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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall
殺菌と抗菌 (スコア:2, すばらしい洞察)
殺菌:細菌を殺すこと。熱などの物理的方法と、薬剤による化学的方法とがある。
(大辞林)
「抗菌石けん」に殺菌効果を求めているんですか?
石けんで洗浄することで、菌の餌(培地?)を一掃出すれば菌はそれ以上繁殖しないでしょう。
そういう意味での「抗菌」だと思います。
Re:殺菌と抗菌 (スコア:5, 参考になる)
#ウィキペディアの殺菌の項には、それなりにまとめてあるけど、それでも結構ごっちゃになってるし。
そもそも「抗菌 anti-bacterial (effect)」という語には、あんまり厳密な定義がないんですけど、結果的に「菌に抗する」のであれば、その作用機序が、菌を殺す「殺菌 bacteriocidal (effect)」だろうが、増殖を抑制する「静菌 bacteriostatic (effect)」だろうが、どっちでも構わないです。
ちなみにトリクロサンですが、この作用はもともとは一種の塩素化合物として、いわゆる消毒薬的な非選択的な毒性によって作用するんじゃないか、と言われてました。
大雑把に言うと、この手の消毒薬的な作用と言うのは、(ホルマリンとか、消毒用アルコールとか、次亜塩素酸やヨウ素化合物などのように)生物を構成する生体分子そのものを標的とすることが多く、効き目は単純で、場合によってはヒトにも毒性が強かったりするんだけど、非選択的な分だけ、薬剤耐性の新規獲得は少ないと考えられてました。これに対して、抗生物質は選択毒性を示すので、ヒトに対する毒性が少ない(だから治療用にヒトに投与できる)んだけど、薬剤耐性の獲得の問題が大きいというデメリットがあるわけです。
ところが、このトリクロサンが細菌や、一部の原虫(マラリア含む)の脂質の合成経路を阻害(enoyl acyl-reductase阻害)する作用があるということが、後になって報告された、というわけです。でもまぁ、ホントに脂質代謝阻害だけで効いてるの? というのもまだはっきりはしてなかったと思いますけど。
あとついでに、ここで言う「抗菌石けん」というのは、(商品名だしちゃうけど)ミューズなど、日本では「薬用石けん」と呼ばれてるヤツで、中身は「普通石けん(陰イオン性界面活性剤)+抗菌成分」です(これに対して、病院なんかで使われてる消毒用の「逆性石けん」は陽イオン性界面活性剤なんで、まったくの別物です)。ミューズにはトリクロサンが入ってますが、最近になって増えてるお手軽タイプの薬用石けんには入ってなかったりします。まぁその分、効力的に???なところもあるんですけど。
まぁ薬用石けんの場合も、微生物を排除する効果のほとんどは、普通石けんによる洗浄(機械的な排除)がメインですし、保存の仕方が悪ければ、抗菌成分が入っていようがいまいが、生える微生物は生えるんで、あんまり変わりはないんですけどね。ただ、お手軽タイプのヤツは「ハーブエキス」とかを入れることで「薬用」を謳ってるというか、そのあたりが何となくお茶を濁してるような感じであんまり好きではないので、僕は買うときには、成分表示を確認して、むしろトリクロサンなんかのきちんとした薬効成分が入ってるものを買うようにしてます。