さて。その上でわからなかったら調べるのも基本中の基本です。 デブリ低減策としての軌道に残ってしまうロケット上段の推進剤の排出について、一番最初に明確に記述されているのは、NASAの1995年度の文書であるNSS1740.14 [nasa.gov] NASA SAFETY STANDARD GUIDELINES AND ASSESMENT PROCEDURE FOR LIMITING ORBITAL DEBRISです。4.1あたりを読むとはっきりとわかるでしょう。これを受けて、NASDA、CNES、ESAも同様のガイドラインを定めています。 そして、Inter-Agency Space Debris Coordination CommitteeによるIADC Space Debris Mitigation Guidelines では「全ての宇宙システムが偶発的な爆発事故を防ぐように設計・運用されるべきである」とされています。COPUOSにも同様の記述があります。
#ちなみに、プラテネス厨のために付け加えておくと、NASA Orbital Debris Program Officeによる調べでは、2004年までに起きた軌道上での分裂は少なくとも174件で、79件が推進剤に関連したもの、54件が故意の破壊によるもの、8件がバッテリーに関連したもので、軌道上での偶発的な衝突によるものは1件だけだそうです。まあ、残りの32件は原因不明ですが、それがすべてデブリによるものではないでしょう。
基本 (スコア:4, 参考になる)
放っておくと、日射で暖められてタンク内で膨張することで爆発する可能性がありますし。まして、混合するだけで発火するヒドラジン+四酸化二窒素なら当然です。
まあ、今回は故障のため排出させることはできなかったからどうしようもないんでしょうけど。バルブがどういう状態だったかもわかりませんしね。
#それにしても、テクノバーンの記事はあいかわらずひどい。古いのはまだ許すけど、原因をわざとぼかすのもアレだし、なにより「ARABSAT-4A」なんて文字列をまともにコピペすることもできないのか。
Re:基本 (スコア:0)
設計というものではないのか? ロシアのロケットはそうはなってないの?
どこの基本? (スコア:0)
衛星本体ではなくロケットの最終段なんだから、燃料は打ち上げ時に最後まで使うのが前提。つまり「燃料が余る」=「失敗」。
「衛星を軌道に乗せる」という目的に極度に最適化されたロケットというモノは、目的達成のために必要な要素以外のモノは切り捨ててる。制御系の冗長化などは「成功させるための保険」なので必要なもののうちに入るが、「失敗した時の後始末」のためのモノを宇宙まで運び上げる余裕は今の人類には無い。
軌道速度に達する前に不具合が
基本はどこでも基本 (スコア:2, 参考になる)
#そもそも、エンジンやモータをカットオフするのは何のためさ。
さて。その上でわからなかったら調べるのも基本中の基本です。
デブリ低減策としての軌道に残ってしまうロケット上段の推進剤の排出について、一番最初に明確に記述されているのは、NASAの1995年度の文書であるNSS1740.14 [nasa.gov] NASA SAFETY STANDARD GUIDELINES AND ASSESMENT PROCEDURE FOR LIMITING ORBITAL DEBRISです。4.1あたりを読むとはっきりとわかるでしょう。これを受けて、NASDA、CNES、ESAも同様のガイドラインを定めています。
そして、Inter-Agency Space Debris Coordination CommitteeによるIADC Space Debris Mitigation Guidelines では「全ての宇宙システムが偶発的な爆発事故を防ぐように設計・運用されるべきである」とされています。COPUOSにも同様の記述があります。
#ちなみに、プラテネス厨のために付け加えておくと、NASA Orbital Debris Program Officeによる調べでは、2004年までに起きた軌道上での分裂は少なくとも174件で、79件が推進剤に関連したもの、54件が故意の破壊によるもの、8件がバッテリーに関連したもので、軌道上での偶発的な衝突によるものは1件だけだそうです。まあ、残りの32件は原因不明ですが、それがすべてデブリによるものではないでしょう。
Re:基本はどこでも基本 (スコア:0)
あと、自分でもわかりにくいので追記。
> まあ、残りの32件は原因不明ですが、それがすべてデブリによるものではないでしょう。
というのは、その32件のうちいくつかはデブリの衝突によって起きたかもしれないけど、全部がそうではないしデブリが当たって壊れる確率はそこまで高くないでしょう、という意味です。ある程度大きいのはかわせるし、本当に小さいものは防げるというのもありますが。
> 「全ての宇宙システムが偶発的な爆発事故を防ぐように設計・運用されるべきである」
shouldが単なる努力目標に思えるかもしれませんが、実際にペガサス(もちろんロケット)は、推進剤が残ってしまう設計に変更したことがバレてFAAから打ち上げ許可を停止されたことがあります。