だから、それは「存在しないもの」なんだから仕方ないよね、と。「This is a pen desuka?」という疑問文を作る英語があったら、楽なのかも。実際、オイラが不自由な英語喋る時は、「This is a pen」って言っちゃってから、オレは疑問文が喋りてーんだよ、って慌てて「isn't it?」ってつけること多いし。
ひょっとしたら、あと1000年ぐらいしたら、英語国民みんな、「おお、そっちの方が楽だぜ」と思って、みんな「This is a pen, isn't it?」と言いだしちゃったりして、「そらみろ、オレの勝ちだ。100ガバス払え!」と言えるのかもしれんが、そうじゃないかもしれない。それは、今のところわかんないからしかたないよね、と。
最初にやらせたいのは (スコア:2, 興味深い)
例えば、チェスや将棋、囲碁でも、人間がプログラムを一から銃まで組むのではなく、ある程度の基本ルールをプログラミングしておいて、後は実戦なり棋譜なりから学習して強くな
どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:0)
自然言語はいろいろあるので、「日本語能力」が遺伝ではないというのは 明らかですが、じゃあ「言語というものを扱う能力」 ならどうか。
そういう研究って、いまどこまで進んでるんでしょうか?
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:2, 興味深い)
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:1)
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:2, 参考になる)
でも、それに対してSteven Pinkerなんかは、ある社会において通用している言語の文法を、より容易に習得できるような脳の(生得的な)初期状態というのが存在するとすると、そういう初期状態の脳を持っている個体はその社会の中での生存競争において有利なんじゃないか、そう
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:1)
すべての可能な人間言語の文法を出力するシステムとしてのUGが研究されているのでして、故に現存する言語の因数分解ではなく、初期状態と言ってるんですね。Pinkerの議論は少し文脈が違って、進化論に当てはめたらどうみなせばいいか、というものですね。
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:0)
あ、「ある特定の言語」と書いたのは「ある特定の言語クラス」のつもりね。具体的には普遍文法。
そのへんが微妙なところでさ、言語に限った話ではなくて、人間の脳はシンプルな原理に基づく汎用の情報処理機械なのか、それとも特定目的のための専用の情報処理機構が大量に集まったものなのか、っていう根本的な思想の問題になっちゃうんだよね。前者は必然的に経験主義の立場をとるし、後者は先験主義の立場をとる。
先験主義者は人間の言語がどれも似通
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:1)
現代の認知系研究で完全な汎用処理能力や、タビュラ・ラサを主張している人がいたら、参考までに教えていただけるといいんですが。
>「ある特定の言語クラス」のつもりね。具体的には普遍文法。
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:0)
で、文献資料レベルの話じゃなくって、申し訳ないんだが、たとえば脳の言語野。言語野が存在するってのは、あきらかに言語能力が先天的であることを示唆しているようなんだけれども、比較的若い時期に損傷を受けた場合なんかは、他の領域が言語野の機能を肩代わりできち
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:1)
生理学の方でタビュラ・ラサに近いことを言う人がいるのは知っていましたが、回路の性質はいわば生得的なわけで、全くの白紙は主張されていないですね。
ヴェルニッケ野やブローカ領域が再生すると言っても、語彙自体は脳全体に散らばっているらしい
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:0)
そうなかなあ・・・(汗。スキナリアンを称しているヒトは少なくても、実質スキナリアンと等価な考え方をしているヒトって、分野によってはいっぱいいる気が・・・。
>他に視覚野の再生、小脳機能の大脳皮質による再生といった話を聞かないところを見ると、機能的特化はとりあえず妥当な線ではないかと
機能的特化は妥当だと思うんだけど、その内容についてはちょっと留保したい部分があるかなあ。
たとえば1次視覚野が損傷したときに、別の場所にできたってのは聞いたことがないんだけど、1次視覚野の
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:1)
普遍文法についてはもっと実質的な議論があって、機能主義からはとても予測の出来ない規則性が言われていますね。具体的には倒置疑問や疑問詞の取り出しをする言
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝でどこまでが学習か (スコア:0)
んー、それはダーウィニズムに対する「最適なものが生き残るのであれば、どうして車輪で移動する生物がいないのか?足で歩行するよりはるかに効率いいのに」という批判に近い気が。
言語処理が行われるアーキテクチャ次第では「計算量」の多寡も細かいところでは違ってくるだろうし、そもそもそこまで計算量を最適化するニーズがなくって、いまのままでも充分間に合ってるから、まあいいやってことな
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:1)
>んー、それはダーウィニズムに対する「最適なものが生き残るのであれば、どうして車輪で移動する生物がいないのか?足で歩行するよりはるかに効率いいのに」という批判に近い気が。
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:0)
別のたとえをすると、世の中に青いバラは存在しないのだから、ダーウィニスト的には青いバラが生存に適していな
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:1)
たまたまそうなってる、ってのは、うーん、論理的可能性としては排除出来ないけど、すごくつまらない結論ですよね。いや、発想が、ではなくて、科学理論として。あ、
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:0)
現に存在しているものには存在している理由があるとしても、存在していないものが存在していないのにことには理由があるとは限らない、というのは、ごく妥当な線じゃないかと思うんだけど。
頭が虎で、胴体は象で、手足はライオンで、尻尾がワニであるような動物が存在していないことについて、「たまたま」以上の理由があると思う?
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:1)
存在について「たまたま」と解釈し、それはつまらないと書いたんです。「たまたま」が出てきたのが人間の言語機能の単純さに帰し得ない特質の所だ
---------
のほ
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:0)
機能主義的な観点からは、疑問文の構文とかは倒置疑問文なんかよりマーカーつけた方が計算コストが低いのに、そういう文法を取っている言語があるのはなぜだろう?って話だっけ。
だから、それは「存在しないもの」なんだから仕方ないよね、と。「This is a pen desuka?」という疑問文を作る英語があったら、楽なのかも。実際、オイラが不自由な英語喋る時は、「This is a pen」って言っちゃってから、オレは疑問文が喋りてーんだよ、って慌てて「isn't it?」ってつけること多いし。
ひょっとしたら、あと1000年ぐらいしたら、英語国民みんな、「おお、そっちの方が楽だぜ」と思って、みんな「This is a pen, isn't it?」と言いだしちゃったりして、「そらみろ、オレの勝ちだ。100ガバス払え!」と言えるのかもしれんが、そうじゃないかもしれない。それは、今のところわかんないからしかたないよね、と。
Re:どこまでが遺伝で。。今やっと気づいた (スコア:1)
She is a girl, isn't it?
一部のアフリカ系アメリカ人の文法ではこうなってるらしい。しかしまだ
She is a girl KA?
で疑問を表す方向へ進む兆候はないですね。結局「助詞システム」を取らなかった言語では"KA"の導入は異質のシステム導入を意味するので、すごくcostlyなのかも知れないし、または現存のシステムと矛盾するのかも。
---------
のほ