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「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は1988年に設立されたもので、意外と古い言葉です。近年特に使われるようになったのは、「地球温暖化」という基本的な事実は既に確認されており、「では、暖かくなることでどのような変化が現れるか」という各論に焦点が移ったためでしょうね。
「地球の気候が変動しなかったことはない」は事実ですが、その原因は様々です。そして、現在得られる知見からは「自然的な変動の原因」では「現在起きている気候変動」を説明できず、一方、「人為的な変動の原因」を考えるとうまく説明できるために「人為的気候変動」として研究されています。
そういうわけで、1992年に始まった「気候変動枠組条約」では「気候変動」という言葉を>「気候変動」とは、地球の大気の組成を変化させる人間活動に直接又は間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるものをいう。と定義しています。
>意味あるの?
はい。「人為的な原因による温暖化・気候変動」であり、かつそれが「不都合」であるならば、その原因を取り除く方針も立てられます。そして、研究の結果「2℃以下に抑えた方が良いのでは?」ということで、現在の枠組みが出来ています。
「自然の原因による変動(太陽活動や地球の軌道要素など)」で起きていることは取り除くことが困難ですが、「人為的な原因でどれだけ気候が変動するか」が明らかになっていれば、それを利用して「自然の変動」をコントロールできます。「太陽活動の変動で氷河期が来て人類が滅亡」しないようにするために必要な研究です。
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」は、自然災害(冷害)を人為的な火山の噴火(による二酸化炭素放出)で回避しようとする話ですが、そのようなジオエンジニアリングは、火星への移住などに必要なテラフォーミングとも関わり、将来の人類のために重要な研究分野ですね。
気候変動は困ります。特に不都合に関して言えば色々あります。人間の活動で阻止あるいは減速できるならすればいいしできないのであれば気候変動後の地球環境にいかに適応するか考えればいい。人為的気候変動であれば人間の活動を変更すれば阻止できます。//私が死ぬ頃でも影響は然程出ていないのでこのままほっとけばいいと思う。直ちに影響が出るものではない=人間に実感できるものではない。
その言い方だと段階的に行われるものや他者との合意が必要なものはすべて嘘つきになってしまうな。
「そういうバカどもを含む社会で、できるだけ合理的に政策を決定するにはどうするのか」というのは、気候変動の研究の社会学的側面です。
この15年で気温は上昇し続けてますよ?http://data.giss.nasa.gov/gistemp/graphs/ [nasa.gov]今年も記録を更新するのはほぼ確実ですし。
2005年に記録を更新してから2009年ごろまで「停滞」が言われたのは「短期間(数年間)の変動を説明できる理論がない」ということで、「今世紀末までに」などのタイムスパンで語られる「地球温暖化/気候変動」とは別の話しです。そして、その短期間の変動も「ENSOなど海流の影響」とされています。
この「停滞」論はすでに2010年に観測記録を更新したので死に体となってます。短期間の変動で「上がった下がった」をいう粗雑な懐疑論はすでに何度もギャグのネタあつかいです。http://www.skepticalscience.com/graphics/Escalator500.gif [skepticalscience.com]https://www.youtube.com/watch?v=se75GW_JDhU [youtube.com]
その「恣意的に処理されている」と主張して懐疑論団体からの資金で気温の解析を行ったバークレー校、MullerたちのBESTプロジェクトなど、様々な団体で異なった解析法で、いずれも「地球の平均気温は上昇し続けている」という結果が得られています。地上の観測点でも人工衛星でも、いずれも矛盾する結果は得られていません。
したがって、現在の科学的見地からは「温暖化は止まっていない」とするのが主流です。
反論としては、単純に観測点のデータを平均したもの(面積による補正などを考えていない)、「1998年を超えていない」という話を逸らせたもの(Roy SpencerのUAHが生き残りですかね?)くらいしかありません。これらは明らかに「おかしな話」であり、科学としてまともに取り上げる価値はありません。(UAHの人工衛星データは、成層圏の寒冷化の影響が大きいと考えられています)
