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引っ張りの強さは絡まった高分子に均等に分散できるかにあります。 つまり単に カーボンナノチューブの線を束にしても 繊維の方向を均一化して各々を結合させるような事をしない限り 軽くて強いケーブルにはなりません。
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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家
おいら馬鹿だから (スコア:1)
カーボンナノチューブがあれば軌道エレベーターは作れるの?
作れません。 (スコア:4, 参考になる)
問題は繊維にする際の構造が問題です。
繊維とは高分子が絡まった状態でできており
引っ張りの強さは絡まった高分子に均等に分散できるかにあります。
つまり単に カーボンナノチューブの線を束にしても
繊維の方向を均一化して各々を結合させるような事をしない限り
軽くて強いケーブルにはなりません。
電極やらは今回の方法で解決できると思いますが
ケーブルが作られるようになるまでは、
まだまだ先になると思いますね。
Re:作れません。 (スコア:3, 参考になる)
待て待て待て。いきなり何を言い出すかと思えば…大学1年生?
専攻どこです?
> 問題は繊維にする際の構造が問題です。
繊維にする際の構造って…CNTは単結晶ですが。
他にどんなCNTがあるのでしょう。アモルファス?
> 繊維とは高分子が絡まった状態でできており
高分子ではない金属やガラスやセラミックだって繊維にできます。そもそもCNTだって高分子じゃないし。大間違いですね。
> 引っ張りの強さは絡まった高分子に均等に分散できるかにあります。
CNTは炭素原子が共有結合した単結晶なので高分子繊維の強度に関するお話は通用しません。CNTが強い理由は主に
・炭素同士が共有結合してるので強い
・グラファイトを筒にしたような結晶構造なので強い
・単結晶なので結晶粒界のせいで強度が落ちないから強い
くらいですかね。上記のように素性が有望な材料ですが、現在は合成技術がまだ未熟で、純度が低くて(所々に非晶質の炭素が混じったりする)短いチューブ(mmオーダーが精一杯)しか作れないのが悩みどころです。短くて不純物混じりだとマズイ理由は、大雑把には
・不純物が混じると結晶構造が不規則になり、ミクロレベルで応力が集中する→強度の低下
・短いものはつなぎ合わせて使うしかないが、そうすると接合部でマクロレベルの応力集中が起きる→強度の低下
という2点が挙げられます。だからCNTの研究やってる科学者はシャカリキになって高純度で長いCNTを作ろうとしてるってわけ。
> つまり単に カーボンナノチューブの線を束にしても
> 繊維の方向を均一化して各々を結合させるような事をしない限り
> 軽くて強いケーブルにはなりません。
そりゃ、今あるmmオーダーのCNTじゃそういう使い方しかできないだろうけど、軌道エレベータで使うようなCNTは1本数km~数十kmのオーダーの長さを目指してます(理由は上記参照)。こんな途方も無い長さのCNTは繊維方向を均一化だとか各繊維を結合だとか考えず、ただ束ねて使うだけ。
新しい合成技術が開発されてCNTの高純度化と長繊維化に著しい進展があったけれども、それでもまだmmオーダーなので、軌道エレベータで使える長さまでは前途多難です。というのがCNTをめぐる現状です。決して貴方の仰るように、繊維の構造上の問題で軌道エレベータに使えないわけではありませんよ。
# 材料屋崩れのへたれSEなのでtuneo。
Re:作れません。 (スコア:0)
変な日本語なので「合成技術が未熟」に訂正します。
> 数十kmのオーダー
良く考えてみたら静止軌道は高度4万kmですので、ここは「数万kmのオーダー」ですね。
大嘘書いちまった。訂正します。
# 訂正コメントなのでtuneoなAC。
Re:作れません。 (スコア:2)
おそらく『カーボンナノチューブ』というものの構造に関して誤解しておられると思います。
カーボンナノチューブというのは、炭素が規則正しい網目状(あるいはカゴ状)のチューブを作っているものです(参考1 [accsnet.ne.jp]、2 [uec.ac.jp])。
この構造のため、単繊維それ自体で引っ張り力を(単繊維内で)均等に分散する能力があります。
この構造のためもあり(それとグラファイト結合の強さ)、(単位長さあたり同じ重さを持つ)他の繊維(高分子材料に限らず)と比較して強い繊維になるんです。
「繊維の方向の均質化」というのも、自動的にクリアされています。
もっとも、実用レベルで十分な強度を得るためには複数の単繊維を(力を分散出来るように)束ねる必要がありますが(かならずしも繊維全長にわたって単繊維同士を結合する必要はない)、単繊維の段階で強いのですから、適切な方法で束ねれば、軌道エレベータを実現するのにも十分な強度が得られるだろうと期待されているわけです。
また、既存の繊維では無限の長さを持つ単繊維を作るのは事実上困難(そしてつなぎ目部分が弱点になる)ですが、カーボンナノチューブではつなぎ目部分での化学結合の生成をコントロールすることにより、複数の単繊維を完全に繋くことも可能ではと期待されています。
つまり、事実上つなぎ目のない任意の長さの繊維を作ることも可能だと期待されています。
これも大きな利点ですね。
あえて強度の出ないような束ね方をすれば別ですが、普通に考えて非常に強いケーブルが出来るはずですが…。
まだ実用化のためにはいくつも課題があり、今回の技術だけでは不十分というならわかりますが。