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フロンガスがオゾンを破壊する現象は、簡単に証明できるけど、二酸化炭素が地球全体の平均気温を上げる現象の証明は、そうはいかない。
一方で「(今の気温-氷河期の気温) >> (今の気温-産業革命前の気温)」は疑う人がいないので自然変動説は直感的には説得力があるわけで。
結局のところ懐疑論批判といっても「以上の事柄を総合的に勘案すると地球温暖化は事実であることは疑いようが無い」みたいな、むしろ頭の悪そうな言い方しかできんわけで、温暖化が事実であっても懐疑論を封殺するのは不可能なんじゃないかな。
それよりも、懐疑論と付き合いながら対策を講じる道に進むほうが正しいのでは?
>フロンガスがオゾンを破壊する現象は、簡単に証明できるけど
いや,これもまたなかなか難物で.大気科学の人にはよく知られた話だけれども,フロンガスが分解してオゾン層を破壊するかも知れない,という説が提唱されたのが1974年頃.この直後に一気に反フロン的なヒステリックな反応が起こるものの,直後に化学メーカーの大規模な反発により沈静化.まあそもそもこの時点では成層圏などの高層大気中での大気化学が十分研究されていなかったことによりフロン危険説そのものの側に十分な論拠が揃いきっていなかったこと,また大手化学メーカ各社の大規模なロビー&広報活動,さらにはたかがスプレーでそこまで危険なことには成らないんじゃないという一般的な感性が重なった事が原因.
その後,スプレー缶からは徐々にフロンが削減されるものの,それ以外の領域ではむしろ消費を拡大する状況が続く.これは大衆の側も一度熱狂したあと沈静化してしまったため興味を失ったと言うこと,また影響が出るのがどうせ数世代後だと言われていて危機感に乏しかったことが後押ししていたと言われている.この間大気化学の方は(この問題に絡み)急速に様々な実験が行われ大きな進歩を遂げるものの,結局は細々とした話になる(条件付きでの反応機構,間接的証拠の積み重ねなど)ために大衆の注意を引くことに失敗.その一方,こういった大気化学の研究結果を注視していた化学メーカー各社は,いずれフロン類は禁止になるものと推測し,表ではフロンは安全であるというロビー活動を続けながら,裏では他社を出し抜いていち早く代替物質を売り出そうと熾烈な競争に入る.
最終的に流れを一気に変えたのは,ご存じ南極におけるオゾンホールの発見.見た目にわかりやすく,しかもインパクトも大きく大衆受けしやすかったと言うこと,また,もっとゆっくりした流れだったと思われた影響が予想以上に急速に進行していたことで一気に政治問題化.世界的にフロン全廃へ突き進むこととなる.またいち早く代替フロン類の開発を成功させたデュポンがフロン禁止推進派に回ったことも大きい.
というわけで,なんだかんだ言いつつフロン類も危険性が言われ始めてから実際に大規模な禁止に走るまでには10年から十数年はかかっていますんで.ちなみに言うと,今でも「フロンは本当は悪くない.あれは科学者による一方的なでっち上げだ」と主張される方々もいらっしゃいます.小数ではありますが.彼らの主張はまあだいたい,
・フロンが危険だという直接的な証拠は発見されていない(いやまあ,そりゃ目の前でフロンが直接悪さするわけではないんで.間接証拠はいっぱいありますが)・フロンの禁止は製造メーカーの言い分も聞かず一部の科学者の思い込みで勝手に進められた(いや,企業側のロビー活動で一度ポシャってますが)・オゾンホールは局地的な自然現象であって,人為的な原因ではない(でもフロン禁止してからはゆっくりと縮小してるんですよね)・フロンを擁護する学説は学会で黙殺された!(いえ,大御所が堂々と主張されておりましたが……)
まあ後多いのは,既知の否定された仮説を持ち出して「こう考えれば説明できるのに科学者はこんな事も思いつきはしない」とか,(当たり前ですが)直接観測できない事例に関して傍証を積み上げて議論されているのに「こういった点に関しては一切実験が行われていない」とか(だから文献はちゃんと追いましょうって),そのあたりでしょうか.