地球温暖化/気候変動の理論は「要因を継ぎ足さなければならないような理論」ではありません。短期間の変動とは「全く別の話」です。いわば、「春から夏にかけて暑くなる」という数か月の予測と「4月1日の気温を当てる」という個別の予測との違いです。
はい、「どっちも予測できる」ように科学は進歩すべきでしょう。近い将来、さらに天気予報は正確になるでしょうね。
しかし、「長期の予測で平均気温が~度上昇する」という情報だけでも有意義です。作物の南限/北限、干ばつ/洪水対策など「長期のリスク」を見て用意することがありますから。
「ほにゃらら年に何度暑くなってその結果いくらいくらの金額と何人の人命に被害が出る」の例では、2011年の震災で全国の原発が止まったとき、懸念される電力不足のモデルとなったのは「2010年の猛暑が起きた場合」でした。その例でいえば、「2050年以降、2010年の猛暑が常態化する」という長期的な予測が立てられれば、「2052年はどうか」という個別の年度の予測を待つまでもなくエネルギー計画が立てられます。
大気の代りに海が熱を抱え込んで海水温が上がっているという話がなかったっけ?
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
いつの間にか (スコア:0, フレームのもと)
暑くなっても、寒くなっても、大雨が降っても、カラカラ天気が続いても、何にでも使える便利な言葉。
地球の気候が変動しなかったことなんか、なかったはずだが。
Re:いつの間にか (スコア:5, 参考になる)
「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は1988年に設立されたもので、意外と古い言葉です。
近年特に使われるようになったのは、
「地球温暖化」という基本的な事実は既に確認されており、
「では、暖かくなることでどのような変化が現れるか」という各論に焦点が移ったためでしょうね。
「地球の気候が変動しなかったことはない」は事実ですが、その原因は様々です。
そして、現在得られる知見からは「自然的な変動の原因」では「現在起きている気候変動」を説明できず、
一方、「人為的な変動の原因」を考えるとうまく説明できるために「人為的気候変動」として研究されています。
そういうわけで、1992年に始まった「気候変動枠組条約」では「気候変動」という言葉を
>「気候変動」とは、地球の大気の組成を変化させる人間活動に直接又は間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるものをいう。
と定義しています。
Re: (スコア:0)
CO2で温暖化するのはダメだけど(特に不都合もないのにね)、太陽活動の変動で氷河期が来て人類が滅亡しても別に問題はないってこと?
Re:いつの間にか (スコア:4, 参考になる)
>意味あるの?
はい。
「人為的な原因による温暖化・気候変動」であり、かつそれが「不都合」であるならば、その原因を取り除く方針も立てられます。
そして、研究の結果「2℃以下に抑えた方が良いのでは?」ということで、現在の枠組みが出来ています。
「自然の原因による変動(太陽活動や地球の軌道要素など)」で起きていることは取り除くことが困難ですが、
「人為的な原因でどれだけ気候が変動するか」が明らかになっていれば、それを利用して「自然の変動」をコントロールできます。
「太陽活動の変動で氷河期が来て人類が滅亡」しないようにするために必要な研究です。
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」は、自然災害(冷害)を人為的な火山の噴火(による二酸化炭素放出)で回避しようとする話ですが、
そのようなジオエンジニアリングは、火星への移住などに必要なテラフォーミングとも関わり、将来の人類のために重要な研究分野ですね。
Re: (スコア:0)
気候変動は困ります。特に不都合に関して言えば色々あります。人間の活動で阻止あるいは減速できるならすればいいしできないのであれば気候変動後の地球環境にいかに適応するか考えればいい。
人為的気候変動であれば人間の活動を変更すれば阻止できます。
//私が死ぬ頃でも影響は然程出ていないのでこのままほっとけばいいと思う。直ちに影響が出るものではない=人間に実感できるものではない。
Re: (スコア:0)
その言い方だと段階的に行われるものや他者との合意が必要なものはすべて嘘つきになってしまうな。
Re: (スコア:0)
「そういうバカどもを含む社会で、できるだけ合理的に政策を決定するにはどうするのか」というのは、気候変動の研究の社会学的側面です。
Re:いつの間にか (スコア:2, 参考になる)
この15年で気温は上昇し続けてますよ?
