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アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]
補足資料として。バイオマスや地熱は適当な資料を知りませんので、ご存じの方にお任せします。
・風力 ・IEAによる2015年の見通し(Figure ES.2) [iea.org]…化石燃料と同じぐらいになると見ています。 ・風力は一番出力変動が激しいのですが、それでも系統安定化費用込みでも、普及費用がペイする [energy.gov](再掲)と見られてます。
・太陽光 ・ドイツ銀行による見通し(2枚目) [slideshare.net]…2015年ごろから、条件の良い地域(西南部)で系統電力コストを下回り始めると見られます。 ・参考までに、欧州での見通し(Figure 4) [europa.eu]。やはり2015年ごろから、10ユーロセント/kWhを切る
うーん。具体的なコストを記した資料のご呈示が無いので、なんとも。私が紹介した資料には、日本の場合におけるデータも含まれてます。また日本のコストや資源量を考慮した上でドイツ同様のことができるはず、という試算結果も含まれています。
>たとえば風力発電所の設置コストを日欧で比較すると、>欧州 < 日本
ご紹介したIEAの資料には米国だけじゃなくて、欧州も日本(JPN)も入ってます [iea.org]。同じES.2の図に。欧州よりもむしろ日本の方が安い見通しになっています。ただしこの資料は日本における風力コストに幅が無いなど、不自然な点もあります(たぶん調査不足?)。
しかし2つ上の親コメントにて紹介した環境省による普及費用と便益の試算例 [env.go.jp]では、こういう日本におけるコストを考慮した資源量調査 [env.go.jp]に基づいています。またその上で、ドイツ同様に経済効果も得ることは可能との結論を出しています。
今の家庭用の太陽光でいうと、助成が国全体で数百億円規模で、その代わりに製造した太陽電池は半分以上輸出 [jpea.gr.jp]、国内関連産業も1兆円近くになってて [oitda.or.jp]、良く晴れた昼頃なら例えば原発3基分ぐらい発電してピーク緩和してるはず(下記で補足)、今後年を追って助成費用も市場規模も増える見込み…という感じです。
たくさんの資料(特に環境省の資料はそれぞれ量が多くて凶悪…)を出して恐縮ですが、ご検討頂ければ幸いです。
# 日本における太陽光の最大出力の補足:2009年末で2.5GWp [iea-pvps.org]で、その後2011年4月までに1.3GWp導入されてる [jpea.gr.jp]ので、現時点での導入量は約4GWp。晴れのときの出力は定格の7~8割ぐらい(出力係数)として、最大3GW(300万kW)ぐらいの出力。
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:5, すばらしい洞察)
そうなると、やはり砂漠もなく耕作放棄地全部作付けしても食料の自給すらままならない(バイオマスを栽培するにも水+肥料+農地は必要)、地形や気象も厳しくバラエティーに富む日本ではさらに難しいでしょう。
とはいえ、日本は石油も食料も何かの産業で稼いだ外貨で買わなければならず、天然資源も乏しく、CO2削減要求を跳ね返したり産油国にちょっかいを出す国際発言力や軍事力もない以上、アメリカみたいに無節操に価格上昇傾向の化石燃料にも頼れませんし、ヨーロッパみたいに電力の輸入もできません。
そしてこのアメリカでの結果は日本に対して、今までの経済を維持するために原発を推進するのか、激痛レベルの改革(産業構造や都市構造、国家のあり方など)と国家規模の縮小(人口の削減や広がりすぎた郊外やインフラの整理)の選択という「進むも地獄引くも地獄」な選択を突きつけている記事のような気がします。
Re: (スコア:5, 参考になる)
アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。
少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。
・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。
・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]
米国での風力・太陽光のコスト見通し (スコア:3, 参考になる)
補足資料として。バイオマスや地熱は適当な資料を知りませんので、ご存じの方にお任せします。
