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うーんと、半分中の人なので色々ツッコミどころがあるのですが、とりあえず。
>>計算する人によって、初期条件の与え方が違うので、結果は見事に違うし、そりゃもちろん初期条件の与え方が違えば結果は違いますが、、気候予測は初期値が非常に重要な天候予測とちがって境界値問題なので、数100年積分後の平均気温の変動、なんてのを見るときには初期値はあまり重要ではありません。どれくらい太陽からエネルギーが入るか、どれくらい地球から出ていくか、の方が重要です。
もちろんその境界条件の与え方も人それぞれであれば、結果も人それぞれなんですが、現状で想定して
過去100年の昇温傾向を合理的に説明できる要因が今のところCO2以外に思いつかず、かつCO2が原因であれば、今後一層の温暖化の加速が予想され、しかし一方でCO2が原因であれば排出量規制によりある程度コントロールできる、
という事を踏まえた上で、 騒ぐ騒がないは人それぞれだと思います。政策決定において重要なのは、仮に温暖化が絶対悪(この仮定がすでに誤りである可能性も高い)だとして、人為起源CO2が原因で、それを止めれば温暖化が無くなることが確実であっても、かならずしもCO2の排出削減が最良だとは限らないという点です。
たとえば自動車による交通事故死は絶対悪、
25%削減という数字を、不用意に公言しちゃったのはまずかったとは思います。しかしだからといって、信頼性の低い情報を垂れ流して良いという理由にはならないでしょう。それどころか、現実的な削減の道程が示せずに右往左往してるのも、信頼性の低い懐疑論が流布してたことにも原因の一端があると感じているのですが。その肩を持つおつもりでしょうか。
日本がメシの種にしてきた省エネ技術でも、他国がどんどん迫ってます。「乾いた雑巾」とおっしゃいますが、「省エネはこれ以上ムリ」という意味でしょうか。私はそうとも思わないのですが(建築物の断熱とか、まだまだ遅れている分野が)…。しかしもしもこれ以上の省エネが
>削減目標を実現する方法をウルトラCの連続技でもって全力で皮算用
COPは”自国になるべく有利になるようにするビジネス的な交渉の場”なんで、そこでミスした感はありますね。今後の交渉で、ビジネス的に有利になるように押し返して頂かないと。
ただそこでミスした要因を考えていくと、そもそも日本国内で全体的に、状況認識や準備が不足してたように感じてます。メディア、経済界、政治家、学界等も含めて。たぶん特定の集団だけを責めて済むような問題じゃないけど、懐疑論はその隙につけ込んで拡がったように思います。私個人の感想ですけど。
>新築の建物はいいとしても
COPは”自国になるべく有利になるようにするビジネス的な交渉の場”なんで、そこでミスした感はありますね。
ビジネス的な観点から、日本にとって有利な状況を作るにはどうすればいいでしょうか。
たとえば、日本のインフラ製作技術を海外に売りたいとします。まずネックになるのがコストですよね。もし、すべての国が多少コスト的に割高でもCO2対策をやらなければいけない、という状況を作ることができれば、日本にとってコストという不利な点が解消され、高い技術という有利な点が残るわけです。そういう商売をやることを考えたとき、国の削減目標が
詳しく論じるには定量的な数値が要るので、あくまでも個人的感覚の範囲ですが;
概論では賛成なんですけど、あんな派手な宣言をしたわりには、得られた他国の同意が「引き合わない」という感想ですね。国内でコンセンサス取れてないので、足下を見られたように感じてます。
「あいつらきっとろくに減らせなくて、排出権たっぷり買ってくれるよな…今でもそうだし!w」と。
これで反応が無くなるってことは、切り口だけ変えてお茶を濁そうってつもりなのか。やれやれ。
でも懐疑論で現実逃避してても、問題を先送りするだけ。日本経済の変化への対応が遅れてしまい、結局は損だと思う。
意図的にこういう手口を使う人に会ったことあるけど、”俺の世代さえ生き延びればいい、後の世代のことなんか知らん”と平然と言い放ってたね。冗談でも言う気にならんわ。
#1889440 を書いたACです。
「日本経済の変化への対応が遅れてしまい、結局は損」の部分は、私はその通りだと思いますよ。懐疑論のいい加減さにも辟易してますし。s-keiさんの発言の中で、日本がビジネス的にミスしているという部分には納得がいかなかったのでコメントをつけただけです。他に s-kei さんの発言にコメントをつけたことはありません。(つーか23時半にコメントつけて翌朝9時半に「反応が無くなった」ってなんなんだよ)
