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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs
これを考えた人は頭がいい (スコア:2, 興味深い)
これを過去に誰も思いつかなかったというのが不思議なくらい、言われて
みればまったくその通りの方法。しかも、現在の技術のスケールアップで
実現可能。
これを考えた人は頭いいです。
… … … …
今回の方法の何が優れているかをみるために、従来の「推進機構を小惑星表面に
直接据え付ける」ようなケースでの問題をまとめなおしてみます。
まず、今回行おうとしているのは、地球規模の大災害の回避です。
「やってみたけどうまくいかなかった」は許されません。うまくいかない
場合は失敗原因を分析し、対策を施した宇宙船を設計・製造・試験して
再度送り出すことになります。しかしこれではたちまち5年10年が過ぎてしまう。
つまり、ここで求められている技術はこういうことです。
- 自転するいびつな岩塊の
- どういう状態だかよくわからない表面に
- 微小重力下で
- 数十トン以上の質量の推進機構を設置・固定する
- 確実に
「あるケースではうまくいく」という方法なら多数あるでしょう。しかし、
あらゆるタイプの小惑星に万能で、確実性が高い方法となると、これはもう
未知の技術です。
重力曳航方式であれば、これらの問題はありません。そこに働くものは
単純な万有引力の法則だけであり、極めてシンプルで確実です。
(一義的には。実際には工学上のハードルはいくつもあるでしょう。後述)
… … … …
以下の条件であれば、おそらく重力曳航が最善ではないでしょうか。
- 地球近傍の小惑星
- 小惑星の質量が、数千万トン程度
- 事業を開始できるのは、地球への衝突の数十年前
# 小惑星がハレー彗星のような軌道だったり(ランデブー困難)、質量が巨大
# だったり、衝突の数年前からしかアクションを起こせないのなら、現在手が
# 届く技術では、手段はなさそうです。(核爆弾で一か八かを狙う以外では)
最初、かけられる推力の低さを疑問に思ったのですが、数十年前から作業開始
できるなら、ジワジワとでも長時間力をかける(比推力が大きい)方が有利
ですから、イオンエンジンが最有力候補でしょう。
電力源を太陽電池にするか原子炉にするかは不明ですが(タレコミの例だと
原子炉を想定している?)、得られる電力からすると、出せる推力の限界は
ちょうど牽引する重力に近いオーダーになりそうです。
つまり、使える推進機構がもともとそれだけの推力しか出せないわけですから、
問題にはならないということになります。
… … … …
思いついた範囲での疑問。(きっと他にもあるでしょうけど)
- 疑問その1
単純計算すると、はやぶさの100倍の推力を出すには、曳航船には300kWクラス
の発電能力が必要です。これは、地球近傍なら太陽電池で十分達成できます。
(現在組み立て中のISSは、最終的には100kW以上を予定)
しかし、タレコミのケースでは原子炉を想定しているようです。これだけの
能力の発電用原子炉となると、冷却系ってどうするんですかね。
宇宙では、地上の原子力発電所のように大量に使える冷却水はないので、放射
による冷却しかできません。巨大な放熱板を持っていくと、それはそれで質量が
増えそう。(どうせ錘で質量が必要だからいいのか?)
- 疑問その2
小惑星がいびつな形で自転している場合(ほとんどがそうでしょう)、小惑星と
錘との間に共振のような現象が起きないか?
推進機~錘の長さを仮定して、振り子の周期を計算しようとしているのですが
この条件だと非常に難しい…。(平坦な重力場で近似していいのかな?)