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「人はなぜコンピューターを人間として扱うか --- 「メディアの等式」の心理学 [amazon.co.jp]」
実はここでとりあげられたSundarの昔の研究についてこの本の第16章で言及されています.そこでの主張は,「ユーザは普段,コンピュータそのものをインタラクションの対象としていて,コンピュータの調子がおかしくなった時になって初めてそれを作った人に対して責任を追及し始める」といったことです.よく,コンピュータ(場合によっては人間までも)が普段の振る舞いをしない時に「中の人」が何かやらかしてるんだ,という話を冗談で言うわけですが,なぜ「中の人」なるものへ意識が向くのかについてこれで説明がつくわけです.
つまり,この「中の人」を意識しない状態を「コンピュータを独立に,社会的にインタラクトできる相手」としてユーザは無自覚に認識している,ということが今回とりあげた研究の大前提になっていることが理解できないと,わけのわからない話になってしまいます.この大前提があって,「ユーザは複数台のマシンについて,各マシンをそれぞれ独立した,社会的にインタラクトできる相手とみなす」という前提があって(前掲書の第15章参照),この研究に至るわけです.たとえ裏でネットワークにつながって何らかの形で連動しているとしても,同じ型のマシンであったとしても,目の前にあるマシンについて独立の存在であるとユーザは無自覚に判断する,というのがこの手の研究の流儀です.
ちなみに,loyaltyはやはり「愛着」と訳した方がいいでしょう.これらの前提の上で「ユーザは,高々1台か2台の特定のコンピュータに愛着をもつのだ」という主張につなげていると思われるので.
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家
コンピュータだって人間なんだ (スコア:2, 参考になる)
「コンピュータは、むずかしすぎて使えない」より抜粋
利用者は特定のコンピューターに対して忠誠心を持っているようだという報告は、利用者にとっては奥から2番目のお気に入りのトイレと同程度しか価値はないかも知れない。しかし、ユーザビリティの専門家、もしくは、ユーザビリティの専門家のいない環境のエンジニアにとってはもう少し価値があるんじゃないか?
例え
Re:コンピュータだって人間なんだ (スコア:1, 興味深い)
この手の話に興味がある人は「人はなぜコンピューターを人間として扱うか --- 「 [amazon.co.jp]
コンピュータと「中の人」 (スコア:2, 参考になる)
実はここでとりあげられたSundarの昔の研究についてこの本の第16章で言及されています.そこでの主張は,「ユーザは普段,コンピュータそのものをインタラクションの対象としていて,コンピュータの調子がおかしくなった時になって初めてそれを作った人に対して責任を追及し始める」といったことです.よく,コンピュータ(場合によっては人間までも)が普段の振る舞いをしない時に「中の人」が何かやらかしてるんだ,という話を冗談で言うわけですが,なぜ「中の人」なるものへ意識が向くのかについてこれで説明がつくわけです.
つまり,この「中の人」を意識しない状態を「コンピュータを独立に,社会的にインタラクトできる相手」としてユーザは無自覚に認識している,ということが今回とりあげた研究の大前提になっていることが理解できないと,わけのわからない話になってしまいます.この大前提があって,「ユーザは複数台のマシンについて,各マシンをそれぞれ独立した,社会的にインタラクトできる相手とみなす」という前提があって(前掲書の第15章参照),この研究に至るわけです.たとえ裏でネットワークにつながって何らかの形で連動しているとしても,同じ型のマシンであったとしても,目の前にあるマシンについて独立の存在であるとユーザは無自覚に判断する,というのがこの手の研究の流儀です.
ちなみに,loyaltyはやはり「愛着」と訳した方がいいでしょう.これらの前提の上で「ユーザは,高々1台か2台の特定のコンピュータに愛着をもつのだ」という主張につなげていると思われるので.