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人生unstable -- あるハッカー
難しい研究だ (スコア:3, すばらしい洞察)
竹の研究をしているようにしか見えない。竹はたくさんあるが、ここで切ると新しい竹筒ができるぞ!とか三節が一番使いやすいなとか。もっと長い竹を用意すればいろいろできるかもしれないとか。
いや、バカにしているわけではなく、発見した後のことをもっと知りたい。
Re:難しい研究だ (スコア:5, 参考になる)
この理論が正しいとすると、クォークってのは、2つや3つどころじゃなく、数十、数百個がセットになって核子を構成することもできるのです。
しかし、現実世界では、クォーク2個のメソンと、クォーク3個のバリオンの仲間しか見つかって無くて、
「クォークの数を2か3に限定するための、未解決の理論があるのではないか?」「いや、実験を重ねれば4クォーク以上の状態がみつかるはずだ」と、いろいろな研究が進められました。
最近、SPRing8の実験で、5クォークの状態らしき粒子がみつかり、その後、いろいろな実験で同様の粒子が見つかりました。(それ以上に見つからない実験もありますが。)
5つがあるなら、4つもあるんでないかい? というわけで、いろいろな実験が行われ、その中で今回の発表があったわけです。
クォーク4つといっても、クォーク2個のメソン2つが、分子のような構造をつくっているのか、それともクォーク4つの状態なのかという議論もありますし、また、メソンの励起状態として、仮想的に2つのクォークがあるように見えるのかもしれませんけどね。
というわけで、竹林なのになぜか、2節か3節の竹しかない! 変だ!! と思っていたら、4節がみつかったってわけです。
もっとたくさんの節が見つかれば、節の数を制限している未知の理論が必要なくなります。
Re:難しい研究だ (スコア:5, 参考になる)
クオークには3つの「色」があります。
光の3原色から「赤」「青」「緑」がよく使われますが、
もちろん本当にクオークがこれらの色をしているわけではなく、
3種類の状態を取る量子数を持つということです。
また、反クオークは「反色」を持ちます。
この「色」は赤青緑を混ぜると白色になります。
また同じ種類の「色」と「反色」と合わせても白色になります。
そしてクオークの結合を記述する量子色力学(QCD)によれば
「色」が混ざって白色であれば複合粒子を作ることができます。
陽子や中性子のような3クオークによるバリオン、
クオークと反クオーク1個ずつでできた中間子が
それぞれの複合粒子に対応します。
さらに、赤青緑それぞれ2色ずつの6クオーク粒子(ダイバリオン)、
例えば赤赤青緑のクオーク4つと赤反クオーク1つの粒子(ペンタクオーク)
も白色になるので許されることが分ります。
実際ペンタクオークは(親コメントにあるように少しあやしいものの)
実験で見つかっています。
こうなるとクオーク2つと反クオーク2つの粒子だって
あっても良いと考えるでしょう。
もちろん4クオーク粒子の存在が確認された事には意義がありますが、
これは、量子色力学の正しさを補強したということです。
むしろ、あるべきはずのものがない、という結果の方が
新しい知見を得る事ができるわけです。
Re:難しい研究だ (スコア:0)
たくさんの角度から解説頂いて、だんだん判ってきたような気になれました。
まとめて、ここにお礼をぶら下げさせていただきます。大変ありがとうございました。