得られた他国の同意が引き合わないという話ですが、日本の目標は合意が前提で、現在合意は存在していない状況です。したがって、日本が目標を守る義務はありません。それは COP16 での議論を見れば理解できると思います。現在、目標が撤回されていないのは、撤回してしまうと、動きがとまって「日本経済の変化への対応が遅れる」からでしょう。対外的に何かコミットしているからではありません。
日本に排出権を買ってもらいたい国がいるなら、まず、アメリカ、中国に圧力をかけるのに参加することですね。話はそれからですよ。
む、もし本当に違っていたら済みません。この手のお茶濁しはあちこちで出くわしてるので、マジで区別つかんです。
それはともかく、真面目に議論して頂けるなら嬉しいですね。
とにかく大きめの数字を出して、世界を引っ張ろうという考え自体は買ってます。ただ排出量の削減って、資金は一気には用意できませんし、人や産業もあんまり急激な変化にはついてこれない。だから、「なるべく多くの人が付いて来れて、かつ遅すぎない変化の速さ」を見極める必要がありますよね。
でもアメリカや中国をなるべくスムーズに参加させようと思ったら、たぶんあのタイミングでは先走りすぎだったんじゃないかと感じてます。後知恵な意見ですが、例えば欧州のように「世界でここまで進んだら15%、ここまで進んだら25%」のような言い方もあったと思うのです。「ビジネス的にミス」というのは、私のそういう感想に基づくものです(個人的印象に過ぎませんが)。事前の根回し不足、という言葉が近いです。
# そこで懐疑論が無ければ、もっと多くの人が排出量削減の必然性や国内への影響、新しいビジネスの可能性を、もっと正確に把握できたでしょうね。# それはどんな形にせよ、日本にとっての利益になったはずだと思うのです。# だからCOPでの交渉結果を嘆くだけならまだしも、懐疑論を擁護する流れでそれを言うのはどんだけアホやねん、というのが私が(別の)AC氏に噛みついた理由。
----------ここまではもう、過ぎた話。じゃあどうするか、という話に進みましょう。
>日本の目標は合意が前提で、現在合意は存在していない状況です
そこは私も同意します。しかしたぶん、他国はそう取らない(ちうか意図的に無視してくる)のではないでしょうか。「あんたら25%って言ってたんちゃうんかいゴラァ」と宣伝を仕掛けてくる国もあるでしょう。そりゃもう日本国内と一緒で、屁理屈でも何でも言う人達はきっと出てくるでしょう。後先考えずに。それに対する布石は、今のうちに打つ必要があると思います。
・「排出権買って欲しかったら…」というカードを活用すべき、というのは強く賛成します。 ただ公の場であまりそれをちらつかせると、ネガティブな宣伝に使われる可能性が高いのではないでしょうか。
・かといって「25%」をこの段階でいきなり取り下げちゃうと、やっぱりこれも外交上不利になるかと思います。 せっかく条件を付けてあるのだから、慌てて下げない方が得なのでは。
対応方針は、素人考えになりますが、、 外交面では、手間は掛かりますが、2国間交渉を地道に重ねていくのが効果的なのではないでしょうか。それも、途上国中心に。というか、既に始めてるようにも見えますが。
そのような交渉の際、軍事力や兵器がカードに無く、後ろ盾のアメリカもガタガタで、お金も心許ない日本が使えるカードは、民生用の技術が中心になるのでは。 それも相手国によって、色んな技術をセットで売り込まないといけないのでは。その国の将来の産業の発展やエネルギー安全保障や低炭素化を、極力担保する形で。
# そこでよりによってその残ったカードを屁理屈でdisるような連中を擁護してどーすんだ、と該当者に声を大にして言いたい。
内政面では、やはり排出量を減らせるところから減らすしか無いでしょう。
どのみち、いつかはやらないといけないはずです。15%も25%も、半減も。少なくとも、そう見るのが最も自然な予測と言えます。 その認識が出来てない経営者や意志決定者の方々は、それを理由にした問責のリスクを抱え込んでいるでしょう。情報の分析能力に問題あり、ということで…。
