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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall
囚人のジレンマの真実 (スコア:1)
「囚人のジレンマ自体は、実はウソで、初期条件の与え方で、いくらでも結果が変わる。協調型が生き残ったり、裏切り型が生き残ったりする」
というハナシをどっかで見たことがあるのですが、ソレは一般的ではないハナシになっているのでしょうか?
何分伝聞ですので真偽のほどは不明です(^^;
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#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:囚人のジレンマの真実 (スコア:0, オフトピック)
ひどい誤解 (スコア:2, 参考になる)
ゲーム理論は,数学者フォン・ノイマン(現在主流のノイマン型コンピュータの発明者)が理論化した数理モデルで,1944年に,ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンの共著「ゲームの理論と経済行動」によって一般に知られるようになりました。その後,経済学を中心に応用されるようになっています。
ゲーム理論は,”80年代初頭に流行した 数理生物学だか、行動学だかで発展したもの”ではなく,元々は,一般に利害の必ずしも一致しない状況における合理的意志決定や合理的配分方法とは何か,ということについて考えるための数学理論です。
経済学では,映画「ブーティフル・マインド」の主人公として描かれた数学者ジョン・ナッシュが20才の時に編み出した「ナッシュの均衡」が有名で,その後の資本主義経済学理論の根幹を成しています。ナッシュは他2名の経済学者と共に,1994年にノーベル経済学賞を受賞しています。
ゲーム理論で有名なタカ派・ハト派理論などは,イギリスの生態学者メイナードスミス(元航空力学屋さん)によって進化生態学に幅広く取り入れられ,ESS(進化的に安定な戦略)理論として行動生態学で有名になり,生物屋の間では,「ゲーム理論=数理生態学」というちょっとした誤解も生じるようになりました。上記の誤解はそのような日本における特殊状況に拠って生じたものと思われます。
ゲーム理論が,進化生態学で何故もてはやされたか,ですが,(1)それまでうまく説明できなかった非血縁者間の利他的行動の進化をうまく説明できようになった(特殊解:血縁者間の利他的行動の進化は1964年にハミルトンによって証明されていました),(2)生物個体群に複数の行動型が存在する集団が安定な場合が多い(超人ばかりの集団は却って不安定),などなどの各種の面白い現象が導き出せるようになったからです。
経済学でも,さなざまな取引動機を持ったタイプ(型)の参加者の存在が為替市場の安定に不可欠とされていますね。
”裏切りと協調”のジレンマで有名になった,ミシガン大学のロバート・アクセルロッドの著書は翻訳もされていて面白く,一読をお勧めします。
Cameria