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NHKも民放も、もともと放送記録を公開しない。だが、それは決して、電波が瞬間的に姿を消すという物理的性質によるものではない。ニュースは特に、日本のラジオの草創期において、すべて原稿チェックを受けている。いまでもアナウンサーは原稿通りにしゃべっている。第一次的に文字で記されたものが姿を消すのは、明らかに人為的な理由によっている。これが歴史学なら、手書きの古文書が貴重品扱いとなる現代だ。やる気になれば、テープからの原稿起こしもできるし、テープの発明以前から、速記術さえあった。そのような記録の努力を放棄し、しかも、手元にあるものさえ外部には見せないのだ。 わたしに見せないからといって、ゴマメの歯ぎしりをしているのではない。第一級の評論家の中野好夫でさえ、「原文は外へお出しできませんという、まるで木で鼻をくくるような挨拶」(『中央公論』’78・10)を受けて、痛烈な皮肉を飛ばしている。 「それにしても、不思議なのはNHKというところである。かりに考えてみるがいい。これがもし活字文化なら、一度社会に発表したものを、あとでお知らせできぬとは、どの口でいえるか。ちゃんと紙面が残っているからである。ところが、NHKという機関は、空に消えるのをいいことに、理由は知らぬが、あとは知らぬ存ぜぬとは何の謂か。NHKという名の公共放送がどんな性格のものか、国民もとくと知っておくのがいいと思う」(同前) 中野好夫は、沖縄返還の日米共同声明の核兵器持込みに関する国内発表が、アメリカの上院外交委員会対外公約小委員会議事録などと食いちがうことを発見した。NHKのニュースは、いったん現地特派員報道として、そのニュアンスを伝えながら、続報をしない。海外新聞を見れば、時の佐藤政権のまやかしは証明できる。しかし、どさくさ解散で「欺瞞の三百議席」(同前原題)を与党が確保できた裏には、NHKなどの煙幕作戦があった。これを論証するのには、NHKニュースなどの記録が必須のものとなる。「たまたま、ある熱心な視聴者がちゃんと録音をとっていたので」(同前)中野好夫はそれを引用できたのだが、そうでもしなければ、NHKはとぼけ果せたであろう。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
NHKの意向とニュース報道 (スコア:0)
報道価値であるとは思いがたいのですが、NHKの7時のニュースで取り上げられていました。
「受信料の不払い者に対する法的措置の検討」のニュースでもそう感じたのですが、NHKの意向をニュースという形で視聴者に浸透させようとしているのかな?という感じがしました。
NHK腐蝕研究 (スコア:3, 興味深い)
(1-4)証拠なき犯罪は“電波の特性”か?
Re:NHK腐蝕研究 (スコア:1)
これは技術的にそうせざるを得なかっただけで,著作権者の権利として「それは無かった事にする」という事もできるでしょう.(皮肉です)
>たまたま、ある熱心な視聴者がちゃんと録音をとっていたので
今だと「たまたま、ある熱心な人がちゃんとYouTubeに上げていたので」かな.
Re:NHK腐蝕研究 (スコア:1)
そもそもYouTubeにその役目を期待するのが間違ってると思う。
Re:NHKの意向とニュース報道 (スコア:1)
逆に印象だけ視聴者に植え付けるならTVは便利な道具.