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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家
これは凄い事だ (スコア:3, 興味深い)
自分が応援メッセージ [srad.jp]を書いたときにはjaxa本体からの「はやぶさ2」の情報が出ていなくて、ソース集めに苦労しました。
こんなにいいページがあると、もっと説得力をもってアピールできそうですね。
自分ももう一回書いてみることにします。
jmz
JAXA(ISAS)の本気 (スコア:5, 参考になる)
大抵、ミッションは構想から実現に至るまで最低10年というのが相場の世界で、
例えば「ひので」は「ようこう」打ち上げ直後から。「はやぶさ」に至っては
世間がハレー彗星に湧き、日本が初めて惑星間空間へ二機の探査機を送り込んだ
80年代に構想が持ち上がり、実際の打ち上げは2003年5月9日と、
実現までに20年近い歳月が掛かっています。
(金星探査に至ってはもっと歳月が掛かっています。一時は労力の掛かる火星探査よりも
重視され、「のぞみ」は火星ではなく金星探査のミッションになっていたかも。)
今までで最短と言うだけなら、2000年にASTRO-E打ち上げ失敗の
リカバリーの為、急遽エンジニアリングモデルの部品を流用してASTRO-EII
「すざく」を2005年に打ち上げた約5年がおそらく最短記録でしょうか。
「はやぶさ2」は初代「はやぶさ」がイトカワ到着前にリアクション
ホイールの不調で、ミッションの先行きが危ぶまれた時に構想が表に
出てきたようです。
と、すると構想から約5年の打ち上げは「すざく」と同等かそれ以下の最速記録でしょう。
「すざく」と違うのは、実際の運用によって得られた経験を元に、探査機そのものの
改良が施されたバージョンアップ版になっている事でしょうか。
(「すざく」はM-Ⅴロケットが改良されましたが・・・。)
しかも、「すざく」と違って今回はミッションそのものの完全失敗のリカバリー
という単に消極的なものではなく、米国という最強のライバルの挑戦を受けて立つ
ような形です。小惑星探査を日本が脈々と続けてきた電波天文、X線天文、太陽観測、
地磁気観測と並ぶ、日本の宇宙科学のライフワークとする決意を感じました。
更に現在、僅かながら日本に勝機のあるジャンルの地歩を固め、先駆者たらんとする
野心をも感じます。
国際協調もいいですが、やはり競争が最も発展を促進させる要素ですね。
王座は獲る事より守る事の方が遙かに難しいという言葉をも思い出します。
惑星探査の盟主とも言える米国が牙を剥くぐらい本気にさせた「はやぶさ」
ミッションの凄さを今更ながら再確認する次第です。
Re:JAXA(ISAS)の本気 (スコア:1)
プロジェクトの回転が早くなっているのは、
それだけノウハウが貯まってきている証左なのかもしれませんね。
米国が本気になっていることが伺えるので、
ここは間違いなく打って出るべき所でしょう。
#この場合、アメリカと共同(?)なんて言ったら国際協調じゃなくて……
#何だ、相応しい言葉が出てこない。無条件降伏とかか?
#見返りもないので賄賂とかじゃないしな。敵に塩を送るでもない。
=-=-= The Inelegance(無粋な人) =-=-=
アニメじゃないホントの事さぁ~♪ (スコア:1, 興味深い)
言われる状態だそうですよ。あながちアニメ業界を笑えません。
まして、計画の総責任者のプロジェクトマネージャーの過酷さと言ったらもう、
先日の「ひので」プロジェクトマネージャの死が物語っています・・・・。
話は変わって、米国と競争をするにあたって、遠方にある探査機との通信を確保する
DSNは日本の臼田と、内之浦(臼田には劣るだろうけど)だけですが、それだと通信を
確保出来るのは約8時間。残りは世界中の好位置に点在する米国のDSNを借りなければ、
探査機との通信を確保できませんので、ミッションの山場やエマージェントの時に日本の
可視時間を過ぎていたら、どうしても米国のDSNを頼らなければいけません。
「はやぶさ」の時はDSNを借りる条件として、サンプルリターンで得たイトカワの資料片の
一部を米国側に提供すると言う事で取引を成立させています。
今度は、間違いなく競争となりますので、探査機運用の肝であるDSNの扱いが気になります。
日本が借りなくても、米国の探査機だけで10機近くがDNSで運用されており、それらの
運用時間の隙間に「はやぶさ2」が入る事になります。物理的な余裕の無さの他に、
ライバルとなる日本への意趣返しでDNSを使わせない事も米国は出来る立場にいるわけで、
米国に先んじて打ち上げたとしても、運用は容易ではないでしょうし、ミッションの山場と
なり、米国のDSNが必須となった時、米国の出方が非常に気になります。
Re:アニメじゃないホントの事さぁ~♪ (スコア:1)
予算以前に海外に国立の施設を持つという点でハードルが高いと聞きました。
確かに人材、資産の運用/管理体制も煩雑となりますし、
管轄する側としても中々一筋縄では行かないのかもしれません。
ただ、すばる天文台の事前交渉などで、研究者達が
このハードルを一つ一つ乗り越えてくれました。
これが良い前例となってくれれば良いと思うんですが…。
※参考資料
宇宙の果てまで―すばる大望遠鏡プロジェクト20年の軌跡
小平 桂一 (著) (文庫版)
以下DNSについての説明
DSN (深宇宙ネットワーク) Deep Space Network
http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k04_dsn.html [isas.jaxa.jp]
はやぶさ運用でのDNS話
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2005/11/dsn_842b.html [air-nifty.com]
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以下オフトピ
すばるの予算交渉当時、科学予算枠の中での競争という点では
「ロケット関係」「加速器」が1/3ずつ、残りが「その他」という扱いだったらしいです。
「その他」扱いの天文学会の設置した海外施設の実績が
ロケット/衛星の観測設置に貢献できるとなると面白いですがw