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この20年位で、米国の特許制度は大きく変わりました。特許付与後17年という権利期間から出願日から20年に転換し、出願公開制度(未だ不完全ですが)が導入され、そして先願主義への移行です。国を跨ぐ特許出願においては、サブマリンの問題は生じ得なくなりました。法的安定性が強化され、訴訟のリスクが低減しました。業界内でも「やっと変わったね」という意見が大勢です。
実は、先願主義だけではなく、もっと注目すべき改正項目があります。それは、特許付与後の異議申立て制度の導入です。これはかつて日本が廃止した制度です。第三者審査の機会を設けて、特許の法的安定性を強化する意図があります。これを機に、日本でも異議申立て制度を復活して欲しいと強く願う次第です。
制度廃止にいたるくらいですから当時なにか問題点があったんだと思いますが、現在は制度復活しても問題ない状況なんでしょうか?
日本の無効審判は何人たりとも起こせますので形式上は異議制度の代替となっています。まあ当事者系になるので事実上利害関係者のみとなってはいますが。※異議制度だと査定系なので圧倒的に楽。
付与後異議が廃止されたのは重要と思われる特許にほぼ同じ証拠で異議と無効が繰り返し行われることで権利の安定性が損なわれる=プロパテントに逆行、ということでしたが気軽に申し立てができないため、未だに異議制度の復活を望む声は多いですね。
残念ながら、当事者系裁判で特104条の3(特許無効の抗弁:一太郎訴訟の知財高裁等が著名)が多用されるようになり、特許の法的安定性が損なわれているのが現状です。この、不安定化した権利を安定化させるには、特許庁の審査だけでは限界があると思います。実質的に匿名で申立ができる、第三者による審査を導入することが、最も迅速な解決策だと思いますし、またそのように考える人も(特に企業知財部)存在します。
情報提供では足りませんか?
全く足りません。情報提供制度は、その名の通り、情報を提供するだけの制度です。審査期間中は有効に活用されるでしょうが、膨大な特許出願の中から企業活動に影響を及ぼす可能性のあるものを探すことは大変なコストを必要とします。特許庁の実体審査で絞りこまれた上で対象特許を見つけるのとでは、必要とする労力が雲泥の差です。
特許付与後の情報提供制度もあります [jpo.go.jp]が、情報提供の記録が残るだけであり、その提供された情報(無効資料)が有効か否か、特許の有効性を確認するには、結局のところ無効審判を請求せざるを得ません。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
米国特許制度の変遷 (スコア:5, 参考になる)
この20年位で、米国の特許制度は大きく変わりました。
特許付与後17年という権利期間から出願日から20年に転換し、出願公開制度(未だ不完全ですが)が導入され、そして先願主義への移行です。
国を跨ぐ特許出願においては、サブマリンの問題は生じ得なくなりました。
法的安定性が強化され、訴訟のリスクが低減しました。
業界内でも「やっと変わったね」という意見が大勢です。
実は、先願主義だけではなく、もっと注目すべき改正項目があります。
それは、特許付与後の異議申立て制度の導入です。
これはかつて日本が廃止した制度です。
第三者審査の機会を設けて、特許の法的安定性を強化する意図があります。
これを機に、日本でも異議申立て制度を復活して欲しいと強く願う次第です。
Re: (スコア:0)
制度廃止にいたるくらいですから当時なにか問題点があったんだと思いますが、
現在は制度復活しても問題ない状況なんでしょうか?
Re: (スコア:1)
日本の無効審判は何人たりとも起こせますので形式上は異議制度の代替となっています。
まあ当事者系になるので事実上利害関係者のみとなってはいますが。
※異議制度だと査定系なので圧倒的に楽。
付与後異議が廃止されたのは重要と思われる特許にほぼ同じ証拠で異議と無効が繰り返し行われることで
権利の安定性が損なわれる=プロパテントに逆行、ということでしたが
気軽に申し立てができないため、未だに異議制度の復活を望む声は多いですね。
Re: (スコア:3, 参考になる)
残念ながら、当事者系裁判で特104条の3(特許無効の抗弁:一太郎訴訟の知財高裁等が著名)が多用されるようになり、特許の法的安定性が損なわれているのが現状です。
この、不安定化した権利を安定化させるには、特許庁の審査だけでは限界があると思います。
実質的に匿名で申立ができる、第三者による審査を導入することが、最も迅速な解決策だと思いますし、またそのように考える人も(特に企業知財部)存在します。
Re:米国特許制度の変遷 (スコア:0)
情報提供では足りませんか?
Re:米国特許制度の変遷 (スコア:1)
全く足りません。
情報提供制度は、その名の通り、情報を提供するだけの制度です。
審査期間中は有効に活用されるでしょうが、膨大な特許出願の中から企業活動に影響を及ぼす可能性のあるものを探すことは大変なコストを必要とします。
特許庁の実体審査で絞りこまれた上で対象特許を見つけるのとでは、必要とする労力が雲泥の差です。
特許付与後の情報提供制度もあります [jpo.go.jp]が、情報提供の記録が残るだけであり、その提供された情報(無効資料)が有効か否か、特許の有効性を確認するには、結局のところ無効審判を請求せざるを得ません。