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月の起源を説明するジャイアントインパクト説では、今回の小惑星と同じ太陽~地球系のL4またはL5で形成された火星大の天体が、這い寄る混沌的軌道(Chaotic Creeping Orbits)を描いて原始地球に衝突し、現在の地球と月を形成したとする説がありますね。arXiv (PDF) [arxiv.org]
すると今回の小惑星もいずれは地球に…!? がくがくぶるぶる。
まあ、当面は現在の位置関係で安定しているようではありますが。
>L4やL5の位置にスペースコロニーを建設しようとしたとき障害になる可能性があるのか
この小惑星は太陽と地球のL4,L5であって、スペースコロニーを作ろうと考えている人がいるのは地球と月のL4,L5ですのでこれとは無関係です。
で、ちょいと気になったのが>地球からの距離は約 8000 万 km
太陽-地球のL4点ということは、地球と同じ公転軌道を60度先行して太陽の周りを回ってるってことですよね。だったら地球と太陽とこの小惑星でそれぞれ角度60度の正三角形を構成するわけで、だったら地球とこの小惑星の距離も(地球-太陽の距離と等しい)1億5000万kmじゃないの?
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/64625001.html [yahoo.co.jp]
L4というラグランジュ点は、地球から見るとこ公転軌道上の先にある。ただ、2010TK7の軌道(2011年)の図を見れば明らかなように、L4の厳密な位置にとどまっているのではなく、L4を周回している。周回しながら地球に近づいたり、そして遠ざかったりしているが、今のところは安定した軌道ということで、地球に急接近することはないようだ。また、地球の公転軌道面に対して、約21度の傾きがあり、特異的な小惑星と言えるだろう。
現在なのか軌道を計算した日時なのかは知らないけど、ちょうど地球に近いところに位置していたから8000万kmだということらしい。
L3とL4の間を周回しているようです。
L3に近づいていると、太陽に近づくことになるので発見しにくい。今回は地球に近づいた位置で、太陽から離れたので発見された。ということかな。
WISE(NASAの赤外観測衛星)による観測で見つかってます.
衛星からの観測では,地上からの観測のように大気による光の散乱がないため,直接太陽の方向を向かない限り太陽の影響はそれほどありません.そのため,地上からだと太陽に近い方角(=昼間にしか観測できない天体)であっても,衛星からだと観測が可能になるわけです.(地上からだと,太陽の方向を直接向いていなくても,昼に相当する領域全体が太陽光の散乱で明るくなり観測できない)その一方,衛星はどうしても観測器機の口径が小さくなりがちだったりで絶対的な感度は落ち気味で,暗い天体(小惑星など)は見つけにくくなってしまいます.もちろん露光時間を長くすると言うことは出来るのですが,その場合は(単位時間あたりの)観測範囲が狭くなってしまいます.
WISEはそういった近傍にある暗い天体を見つける事に(も)適した高感度の赤外観測器機を搭載しており,地球近傍の小惑星の発見などもその目的の一つとして運用されています.高感度のカメラで高速に撮影することで,広い範囲で暗い天体を発見することが可能となり,多くの小惑星が発見できると考えられているわけです.
以前ここでも取り上げられた,小惑星発見の歴史の動画http://srad.jp/idle/article.pl?sid=10/08/30/0039203 [srad.jp]を見ていただくとわかりますが,通常の観測で発見されているのは地球の裏側(夜の側)に小惑星が来た場合です.そのため,今回のように地球の裏に回り込まない軌道の小惑星の発見は困難でした.一方,動画の最後の部分で変な方向に猛烈な勢いで小惑星を発見しているのがWISEによる観測です.前述の大気の散乱(昼)による観測の制限がないので,非常に広い範囲で小惑星を発見できます.
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人
セカンドインパクター (スコア:2)
月の起源を説明するジャイアントインパクト説では、今回の小惑星と同じ太陽~地球系のL4またはL5で形成された火星大の天体が、這い寄る混沌的軌道(Chaotic Creeping Orbits)を描いて原始地球に衝突し、現在の地球と月を形成したとする説がありますね。arXiv (PDF) [arxiv.org]
すると今回の小惑星もいずれは地球に…!? がくがくぶるぶる。
まあ、当面は現在の位置関係で安定しているようではありますが。
Re: (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:0)
>L4やL5の位置にスペースコロニーを建設しようとしたとき障害になる可能性があるのか
この小惑星は太陽と地球のL4,L5であって、スペースコロニーを作ろうと考えている人がいるのは地球と月のL4,L5ですのでこれとは無関係です。
で、ちょいと気になったのが
>地球からの距離は約 8000 万 km
太陽-地球のL4点ということは、地球と同じ公転軌道を60度先行して太陽の周りを回ってるってことですよね。
だったら地球と太陽とこの小惑星でそれぞれ角度60度の正三角形を構成するわけで、だったら地球とこの小惑星の距離も(地球-太陽の距離と等しい)1億5000万kmじゃないの?
L4にじっとしているわけではない (スコア:0)
http://blogs.yahoo.co.jp/marburg_aromatics_chem/64625001.html [yahoo.co.jp]
現在なのか軌道を計算した日時なのかは知らないけど、ちょうど地球に近いところに位置していたから8000万kmだということらしい。
Re: (スコア:0)
L3とL4の間を周回しているようです。
L3に近づいていると、太陽に近づくことになるので発見しにくい。
今回は地球に近づいた位置で、太陽から離れたので発見された。
ということかな。
Re:L4にじっとしているわけではない (スコア:3, 参考になる)
WISE(NASAの赤外観測衛星)による観測で見つかってます.
衛星からの観測では,地上からの観測のように大気による光の散乱がないため,直接太陽の方向を向かない限り太陽の影響はそれほどありません.そのため,地上からだと太陽に近い方角(=昼間にしか観測できない天体)であっても,衛星からだと観測が可能になるわけです.
(地上からだと,太陽の方向を直接向いていなくても,昼に相当する領域全体が太陽光の散乱で明るくなり観測できない)
その一方,衛星はどうしても観測器機の口径が小さくなりがちだったりで絶対的な感度は落ち気味で,暗い天体(小惑星など)は見つけにくくなってしまいます.もちろん露光時間を長くすると言うことは出来るのですが,その場合は(単位時間あたりの)観測範囲が狭くなってしまいます.
WISEはそういった近傍にある暗い天体を見つける事に(も)適した高感度の赤外観測器機を搭載しており,地球近傍の小惑星の発見などもその目的の一つとして運用されています.高感度のカメラで高速に撮影することで,広い範囲で暗い天体を発見することが可能となり,多くの小惑星が発見できると考えられているわけです.
以前ここでも取り上げられた,小惑星発見の歴史の動画
http://srad.jp/idle/article.pl?sid=10/08/30/0039203 [srad.jp]
を見ていただくとわかりますが,通常の観測で発見されているのは地球の裏側(夜の側)に小惑星が来た場合です.そのため,今回のように地球の裏に回り込まない軌道の小惑星の発見は困難でした.
一方,動画の最後の部分で変な方向に猛烈な勢いで小惑星を発見しているのがWISEによる観測です.前述の大気の散乱(昼)による観測の制限がないので,非常に広い範囲で小惑星を発見できます.