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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
動画のほうはどうするんだろうね (スコア:4, 興味深い)
こんな話もあるようだが…
Re: (スコア:2, 興味深い)
「ああニコニコで見れたから買わずに済んだ」という損失の方は無視できる
ってのはちょと強引な意見だと思うなあ。
ナップスターも同様。ナップスターを成功させれなかったからレコード業界が落ち目ってのはどうなんだろう。
「ナップスターを潰したことによるレコード業界の利益」は無いといえるのかどうか。
Re: (スコア:1)
「低画質広告付ニコニコ」か「高額ボッタクリDVD」以外にあった、販売チャンネルを叩き潰してしまった。
みんなニコニコを支持するって事は、あのボッタクリDVDモデルも支持しているんでしょ?
ニコニコのお陰で、アニメの資金回収手段はこれからも「マゾなアニオタ層にボッタクリDVDを売りつける」しか無くなったんだけどね。その他の購買層は収入源として切り捨てることを選んだんだからね。
つーか、DVDのあの価格はありえないだろと売り手も買い手も思ってんだけどさ。。
Re: (スコア:0)
商品の価格ってのは「需要曲線と供給曲線の交差するところで決まる」ってことくらい中学校の社会科の時間で全国民に周知徹底されてると思ってたけど、なんでこんな「製造原価に適切な利潤を載せたところで決まる」なんて幻想を信じてる人が多いのかね?
# 売り手も買い手もその価格でオケと考えてるに決まってるだろ、でなきゃ店頭には置かれない。
モラルハザードの連鎖(Re:動画のほうはどうするんだろうね) (スコア:1)
># 売り手も買い手もその価格でオケと考えてるに決まってるだろ、でなきゃ店頭には置かれない。
さて、これがコンテンツではなく、レンタルビデオ屋ならどこでも売っているような普及品DVDプレーヤーだったとしましょう。
この場合、機能的に似たものが容易に作れるから、厳しい価格競争に晒されて「製造原価に適切な利潤を載せた」所で価格が決まる…どころか時々過当競争になって値崩れすら起こす。
次にこれが、高級DVDプレーヤだったとしましょう。
この場合、独自性=付加価値と需要の折り合いが価格の最大決定要因になるから、基本的には適切な利潤を出せる目算を出した上で原価を決定して開発・生産を決定する。
最後。コンテンツではどうでしょうか。
この場合、著作権法のために、似たものが容易に作れない上に流通チャンネルが寡占状態なので、流通チャンネルの方に圧倒的優位性があって原価と販売価格が大きく乖離する。
ここまで来ると、コンテンツという物は「価格が異常に高くても、消費者に不利な条件があっても買うしかない」商品となってしまっている事が読み取れるかと思います。
ならば、「金無いなら買うなよ」「物が来ないなら見るなよ(聴くなよ)」と。
勿論、その通りです。
しかし、需要は根強くある。それも全世界規模で。
そうなると、容易にモラルハザードが生じるわけです。
「金が無いなら海賊版を買うだけ」「横流ししてもらって、タダで取っちまえ」と言う貧困層の理屈は、確かに我々のような(世界レベルで)経済的にも媒体的にも恵まれた者には理解が難しいと思いますが、しかし、そこには一つの真理があることは確か。
需給原則も適正利潤も崩壊した・謂わばモラルハザードが常態化している商品は、容易に需要者側のモラルハザードをも起こす
さらりと一例をまとめてみましょう。
どこかのDVD小売店の販売チャートや制作予算表が2ちゃんねる経由で晒されていた事が何度かありましたが、流通卸業者からの仕入れ値が定価の80%前後でした。
で、DVD販売サイドの配分表を見ると、定価の半額から三割程度で流通に卸している。
ここからが複雑怪奇で、プロモを兼ねたテレビ放送の電波使用料が局やネットによって違いますが、一本あたり数百万(U局一局)から数千万(主要都市ネットでなおかつ制作版権の一部をTV局が押さえていない場合)。
卸で売れたお金から、まずはこの電波使用料が差し引かれます。
次に、出資者の回収分が抜かれます。
その次に、原作付きの場合には原作制作者への報酬が支払われます。これは案外安いらしいです(一シリーズで出版社に支払われるのが数百万程度であることも少なくない…勿論単行本や派生した版権商品の売上増加で原作者や出版社は儲ける事に)
そして、ディストリビュータの利益が抜かれます。
音楽の制作費やTV以外の媒体での広告費が更に抜かれます。
結果、製造原価にあたる制作サイドへの制作費は
…一時期流出して騒がれた「バンブーブレード」の様な原作物で、一本あたり一千万ちょっと。
この中から、声優のギャラやアニメータの報酬から、音響スタジオの使用料や撮影・編集・納品に至るまでの制作費用の全てを賄う。
もう一つ例。
日本国内で制作されたコンテンツは、最近は諸外国でも正式なディストリビュータを通して販売することが多くなっています。
ここで問題になるのは、ディストリビュータの仕入れ値と小売値が非常に近くて、ディストリビュータの利益が少ないことが大半であること。
諸外国ではディストリビュータから先の流通チャンネルが非常に多くあります(と言うか仲卸通さずに直接購入する場合が多い?)から、当然小売店間での値下げ競争が起こって、小売店からは猛烈な値下げ圧力がかかる。
しかし、日本企業側はディストリビュータから配信権利料を貰うビジネスを崩さず、商取引の優位性を盾に権利料を下げないでいた。
…結果として、何が起こったか。
海外ディストリビュータは韓国や台湾・中国で日本のアニメスタジオの下請けをやっているスタジオに投資して人材育成し、顧客に受けそうな作品を直接発注し出した。
皮肉な事に、この時点で需給原則に沿った揺り戻しが起きた。
当然ながら、投資したスタジオの作品が売れたら、日本の作品を高い権利金出して配信権を購入する意義が薄れて、日本からのコンテンツ配信権購入が減少し始めた。
そうなると、利益を確保したい日本のコンテンツホルダは、制作本数を減らします。
そして、入手チャンネルを減らしてしまった海外の顧客層も海賊版「市場」(話をシンプルにするのでこれでいきます)に雪崩込む。
…こういう形で、権利ビジネス側のモラルハザードが、顧客のモラルハザードを誘発して、それでも権利ビジネス側はモラルハザードを維持しようとするものだから、最終的にコンテンツ自体が先細るスパイラルが形成された。
この事態は、笑えないと思いますよ。
大衆文化の国際流通と言う物は、最終的には相手側の地域性に合った形に変化して、土着化し、そして発信源に逆流する。(所謂l10n)
いい例が「寿司」。
アメリカで寿司が流行り始めたころはカリフォルニア巻きなんてバカにしていましたが、いつのまにか回転寿司ならかなりの確率で目にするようになった。
今後、コンテンツ市場でも同じようなことが起きるでしょうね。
国内制作者への投資が滞って負債が増えて衰退する半面、海外ディストリビュータが諸外国に投資・委託して作らせたジャパニメーションが逆輸入される。
この時、非関税障壁で押さえることが出きるんでしょうかね?