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> 原油はあと100年保つ原油はあと30年でなくなるって、30年前に聞いたんだけど?「原油はあと100年保つ」というソースは?
>「原油はあと100年保つ」というソースは?
今手元に資料が無くて申し訳ないんですが,1956年のHubbertのピークオイル論に対する,アメリカの石油メジャー側からの反論です.確か当時の新聞紙上での記事かインタビューだったかと……以前講義で使ってどこかに残ってると思いますので,後でもう一度探してみます.
発言の要約としては,(1970年代にアメリカの石油生産はピークを迎えるだろうというHubbertの予測に対し)「新しい油田も見つかっているし,掘削技術も向上している.いつかはピークを迎えるにしてもそれは今すぐの事では無く,来世紀以降の事である」という感
> (1970年代にアメリカの石油生産はピークを迎えるだろうというHubbertの予測アメリカに限定すればその通りでしたが、世界の石油生産は2007年まで拡大し続けて、最近ピークオイルという言葉が出てきたところです。シェールガスもこれから世界で生産を開始していきますので、アメリカの生産がどう推移しようが、天然ガスの価格が高騰する見込みはありません。石油やシェールガスの生産をアメリカに限定する意図は何ですか?
> 現在ではあまり「あと何年掘れるか」の指標としては利用されなくなってきています.日本の学校では [meti.go.jp]可採埋蔵量をもとに、将来の資源不足を伝える教育が為されています。でも、可採埋蔵量の推移 [modec.com]は教えないんですよね。
アメリカの将来についてはマイナーな研究結果よりも、米国エネルギー省エネルギー情報局が発表した [nationalgeographic.co.jp]見通しのほうがより正確に将来を予測しているでしょう。
>最近ピークオイルという言葉が出てきたところです。
それは事実誤認です.実際,Hubbertの1956年の論文で既に「世界全体での油田の新規発見量は頭打ちとなっており,ここにアメリカでの傾向を当てはめれば近いうちに減少に転じるだろう」と述べ,その後世界での原油生産が減少する事は指摘されています.この段階が世界を相手にした「ピークオイル論」の第一弾です.次に出てくるのは1970年代で,この時点でアメリカの石油生産に関するHubbertの議論が正しい事が判明したため,彼が指摘した世界全体に対する議論も同様に成立するのではないか?という事で議論が巻き起こります.これが第二弾.今盛り上がっているのは実際に世界の生産がほぼ頭打ちに達したために起こった議論で,実は第三弾になります.ピークオイルという話自体は,別に最近になって出てきたものではなく,議論自体は少なくとも40年以上は続いています.(当初の見込みでは2000年やや前あたりがピークと推定されていたが,実際のピークは2010年前後と考えられている)
>石油やシェールガスの生産をアメリカに限定する意図は何ですか?
著者がアメリカ人で,アメリカの資源政策に対する提言だからでしょう.#いや,元記事がアメリカに限定されているのはそれ以上の意味は無いと思います.
あとはまあ,実際に多数の開発が行われており,実測データが溜まっているから,ですね.実測値に基づき,EIAの推計法が実情に合っていないのでは?という指摘になります.
シェールガス田としての挙動自体はそう変わらないでしょうから,「全世界で今考えられている推計は甘いんじゃないの?」という議論は出来るとは思いますが.
>日本の学校では可採埋蔵量をもとに、将来の資源不足を伝える教育が為されています。
ええ,これよろしくないいんですよね.確か化学会の資源関連のディビジョンなどでも問題視されていたのですが,当分このまま行く可能性が……
>米国エネルギー省エネルギー情報局が発表した
いや,ですから今回のこの記事は,「そのEIAが使ってる推計法自体に問題があるよね?」という指摘の記事です.また,地下資源の推計に関しては,アメリカの政府機関はどちらかと言えば過大評価しがちですので,どちらの推計が正しいのかは一概には言えません.極端な例を出すと,ピークオイル論争の際のUSGSの原油の推定埋蔵量は,実際の埋蔵量の倍以上の値を出してきていました.#まあ今回どちらが実際の値に近いのかは,10-20年ぐらいしないとわかりませんが.
これを含む私の日記の目的は,「雑多な分野から,読んで面白かった一報の論文や記事を取り上げ,最低限の解説を加えながらその内容を説明する」と言うものです.ですから,
>私は論文の著者ではなくあなたに質問しています。
と言われましても.
まああえて言うならば,「これまで想定されていたよりも個々のガス井の寿命が短いのならば,全世界を考慮に入れようと何であろうと,今現在想定されているよりもシェールガスの枯渇は早くなる(価格上昇が始まるのが早い)」とは言えるでしょう.
また,
>其れと一個の論文だけを取り上げて
というのも,そもそもの日記の目的がそういうものですので,それ以上を求められても困りますがな.別に「○○に関してサーベイしてレビューを書く」なんてのを目的にしているわけではありませんので.もっと広範な調査をまとめたレビューを乗せるべきだと強く感じられるのでしたら,ご自身で(必要ならIDを取って)日記を作成するのがよろしいのではないかと.
研究(というか調査)の妥当性に関しては,大元の報告書を参照して判断してください.さすがに量が多いので,つまみ読みしか出来ていませんので.
http://www.postcarbon.org/reports/DBD-report-FINAL.pdf [postcarbon.org](30MB弱,120ページほどあるので,時間がかかります)
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原油の埋蔵量 (スコア:0)
> 原油はあと100年保つ
原油はあと30年でなくなるって、30年前に聞いたんだけど?