・風力
・IEAによる2015年の見通し(Figure ES.2) [iea.org]…化石燃料と同じぐらいになると見ています。
・風力は一番出力変動が激しいのですが、それでも系統安定化費用込みでも、普及費用がペイする [energy.gov](再掲)と見られてます。
・太陽光
・ドイツ銀行による見通し(2枚目) [slideshare.net]…2015年ごろから、条件の良い地域(西南部)で系統電力コストを下回り始めると見られます。
・参考までに、欧州での見通し(Figure 4) [europa.eu]。やはり2015年ごろから、10ユーロセント/kWhを切る
Re:米国での風力・太陽光のコスト見通し (スコア:0)
たとえば風力発電所の設置コストを日欧で比較すると、
欧州 < 日本
なんです。
風車を量産すれば日本だって安くなるという人がいますが、欧州と日本での風車の価格は、さほど違いません。
なにしろ、日本で作った風車を欧州に輸出したり、欧州で作った風車を日本に輸入したりしてますからね。
設置コストの内訳を見て行くと、
欧州での風車価格 + 欧州での設置工事費 < 日本での風車価格+ 日本での設置工事費
なのですが、さらに、
欧州での風車価格 + 欧州での設置工事費 < 日本での設置工事費
なんです。
つまり、たとえ風車がタダになっても、日本ではコストが高いんですね。
やはり風車を量産せよという意見は、的外れであります。
では設置工事費を安くすればいいかというと、それが難しい。
日本と欧州では、風車を設置する場所の地形や付近の住宅などの条件、ウィンドファームの規模などが違うんです。
欧州のような低コストのウィンドファームを作ろうとすると、日本では場所がない、ということになります。
こう言うと、洋上風力があるじゃないかと言う人もいますが、やはりこれも欧州と日本では違います。
欧州の洋上風力は遠浅の場所で、海底の基礎の上に作る方式ですが、
日本の沿岸はすぐに水深が深くなるので、浮体の上に作る方式になりますので、コストがかさみます。
こう言うと、風レンズ風車があるじゃないかという人が出てくるのですが、
風レンズでコストが大きく改善するなら、日本の陸上でも欧州でも、風レンズ風車が主流になっているでしょう。
現状のサイズだと、風車に風レンズを付けるコストで、風レンズの代わりに風車を大型化したほうが、効率がいいんです。
また、風車が大型化すればするほど、風レンズのコストは跳ね上がっていきますから、当分は出番がないでしょう。
・・・といった感じで、海外の先行事例などの、おいしい部分だけつまんで紹介して、日本でも同じことができるというのは、ちょっと困りものです。
Re:米国での風力・太陽光のコスト見通し (スコア:1)
うーん。具体的なコストを記した資料のご呈示が無いので、なんとも。
私が紹介した資料には、日本の場合におけるデータも含まれてます。また日本のコストや資源量を考慮した上でドイツ同様のことができるはず、という試算結果も含まれています。
>たとえば風力発電所の設置コストを日欧で比較すると、
>欧州 < 日本
ご紹介したIEAの資料には米国だけじゃなくて、欧州も日本(JPN)も入ってます [iea.org]。同じES.2の図に。
欧州よりもむしろ日本の方が安い見通しになっています。ただしこの資料は日本における風力コストに幅が無いなど、不自然な点もあります(たぶん調査不足?)。
しかし2つ上の親コメントにて紹介した環境省による普及費用と便益の試算例 [env.go.jp]では、こういう日本におけるコストを考慮した資源量調査 [env.go.jp]に基づいています。またその上で、ドイツ同様に経済効果も得ることは可能との結論を出しています。
今の家庭用の太陽光でいうと、助成が国全体で数百億円規模で、その代わりに製造した太陽電池は半分以上輸出 [jpea.gr.jp]、国内関連産業も1兆円近くになってて [oitda.or.jp]、良く晴れた昼頃なら例えば原発3基分ぐらい発電してピーク緩和してるはず(下記で補足)、今後年を追って助成費用も市場規模も増える見込み…という感じです。
たくさんの資料(特に環境省の資料はそれぞれ量が多くて凶悪…)を出して恐縮ですが、ご検討頂ければ幸いです。
# 日本における太陽光の最大出力の補足:2009年末で2.5GWp [iea-pvps.org]で、その後2011年4月までに1.3GWp導入されてる [jpea.gr.jp]ので、現時点での導入量は約4GWp。晴れのときの出力は定格の7~8割ぐらい(出力係数)として、最大3GW(300万kW)ぐらいの出力。