それも本気で頑張らないと、他国の追撃を振り切るのは難しいのではないでしょうか。電気自動車や蓄電池を例に挙げるまでもなく。 本気で産業を育てて国外からも投資を呼び込まない限り、投資の回復は遅いままで、若者の雇用も厳しいままなのではないでしょうか。 一方、排出量削減は国際的にも強く推奨されていることでもありますので、多少の保護主義的な政策(助成等)は大目に見て貰える状況です。 やり過ぎるとカナダのように日本に訴えられたり、中国のようにアメリカに訴えられたりしかねません。また、チキンレースのような側面もあります。 でもその状況を活用し、産業を育てている例は既にたくさんあります。ここで日本だけが出遅れれば、経済的にも不利になるだけでしょう。
ところがここまで来ると、話が温暖化対策だけに収まらなくなるんですよね。 少なくとも日本やアメリカにとっては、力を付けてきた新興国とどう付き合っていくか、彼らの速さにどう対応するのか、という問題が大きいように見えます。 温暖化への対処は、もうその一部でしかないかも知れません。
成長率で日本は新興国に敵いませんから、企業は基本的に海外進出しないと生き残れないはず。国内が空洞化すると言っても、企業は生き残り優先でしょう。 じゃあ日本という国に残された人はどうするかというと、次々に新しいメシの種を生み出し続けるしかないのではないでしょうか。 もちろん、少子高齢化、ゆとり教育、高いエネルギー価格と飛び抜けて低い自給率、硬直して遅い意志決定、弱い情報収集・分析体制、変革が苦手な国民性、財政も火の車、問題は山積ですよ。 それでも、そういう構造問題をひたすら先送りにしてきて行き詰まってるのが、現状の日本でしょう。それら構造問題に向き合わざるをえない所まで、追い詰められているように見えます。 どれだけ面倒でも、大変でも、変革を進めていくしかないように思います。
# で、そういう構造問題から目をそらしたいがために、懐疑論なんか使うな、と。科学者に八つ当たりしてんじゃねぇ、と。
そんな感じです。いじょ。
実際のところ、意見にはあまり違いがないと思います。「これからどうするか」の部分は特に。違いがあるとしたら、COP16 の評価なんじゃないかという気がします。
COP16 のやりとりに関しては日経BPの記事 [nikkeibp.co.jp]あたりにも書いてあります。日本が頑張ることができたのは、シンプルに高い目標とその条件を言いつつ、実際に金を出していることだったと思います。「世界でここまで進んだら15%、ここまで進んだら25%」という言い方だと、もちろん言い方にもよるのですが、「京都議定書延長が、15%を認める条件に適合してるだろ」、みたいな言われ方に持っていかれかねなかった。
それに、日本は、昔、基準年を2005年にして削減量を大目に見せるとかせこいことをやろうとしていたという負の実績があるので、それを払拭するためにも、主張内容はシンプルにしておいたほうが良いという認識です。
>「京都議定書延長が、15%を認める条件に適合してるだろ」、みたいな言われ方に
あーチクショウ、そういうリスクもありますね。それは嫌すぎますね。(--;いいかげんに全部の国を揃えたいのは誰しも意見が一致する所だけど、そうするとあの時点で出来ることは限られそうですね。
まぁいずれにせよ、状況をなるべく正確に把握して、普段から地道に個別交渉重ねておかないといけないのは確かでしょうけど。回り道に見えて、結局はそれが一番の近道と思います。
しかし、ネットで匿名同士でここまで議論できたのは初めてですわ。下手な長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
温暖化はそんなに悪いことじゃない (スコア:0)
北極と南極の報道否定(暖かくなると南極の氷が増える等)、常識の再確認からはじまります。
武田邦彦 『現代のコペルニクス』 #4 [theatertv.co.jp]
Re: (スコア:0)
計算する人によって、初期条件の与え方が違うので、結果は見事に違うし、
途中で、計算を止めて条件を与え直しながら計算を進めないと、どこかに行ってしまうし、
火山の噴火(寒冷化に影響)や太平洋の10年周期振動のような
よく分からないものは計算から排除。
この程度のモデル計算を信じる人がいるのが不思議。
Re: (スコア:4, すばらしい洞察)
うーんと、半分中の人なので色々ツッコミどころがあるのですが、とりあえず。
>>計算する人によって、初期条件の与え方が違うので、結果は見事に違うし、
そりゃもちろん初期条件の与え方が違えば結果は違いますが、、
気候予測は初期値が非常に重要な天候予測とちがって境界値問題なので、
数100年積分後の平均気温の変動、なんてのを見るときには初期値はあまり重要ではありません。
