契約で別途取り決めがあった場合はそれに従うのではないかと思います。まあ、出版社込みの訴訟で和解した条件なので、大多数は取り決めのない場合の条件から大きく外れることはないかと。
ちなみに、日本で電子書籍向けの契約をした作家の方にお話を伺う機会があったのですが、その方は印税15%で契約したそうです。Googleブックと違い、書籍を直接取り込んだものではないのでこちらも単純比較はできませんが、参考までに。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
この配分は、Agreement の Attachment A、Article VI、6.2項に定められている、絶版本(Out-of-Print Books)に関する規定ですね。
In-Print Booksに関しては、同 Attachment の Article V、5.5項を読む限りでは、著者-出版者間の既定の契約もしくは別途著者-出版者間で結ばれる合意に従って配分されるようです。配分に関する紛争は新設されるレジストリが調停を行うとあります。