「原油はあと100年保つ」というソースは?
Re: (スコア:3, 参考になる)
>「原油はあと100年保つ」というソースは?
今手元に資料が無くて申し訳ないんですが,1956年のHubbertのピークオイル論に対する,アメリカの石油メジャー側からの反論です.
確か当時の新聞紙上での記事かインタビューだったかと……
以前講義で使ってどこかに残ってると思いますので,後でもう一度探してみます.
発言の要約としては,(1970年代にアメリカの石油生産はピークを迎えるだろうというHubbertの予測に対し)「新しい油田も見つかっているし,掘削技術も向上している.いつかはピークを迎えるにしてもそれは今すぐの事では無く,来世紀以降の事である」という感
Re:原油の埋蔵量 (スコア:0)
> (1970年代にアメリカの石油生産はピークを迎えるだろうというHubbertの予測
アメリカに限定すればその通りでしたが、世界の石油生産は2007年まで拡大し続けて、最近ピークオイルという言葉が出てきたところです。
シェールガスもこれから世界で生産を開始していきますので、アメリカの生産がどう推移しようが、天然ガスの価格が高騰する見込みはありません。
石油やシェールガスの生産をアメリカに限定する意図は何ですか?
> 現在ではあまり「あと何年掘れるか」の指標としては利用されなくなってきています.
日本の学校では [meti.go.jp]可採埋蔵量をもとに、将来の資源不足を伝える教育が為されています。
でも、可採埋蔵量の推移 [modec.com]は教えないんですよね。
アメリカの将来についてはマイナーな研究結果よりも、米国エネルギー省エネルギー情報局が発表した [nationalgeographic.co.jp]見通しのほうがより正確に将来を予測しているでしょう。
Re:原油の埋蔵量 (スコア:1)
>最近ピークオイルという言葉が出てきたところです。
それは事実誤認です.
実際,Hubbertの1956年の論文で既に「世界全体での油田の新規発見量は頭打ちとなっており,ここにアメリカでの傾向を当てはめれば近いうちに減少に転じるだろう」と述べ,その後世界での原油生産が減少する事は指摘されています.
この段階が世界を相手にした「ピークオイル論」の第一弾です.
次に出てくるのは1970年代で,この時点でアメリカの石油生産に関するHubbertの議論が正しい事が判明したため,彼が指摘した世界全体に対する議論も同様に成立するのではないか?という事で議論が巻き起こります.これが第二弾.
今盛り上がっているのは実際に世界の生産がほぼ頭打ちに達したために起こった議論で,実は第三弾になります.
ピークオイルという話自体は,別に最近になって出てきたものではなく,議論自体は少なくとも40年以上は続いています.
(当初の見込みでは2000年やや前あたりがピークと推定されていたが,実際のピークは2010年前後と考えられている)
>石油やシェールガスの生産をアメリカに限定する意図は何ですか?
著者がアメリカ人で,アメリカの資源政策に対する提言だからでしょう.
#いや,元記事がアメリカに限定されているのはそれ以上の意味は無いと思います.
あとはまあ,実際に多数の開発が行われており,実測データが溜まっているから,ですね.
実測値に基づき,EIAの推計法が実情に合っていないのでは?という指摘になります.
シェールガス田としての挙動自体はそう変わらないでしょうから,「全世界で今考えられている推計は甘いんじゃないの?」という議論は出来るとは思いますが.
>日本の学校では可採埋蔵量をもとに、将来の資源不足を伝える教育が為されています。
ええ,これよろしくないいんですよね.
確か化学会の資源関連のディビジョンなどでも問題視されていたのですが,当分このまま行く可能性が……
>米国エネルギー省エネルギー情報局が発表した
いや,ですから今回のこの記事は,「そのEIAが使ってる推計法自体に問題があるよね?」という指摘の記事です.
また,地下資源の推計に関しては,アメリカの政府機関はどちらかと言えば過大評価しがちですので,どちらの推計が正しいのかは一概には言えません.
極端な例を出すと,ピークオイル論争の際のUSGSの原油の推定埋蔵量は,実際の埋蔵量の倍以上の値を出してきていました.
#まあ今回どちらが実際の値に近いのかは,10-20年ぐらいしないとわかりませんが.
Re:原油の埋蔵量 (スコア:2)
これを含む私の日記の目的は,「雑多な分野から,読んで面白かった一報の論文や記事を取り上げ,最低限の解説を加えながらその内容を説明する」と言うものです.
ですから,
>私は論文の著者ではなくあなたに質問しています。
と言われましても.
まああえて言うならば,「これまで想定されていたよりも個々のガス井の寿命が短いのならば,全世界を考慮に入れようと何であろうと,今現在想定されているよりもシェールガスの枯渇は早くなる(価格上昇が始まるのが早い)」とは言えるでしょう.
また,
>其れと一個の論文だけを取り上げて
というのも,そもそもの日記の目的がそういうものですので,それ以上を求められても困りますがな.
別に「○○に関してサーベイしてレビューを書く」なんてのを目的にしているわけではありませんので.
もっと広範な調査をまとめたレビューを乗せるべきだと強く感じられるのでしたら,ご自身で(必要ならIDを取って)日記を作成するのがよろしいのではないかと.
ついでに (スコア:2)
研究(というか調査)の妥当性に関しては,大元の報告書を参照して判断してください.
さすがに量が多いので,つまみ読みしか出来ていませんので.
http://www.postcarbon.org/reports/DBD-report-FINAL.pdf [postcarbon.org]
(30MB弱,120ページほどあるので,時間がかかります)