アカウント名:
パスワード:
この事件に関する議論で、よく「刃物」の喩えが出ているのですが、それは如何なものか、という気がします。
Winnyが開発開始・公開された経緯は この記事 [cnet.com]に詳しいですが、
それまで日本国内で隆盛を誇っていたP2Pファイル共有ソフトは「WinMX」だったが、2001年秋にWinMXのユーザー2人が京都府警に逮捕された
ことから、
WinMXよりも匿名性が高く、警察に摘発されないようなソフトを待望する声が高まった。具体的にいえば、2ちゃんねるのdownload板に「MXの次は何なんだ」というスレッドが立てられ
という状況になり、それに対して金子被告が
そんな中で、金子被告がいまも歴史に残る47番目の書き込みを行う。「暇なんでfreenetみたいだけど2ちゃんねらー向きのファイル共有ソフトつーの
そんな中で、金子被告がいまも歴史に残る47番目の書き込みを行う。
「暇なんでfreenetみたいだけど2ちゃんねらー向きのファイル共有ソフトつーの
>> Winnyは暗号化されたキャッシュを中継していくことで、送信者を特定できないようにするという、>> 独自の匿名化技術を備えていた。つまりは警察に摘発される可能性が低い> という機能を「付加」して作られたものが、果たして「中立」であるのか、> といえば、どう考えても私はそのように見ることはできません。
確かにWIDE PROJECTのコメントで、「中立的な技術を開発した結果として逮捕された」というのは、違和感を覚えます。逮捕されたのは、送信可能化権の侵害という罪を助長したので、逮捕されたのですから。
つまり、それこそ、匿名性が実装されていなくても、「送信可能化権が侵害できる」ことを彼が大勢の人に信じさせたのであれば、間違いなく有罪でしょう。問題は彼が技術を開発したことではなく、彼が罪を幇助および助長する意思が明確にあったかどうかだと思います。
私は法律の専門家ではないですが、本人の意思の結果として、明確に結果が残る殺人や窃盗に比べると立証が難しい気がします。なぜなら、明確な数字として、送信可能化権を侵害している人の総数が彼によって増減したこと立証するのが難しい気がするからです。
もし、元々インターネットの機能に不正ソフトを送信することを禁止する機能があり、彼の出現前まで送信可能化権の侵害されていなかったにも関わらず、彼のソフトによってそれが可能になったのなら、因果関係としては明確ですが、彼が結果として、多くの人が送信可能化権の侵害しても捕まらないと思ってしまったソフトを作成しただけなら、信じた方が悪く、本来ならWinnyを使ったことがあるやつを全員捕まえればいいのですから。人数が多すぎて無理ですが。
> はてさて、「人間がどう使うか」について思いを全く馳せないまま技術を世にはなってしまうのは現代の風潮なのでしょうか。
これは今に始まった話ではなく、技術は実現したい要望を叶える手段でしかなく、その要望が犯罪だろうが、気に入らなかろうが、よいことだろが、要望があれば、技術は世に出て行ってしまいます。
なので、技術というより、人間そのものが、本来は非常に危険なものだと思います。(日本はこの手の感覚が鈍いので。)
それを抑制するために、社会や政治がありますが、逆に人間の本質を理解しないまま、確たる証拠がない状態で、彼が「罪を幇助および助長する意思が明確あった」と断罪できてしまうとすると、それは恐怖政治と何ら変わらない気もします。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs
「技術」が目指すべき方向を置いていく議論 (スコア:5, 興味深い)
この事件に関する議論で、よく「刃物」の喩えが出ているのですが、それは如何なものか、という気がします。
Winnyが開発開始・公開された経緯は この記事 [cnet.com]に詳しいですが、
ことから、
という状況になり、それに対して金子被告が
Re:「技術」が目指すべき方向を置いていく議論 (スコア:0)
>> Winnyは暗号化されたキャッシュを中継していくことで、送信者を特定できないようにするという、
>> 独自の匿名化技術を備えていた。つまりは警察に摘発される可能性が低い
> という機能を「付加」して作られたものが、果たして「中立」であるのか、
> といえば、どう考えても私はそのように見ることはできません。
確かにWIDE PROJECTのコメントで、「中立的な技術を開発した結果として逮捕された」
というのは、違和感を覚えます。逮捕されたのは、送信可能化権の侵害という罪を助長したので、逮捕されたのですから。
つまり、それこそ、匿名性が実装されていなくても、「送信可能化権が侵害できる」ことを
彼が大勢の人に信じさせたのであれば、間違いなく有罪でしょう。
問題は彼が技術を開発したことではなく、彼が罪を幇助および助長する意思が明確にあったかどうかだと思います。
私は法律の専門家ではないですが、本人の意思の結果として、明確に結果が残る殺人や窃盗に比べると立証が難しい気がします。
なぜなら、明確な数字として、送信可能化権を侵害している人の総数が彼によって増減したこと立証するのが難しい気がするからです。
もし、元々インターネットの機能に不正ソフトを送信することを禁止する機能があり、彼の出現前まで
送信可能化権の侵害されていなかったにも関わらず、彼のソフトによってそれが可能になったのなら、因果関係としては明確ですが、
彼が結果として、多くの人が送信可能化権の侵害しても捕まらないと思ってしまったソフトを作成しただけなら、
信じた方が悪く、本来ならWinnyを使ったことがあるやつを全員捕まえればいいのですから。人数が多すぎて無理ですが。
> はてさて、「人間がどう使うか」について思いを全く馳せないまま技術を世にはなってしまうのは現代の風潮なのでしょうか。
これは今に始まった話ではなく、技術は実現したい要望を叶える手段でしかなく、その要望が犯罪だろうが、気に入らなかろうが、
よいことだろが、要望があれば、技術は世に出て行ってしまいます。
なので、技術というより、人間そのものが、本来は非常に危険なものだと思います。
(日本はこの手の感覚が鈍いので。)
それを抑制するために、社会や政治がありますが、逆に人間の本質を理解しないまま、
確たる証拠がない状態で、彼が「罪を幇助および助長する意思が明確あった」と
断罪できてしまうとすると、それは恐怖政治と何ら変わらない気もします。