アカウント名:
パスワード:
盛り上っているところ恐縮ですが,今回問題になっているのは「台風の上陸地点がどこであったか」ではないですよ.気象予報業務は自由化されましたが,人の生死にかかわる(こともある)防災情報については,今も気象庁に一元化されています.これは元記事にもあるように.情報が錯綜することによる混乱をさけるためです.
で,今回問題になっているのは「台風上陸地点の情報が防災情報にあたるかどうか」です.ウェザーニューズ社は「あたらない」と考えて公表したのですが,気象庁は「あたる」との考え指導を行なったわけです.ですから,例え両者の上陸地点が一緒であったとしても,気象庁は独自の情報を流したウェザーニューズ社に対して指導を行なったでしょう.
ということで,論点を「上陸地点は防災情報にあたるか」や「防災情報は一元化すべきか」あたりに移していただければ幸いです.
「上陸」というのは観測の結果として過去の進路を決定し未来の進路を予測する過程で推定/決定されるものなので「事実」と言い切るのは当たらないと思います。そういう意味では予報と情報の性質は同じ。台風の経路は事象は「過去」でも進路予測の一部として捉える方が自然。そう思えば立派に防災情報だと思います。
だから観測データ公開ならまだ事実と言えるが、「上陸」宣言は「事実」とはいいがたい。
観測に基礎づけられていない、にちゃんねるの実況を気象庁と競合しうる防災情報と考える人はいないだろうから問題にならないだけ。
おっしゃるように、論点は「科学的事実として台風はどこを通ったのか」という科学的な問題点よりも、「台風がどこにいるかという情報を発表することの法的な意味」という法的な問題点にあるようです。WN社もこの二点を主に自社番組(BS910またはhttp://weathernews.jp/solive24/ [weathernews.jp])の中で述べています。
しかし私は三つ目の問題点があると考えます。それは、この規制の保護法益である「安全性はどのように確保されるか」です。
卑近な例として道路の制限速度を考えてみます。時速50kmに制限されている道は、自動車の性能や過去のその道でおきた事故などをもとに制限速度を設定しているのでしょう。そして、その道を49km/hで走るのは合法です。しかし、車の流れという観点からみると、大抵の道は+10〜+20km超過した流れができているので、49kmで走るのは危険ということになります。
WN社は「減災(げんさい)」という言葉をよくつかっています。http://weathernews.jp/gensai/ [weathernews.jp]災害を減らすことについて、一般の顧客とともに取り組んでいるといいます。
しかし、台風の現場の消防や自治体職員や消防団員にとって、下記のどちらがより「災害を減らす」のに役立つのでしょうか。「気象庁と異なっても、自らが信じる台風に関する情報をだす」ことと、「間違っているとわかっていながら、あえて気象庁のいうことをそのまま出す」こと。現場の人たちは素早い判断が求められ、また、気象学や統計学について詳しいわけでもありません。
「客がほしいのはドリルではない、壁の穴だ」という有名な言葉がありますが、「客が知りたいのは台風の場所ではない、身を守る方法(安全性)だ」と考えたとき、WN社も気象庁もどうするのがベストなのか、今後ともよく考えて頂きたいと思います。
今回はそういうことは無かったけど、気象庁の情報を信じた人が命を落とし、ウェザーニューズ社の情報を信じた人が助かったようなことがあった場合、気象庁は指導を行えたであろうか。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
※ただしPHPを除く -- あるAdmin
気象屋さんマダー? (スコア:5, すばらしい洞察)
盛り上っているところ恐縮ですが,今回問題になっているのは「台風の上陸地点がどこであったか」ではないですよ.
気象予報業務は自由化されましたが,人の生死にかかわる(こともある)防災情報については,今も気象庁に一元化されています.これは元記事にもあるように.情報が錯綜することによる混乱をさけるためです.
で,今回問題になっているのは「台風上陸地点の情報が防災情報にあたるかどうか」です.
ウェザーニューズ社は「あたらない」と考えて公表したのですが,気象庁は「あたる」との考え指導を行なったわけです.ですから,例え両者の上陸地点が一緒であったとしても,気象庁は独自の情報を流したウェザーニューズ社に対して指導を行なったでしょう.
ということで,論点を「上陸地点は防災情報にあたるか」や「防災情報は一元化すべきか」あたりに移していただければ幸いです.
「上陸」は進路予想の一部 (スコア:2, 参考になる)
「上陸」というのは観測の結果として過去の進路を決定し未来の進路を予測する過程で推定/決定されるものなので「事実」と言い切るのは当たらないと思います。
そういう意味では予報と情報の性質は同じ。台風の経路は事象は「過去」でも進路予測の一部として捉える方が自然。
そう思えば立派に防災情報だと思います。
だから観測データ公開ならまだ事実と言えるが、「上陸」宣言は「事実」とはいいがたい。
Re: (スコア:0)
Re:「上陸」は進路予想の一部 (スコア:1)
観測に基礎づけられていない、にちゃんねるの実況を気象庁と競合しうる防災情報と考える人はいないだろうから問題にならないだけ。
Re:気象屋さんマダー? (スコア:2, すばらしい洞察)
曖昧であれば見解の相違が生まれるのは当然の結果であり、今後に向けてはその曖昧部分を無くす為に
専門家同士の話し合いで決めればいいだけのことでしょう。そこに門外漢が入る余地は無いかと。
まあ酒の肴にするには面白いネタですが。
Re:気象屋さんマダー? (スコア:1, 興味深い)
おっしゃるように、論点は
「科学的事実として台風はどこを通ったのか」
という科学的な問題点よりも、
「台風がどこにいるかという情報を発表することの法的な意味」
という法的な問題点にあるようです。
WN社もこの二点を主に自社番組
(BS910またはhttp://weathernews.jp/solive24/ [weathernews.jp])
の中で述べています。
しかし私は三つ目の問題点があると考えます。
それは、この規制の保護法益である
「安全性はどのように確保されるか」
です。
卑近な例として道路の制限速度を考えてみます。
時速50kmに制限されている道は、自動車の性能や過去のその道でおきた事故などをもとに制限速度を設定しているのでしょう。
そして、その道を49km/hで走るのは合法です。
しかし、車の流れという観点からみると、大抵の道は+10〜+20km超過した流れができているので、49kmで走るのは危険ということになります。
WN社は「減災(げんさい)」という言葉をよくつかっています。
http://weathernews.jp/gensai/ [weathernews.jp]
災害を減らすことについて、一般の顧客とともに取り組んでいるといいます。
しかし、台風の現場の消防や自治体職員や消防団員にとって、下記のどちらがより「災害を減らす」のに役立つのでしょうか。
「気象庁と異なっても、自らが信じる台風に関する情報をだす」ことと、
「間違っているとわかっていながら、あえて気象庁のいうことをそのまま出す」こと。
現場の人たちは素早い判断が求められ、また、気象学や統計学について詳しいわけでもありません。
「客がほしいのはドリルではない、壁の穴だ」
という有名な言葉がありますが、
「客が知りたいのは台風の場所ではない、身を守る方法(安全性)だ」
と考えたとき、WN社も気象庁もどうするのがベストなのか、今後ともよく考えて頂きたいと思います。
Re: (スコア:0)
今回はそういうことは無かったけど、気象庁の情報を信じた人が命を落とし、
ウェザーニューズ社の情報を信じた人が助かったようなことがあった場合、
気象庁は指導を行えたであろうか。
Re: (スコア:0)
死人に口なし。
何があろうと、ウェザーニューズが悪者にされるに決まってます。
役人のやることなんて、そんなもんです。