http://data.giss.nasa.gov/gistemp/graphs/ [nasa.gov]
今年も記録を更新するのはほぼ確実ですし。
2005年に記録を更新してから2009年ごろまで「停滞」が言われたのは「短期間(数年間)の変動を説明できる理論がない」ということで、
「今世紀末までに」などのタイムスパンで語られる「地球温暖化/気候変動」とは別の話しです。
そして、その短期間の変動も「ENSOなど海流の影響」とされています。
この「停滞」論はすでに2010年に観測記録を更新したので死に体となってます。
短期間の変動で「上がった下がった」をいう粗雑な懐疑論はすでに何度もギャグのネタあつかいです。
http://www.skepticalscience.com/graphics/Escalator500.gif [skepticalscience.com]
https://www.youtube.com/watch?v=se75GW_JDhU [youtube.com]
Re: (スコア:0)
いくらでも恣意的に処理できますよ。
Re: (スコア:0)
その「恣意的に処理されている」と主張して懐疑論団体からの資金で気温の解析を行ったバークレー校、MullerたちのBESTプロジェクトなど、
様々な団体で異なった解析法で、いずれも「地球の平均気温は上昇し続けている」という結果が得られています。
地上の観測点でも人工衛星でも、いずれも矛盾する結果は得られていません。
したがって、現在の科学的見地からは「温暖化は止まっていない」とするのが主流です。
反論としては、単純に観測点のデータを平均したもの(面積による補正などを考えていない)、
「1998年を超えていない」という話を逸らせたもの(Roy SpencerのUAHが生き残りですかね?)くらいしかありません。
これらは明らかに「おかしな話」であり、科学としてまともに取り上げる価値はありません。
(UAHの人工衛星データは、成層圏の寒冷化の影響が大きいと考えられています)
Re: (スコア:0)
長期の予測などしたところで信用する人はいませんよ。
Re: (スコア:0)
地球温暖化/気候変動の理論は「要因を継ぎ足さなければならないような理論」ではありません。
短期間の変動とは「全く別の話」です。
いわば、「春から夏にかけて暑くなる」という数か月の予測と「4月1日の気温を当てる」という個別の予測との違いです。
Re: (スコア:0)
どっちもやらないといけない
ほにゃらら年に何度暑くなってその結果いくらいくらの金額と何人の人命に被害が出る、それに対して何億円かけてCO2減らせば金と命をどれだけ救える、という議論をしないと何の意味もない。ぽややんといった感じの当たればいいね責任は負わないけど、みたいな話するくらいなら100円出してアフリカ人にワクチン買ってやった方が億倍マシ。
Re: (スコア:0)
はい、「どっちも予測できる」ように科学は進歩すべきでしょう。
近い将来、さらに天気予報は正確になるでしょうね。
しかし、「長期の予測で平均気温が~度上昇する」という情報だけでも有意義です。
作物の南限/北限、干ばつ/洪水対策など「長期のリスク」を見て用意することがありますから。
「ほにゃらら年に何度暑くなってその結果いくらいくらの金額と何人の人命に被害が出る」の例では、
2011年の震災で全国の原発が止まったとき、懸念される電力不足のモデルとなったのは「2010年の猛暑が起きた場合」でした。
その例でいえば、「2050年以降、2010年の猛暑が常態化する」という長期的な予測が立てられれば、
「2052年はどうか」という個別の年度の予測を待つまでもなくエネルギー計画が立てられます。
Re: (スコア:0)
大気の代りに海が熱を抱え込んで海水温が上がっているという話がなかったっけ?