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
批判よりも共存はいかが? (スコア:0)
フロンガスがオゾンを破壊する現象は、簡単に証明できるけど、
二酸化炭素が地球全体の平均気温を上げる現象の証明は、そうはいかない。
一方で「(今の気温-氷河期の気温) >> (今の気温-産業革命前の気温)」は
疑う人がいないので自然変動説は直感的には説得力があるわけで。
結局のところ懐疑論批判といっても「以上の事柄を総合的に勘案すると
地球温暖化は事実であることは疑いようが無い」みたいな、むしろ頭の悪そうな
言い方しかできんわけで、温暖化が事実であっても懐疑論を封殺するのは
不可能なんじゃないかな。
それよりも、懐疑論と付き合いながら対策を講じる道に進むほうが正しいのでは?
Re:批判よりも共存はいかが? (スコア:5, 興味深い)
>フロンガスがオゾンを破壊する現象は、簡単に証明できるけど
いや,これもまたなかなか難物で.
大気科学の人にはよく知られた話だけれども,フロンガスが分解してオゾン層を破壊するかも知れない,という説が提唱されたのが1974年頃.
この直後に一気に反フロン的なヒステリックな反応が起こるものの,直後に化学メーカーの大規模な反発により沈静化.
まあそもそもこの時点では成層圏などの高層大気中での大気化学が十分研究されていなかったことによりフロン危険説そのものの側に十分な論拠が揃いきっていなかったこと,また大手化学メーカ各社の大規模なロビー&広報活動,さらにはたかがスプレーでそこまで危険なことには成らないんじゃないという一般的な感性が重なった事が原因.
その後,スプレー缶からは徐々にフロンが削減されるものの,それ以外の領域ではむしろ消費を拡大する状況が続く.これは大衆の側も一度熱狂したあと沈静化してしまったため興味を失ったと言うこと,また影響が出るのがどうせ数世代後だと言われていて危機感に乏しかったことが後押ししていたと言われている.この間大気化学の方は(この問題に絡み)急速に様々な実験が行われ大きな進歩を遂げるものの,結局は細々とした話になる(条件付きでの反応機構,間接的証拠の積み重ねなど)ために大衆の注意を引くことに失敗.
その一方,こういった大気化学の研究結果を注視していた化学メーカー各社は,いずれフロン類は禁止になるものと推測し,表ではフロンは安全であるというロビー活動を続けながら,裏では他社を出し抜いていち早く代替物質を売り出そうと熾烈な競争に入る.
最終的に流れを一気に変えたのは,ご存じ南極におけるオゾンホールの発見.見た目にわかりやすく,しかもインパクトも大きく大衆受けしやすかったと言うこと,また,もっとゆっくりした流れだったと思われた影響が予想以上に急速に進行していたことで一気に政治問題化.
世界的にフロン全廃へ突き進むこととなる.またいち早く代替フロン類の開発を成功させたデュポンがフロン禁止推進派に回ったことも大きい.
というわけで,なんだかんだ言いつつフロン類も危険性が言われ始めてから実際に大規模な禁止に走るまでには10年から十数年はかかっていますんで.
ちなみに言うと,今でも「フロンは本当は悪くない.あれは科学者による一方的なでっち上げだ」と主張される方々もいらっしゃいます.小数ではありますが.彼らの主張はまあだいたい,
・フロンが危険だという直接的な証拠は発見されていない(いやまあ,そりゃ目の前でフロンが直接悪さするわけではないんで.間接証拠はいっぱいありますが)
・フロンの禁止は製造メーカーの言い分も聞かず一部の科学者の思い込みで勝手に進められた(いや,企業側のロビー活動で一度ポシャってますが)
・オゾンホールは局地的な自然現象であって,人為的な原因ではない(でもフロン禁止してからはゆっくりと縮小してるんですよね)
・フロンを擁護する学説は学会で黙殺された!(いえ,大御所が堂々と主張されておりましたが……)
まあ後多いのは,既知の否定された仮説を持ち出して「こう考えれば説明できるのに科学者はこんな事も思いつきはしない」とか,(当たり前ですが)直接観測できない事例に関して傍証を積み上げて議論されているのに「こういった点に関しては一切実験が行われていない」とか(だから文献はちゃんと追いましょうって),そのあたりでしょうか.