どれくらい太陽からエネルギーが入るか、どれくらい地球から出ていくか、の方が重要です。
もちろんその境界条件の与え方も人それぞれであれば、結果も人それぞれなんですが、
現状で想定して
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:2, 興味深い)
過去100年の昇温傾向を合理的に説明できる要因が今のところCO2以外に思いつかず、
かつCO2が原因であれば、今後一層の温暖化の加速が予想され、
しかし一方でCO2が原因であれば排出量規制によりある程度コントロールできる、
という事を踏まえた上で、 騒ぐ騒がないは人それぞれだと思います。
政策決定において重要なのは、仮に温暖化が絶対悪(この仮定がすでに誤りである可能性も高い)だとして、
人為起源CO2が原因で、それを止めれば温暖化が無くなることが確実であっても、
かならずしもCO2の排出削減が最良だとは限らないという点です。
たとえば自動車による交通事故死は絶対悪、
Re: (スコア:0)
> 利用されておかしなことになっているのは否定できず、温暖化をうさんくさく思っている人は
> そこに嫌悪感を抱いているのでしょうが
それもありますが、CO2排出大国(環境汚染大国)のツートップである米国と中国にやる気が見られないのに、乾いた雑巾を絞るかのごとくCO2排出削減に取り組んできた日本が、さらに莫大なコストをかけて削減に取り組むという構図にバカバカしさを感じます。
そりゃあ他国から見れば大喝采でしょう。日本は工業生産を抑制します!工場は他国に移転します!排出権も買います!とわざわざ宣言してる訳ですから。
Re: (スコア:1)
25%削減という数字を、不用意に公言しちゃったのはまずかったとは思います。しかしだからといって、信頼性の低い情報を垂れ流して良いという理由にはならないでしょう。
それどころか、現実的な削減の道程が示せずに右往左往してるのも、信頼性の低い懐疑論が流布してたことにも原因の一端があると感じているのですが。その肩を持つおつもりでしょうか。
日本がメシの種にしてきた省エネ技術でも、他国がどんどん迫ってます。
「乾いた雑巾」とおっしゃいますが、「省エネはこれ以上ムリ」という意味でしょうか。私はそうとも思わないのですが(建築物の断熱とか、まだまだ遅れている分野が)…。
しかしもしもこれ以上の省エネが
Re: (スコア:0)
政府の諮問機関が、非現実的なファンタジーのような削減プランを提言してるわけで、
彼らは懐疑論に振り回されることなく、上から言われた削減目標を実現する方法をウルトラCの連続技でもって全力で皮算用してるんですよ。
> 建築物の断熱とか、まだまだ遅れている分野が
新築の建物はいいとしても、既存の建物を改修するには、膨大なコストがかかります。
日本中の建物を省エネ設計で建て直すくらいの取り組みをしなければ、技術はあるけど結果が出せないってことになります。
Re: (スコア:1)
>削減目標を実現する方法をウルトラCの連続技でもって全力で皮算用
COPは”自国になるべく有利になるようにするビジネス的な交渉の場”なんで、そこでミスした感はありますね。
今後の交渉で、ビジネス的に有利になるように押し返して頂かないと。
ただそこでミスした要因を考えていくと、そもそも日本国内で全体的に、状況認識や準備が不足してたように感じてます。メディア、経済界、政治家、学界等も含めて。
たぶん特定の集団だけを責めて済むような問題じゃないけど、懐疑論はその隙につけ込んで拡がったように思います。私個人の感想ですけど。
>新築の建物はいいとしても
Re: (スコア:0)
ビジネス的な観点から、日本にとって有利な状況を作るにはどうすればいいでしょうか。
たとえば、日本のインフラ製作技術を海外に売りたいとします。まずネックになるのがコストですよね。もし、すべての国が多少コスト的に割高でもCO2対策をやらなければいけない、という状況を作ることができれば、日本にとってコストという不利な点が解消され、高い技術という有利な点が残るわけです。そういう商売をやることを考えたとき、国の削減目標が
Re:温暖化はそんなに悪いことじゃない (スコア:1)
詳しく論じるには定量的な数値が要るので、あくまでも個人的感覚の範囲ですが;
概論では賛成なんですけど、あんな派手な宣言をしたわりには、得られた他国の同意が「引き合わない」という感想ですね。
国内でコンセンサス取れてないので、足下を見られたように感じてます。
「あいつらきっとろくに減らせなくて、排出権たっぷり買ってくれるよな…今でもそうだし!w」と。
Re:温暖化はそんなに悪いことじゃない (スコア:1)
これで反応が無くなるってことは、切り口だけ変えてお茶を濁そうってつもりなのか。やれやれ。
でも懐疑論で現実逃避してても、問題を先送りするだけ。
日本経済の変化への対応が遅れてしまい、結局は損だと思う。
意図的にこういう手口を使う人に会ったことあるけど、”俺の世代さえ生き延びればいい、後の世代のことなんか知らん”と平然と言い放ってたね。
冗談でも言う気にならんわ。
Re: (スコア:0)
#1889440 を書いたACです。
「日本経済の変化への対応が遅れてしまい、結局は損」の部分は、私はその通りだと思いますよ。懐疑論のいい加減さにも辟易してますし。s-keiさんの発言の中で、日本がビジネス的にミスしているという部分には納得がいかなかったのでコメントをつけただけです。他に s-kei さんの発言にコメントをつけたことはありません。(つーか23時半にコメントつけて翌朝9時半に「反応が無くなった」ってなんなんだよ)
得られた他国の同意が引き合わないという話ですが、日本の目標は合意が前提で、現在合意は存在していない状況です。したがって、日本が目標を守る義務はありません。それは COP16 での議論を見れば理解できると思います。現在、目標が撤回されていないのは、撤回してしまうと、動きがとまって「日本経済の変化への対応が遅れる」からでしょう。対外的に何かコミットしているからではありません。
日本に排出権を買ってもらいたい国がいるなら、まず、アメリカ、中国に圧力をかけるのに参加することですね。話はそれからですよ。
Re:温暖化はそんなに悪いことじゃない (スコア:1)
む、もし本当に違っていたら済みません。この手のお茶濁しはあちこちで出くわしてるので、マジで区別つかんです。
それはともかく、真面目に議論して頂けるなら嬉しいですね。
とにかく大きめの数字を出して、世界を引っ張ろうという考え自体は買ってます。
ただ排出量の削減って、資金は一気には用意できませんし、人や産業もあんまり急激な変化にはついてこれない。
だから、「なるべく多くの人が付いて来れて、かつ遅すぎない変化の速さ」を見極める必要がありますよね。
でもアメリカや中国をなるべくスムーズに参加させようと思ったら、たぶんあのタイミングでは先走りすぎだったんじゃないかと感じてます。
後知恵な意見ですが、例えば欧州のように「世界でここまで進んだら15%、ここまで進んだら25%」のような言い方もあったと思うのです。
「ビジネス的にミス」というのは、私のそういう感想に基づくものです(個人的印象に過ぎませんが)。事前の根回し不足、という言葉が近いです。
# そこで懐疑論が無ければ、もっと多くの人が排出量削減の必然性や国内への影響、新しいビジネスの可能性を、もっと正確に把握できたでしょうね。
# それはどんな形にせよ、日本にとっての利益になったはずだと思うのです。
# だからCOPでの交渉結果を嘆くだけならまだしも、懐疑論を擁護する流れでそれを言うのはどんだけアホやねん、というのが私が(別の)AC氏に噛みついた理由。
----------
ここまではもう、過ぎた話。
じゃあどうするか、という話に進みましょう。
>日本の目標は合意が前提で、現在合意は存在していない状況です
そこは私も同意します。しかしたぶん、他国はそう取らない(ちうか意図的に無視してくる)のではないでしょうか。
「あんたら25%って言ってたんちゃうんかいゴラァ」と宣伝を仕掛けてくる国もあるでしょう。
そりゃもう日本国内と一緒で、屁理屈でも何でも言う人達はきっと出てくるでしょう。後先考えずに。
それに対する布石は、今のうちに打つ必要があると思います。
・「排出権買って欲しかったら…」というカードを活用すべき、というのは強く賛成します。
ただ公の場であまりそれをちらつかせると、ネガティブな宣伝に使われる可能性が高いのではないでしょうか。
・かといって「25%」をこの段階でいきなり取り下げちゃうと、やっぱりこれも外交上不利になるかと思います。
せっかく条件を付けてあるのだから、慌てて下げない方が得なのでは。
対応方針は、素人考えになりますが、、
外交面では、手間は掛かりますが、2国間交渉を地道に重ねていくのが効果的なのではないでしょうか。それも、途上国中心に。というか、既に始めてるようにも見えますが。
そのような交渉の際、軍事力や兵器がカードに無く、後ろ盾のアメリカもガタガタで、お金も心許ない日本が使えるカードは、民生用の技術が中心になるのでは。
それも相手国によって、色んな技術をセットで売り込まないといけないのでは。その国の将来の産業の発展やエネルギー安全保障や低炭素化を、極力担保する形で。
# そこでよりによってその残ったカードを屁理屈でdisるような連中を擁護してどーすんだ、と該当者に声を大にして言いたい。
内政面では、やはり排出量を減らせるところから減らすしか無いでしょう。
どのみち、いつかはやらないといけないはずです。15%も25%も、半減も。少なくとも、そう見るのが最も自然な予測と言えます。
その認識が出来てない経営者や意志決定者の方々は、それを理由にした問責のリスクを抱え込んでいるでしょう。情報の分析能力に問題あり、ということで…。
それも本気で頑張らないと、他国の追撃を振り切るのは難しいのではないでしょうか。電気自動車や蓄電池を例に挙げるまでもなく。
本気で産業を育てて国外からも投資を呼び込まない限り、投資の回復は遅いままで、若者の雇用も厳しいままなのではないでしょうか。
一方、排出量削減は国際的にも強く推奨されていることでもありますので、多少の保護主義的な政策(助成等)は大目に見て貰える状況です。
やり過ぎるとカナダのように日本に訴えられたり、中国のようにアメリカに訴えられたりしかねません。また、チキンレースのような側面もあります。
でもその状況を活用し、産業を育てている例は既にたくさんあります。ここで日本だけが出遅れれば、経済的にも不利になるだけでしょう。
ところがここまで来ると、話が温暖化対策だけに収まらなくなるんですよね。
少なくとも日本やアメリカにとっては、力を付けてきた新興国とどう付き合っていくか、彼らの速さにどう対応するのか、という問題が大きいように見えます。
温暖化への対処は、もうその一部でしかないかも知れません。
成長率で日本は新興国に敵いませんから、企業は基本的に海外進出しないと生き残れないはず。国内が空洞化すると言っても、企業は生き残り優先でしょう。
じゃあ日本という国に残された人はどうするかというと、次々に新しいメシの種を生み出し続けるしかないのではないでしょうか。
もちろん、少子高齢化、ゆとり教育、高いエネルギー価格と飛び抜けて低い自給率、硬直して遅い意志決定、弱い情報収集・分析体制、変革が苦手な国民性、財政も火の車、問題は山積ですよ。
それでも、そういう構造問題をひたすら先送りにしてきて行き詰まってるのが、現状の日本でしょう。それら構造問題に向き合わざるをえない所まで、追い詰められているように見えます。
どれだけ面倒でも、大変でも、変革を進めていくしかないように思います。
# で、そういう構造問題から目をそらしたいがために、懐疑論なんか使うな、と。科学者に八つ当たりしてんじゃねぇ、と。
そんな感じです。いじょ。
Re: (スコア:0)
実際のところ、意見にはあまり違いがないと思います。「これからどうするか」の部分は特に。違いがあるとしたら、COP16 の評価なんじゃないかという気がします。
COP16 のやりとりに関しては日経BPの記事 [nikkeibp.co.jp]あたりにも書いてあります。日本が頑張ることができたのは、シンプルに高い目標とその条件を言いつつ、実際に金を出していることだったと思います。「世界でここまで進んだら15%、ここまで進んだら25%」という言い方だと、もちろん言い方にもよるのですが、「京都議定書延長が、15%を認める条件に適合してるだろ」、みたいな言われ方に持っていかれかねなかった。
それに、日本は、昔、基準年を2005年にして削減量を大目に見せるとかせこいことをやろうとしていたという負の実績があるので、それを払拭するためにも、主張内容はシンプルにしておいたほうが良いという認識です。
Re:温暖化はそんなに悪いことじゃない (スコア:1)
>「京都議定書延長が、15%を認める条件に適合してるだろ」、みたいな言われ方に
あーチクショウ、そういうリスクもありますね。それは嫌すぎますね。(--;
いいかげんに全部の国を揃えたいのは誰しも意見が一致する所だけど、そうするとあの時点で出来ることは限られそうですね。
まぁいずれにせよ、状況をなるべく正確に把握して、普段から地道に個別交渉重ねておかないといけないのは確かでしょうけど。
回り道に見えて、結局はそれが一番の近道と思います。
しかし、ネットで匿名同士でここまで議論できたのは初めてですわ。下手な長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。