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カオスって、気象とか金融とかいろんなところで役に立っているという話を聞くけど、 なぜ役に立つのかが、よくわからないです。
多少マジレスすると、キチンとした初期値さえ与えれば遠い未来のことまで予測できるんだという素朴な決定論が、「複雑系」において成り立たないことがカオス理論で示されました。
逆に、「○○という計算モデルで初期値の確度が××なら、どのくらい先のことがどの程度予測できるのか」という問題が出てきて、そこから得られた知見は、色々なシミュレーションで使われていると思いますが。(使われてない?) まぁ、累積誤差の問題もあるので難しいんですけど。
# 「これ以上時間を発展させた計算はもはや意味がない」と言えるのは、応用上、役に立ちます。
キチンとした初期値さえ与えれば遠い未来のことまで予測できるんだという素朴な決定論が、「複雑系」において成り立たないことがカオス理論で示されました。
「複雑系」というより、「非線形系」です。非線形相互作用があれば、自由度が3以上ならカオスは起き得ます。実際、ローレンツ系の自由度は3だったはずです。また、発見当時は散逸系であることが必要だと考えられていましたが、その後、保存系でもカオスが起きることが示されています。ですから、条件として本質的なのは非線形性です。
決定論的な系で、積分可能な系で、かつ、小自由度の系であっても、長期予測が不可能な系があるということが示されたのがカオスの新しかったところです。
キチンとした初期値さえ与えれば遠い未来のことまで予測できるんだという素朴な決定論が、「複雑系」において成り立たないことがカオス理論で示されました。「複雑系」というより、「非線形系」です。非線形相互作用があれば、自由度が3以上ならカオスは起き得ます。
失礼しました。おっしゃる通り、「複雑系」ではなく「非線形系」ですね。謹んで訂正します。ご指摘ありがとうございました。
個人的には、ロバート・メイの論文に触れた記事(『別冊数理科学』だったか?)を教えてもらい、「こんな単純な式でも非線形性があるだけでカオスになるのか!?」とビックリしたことを覚えています。
# ローレンツ先生のご冥福をお祈りします。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
カオスって役に立つの? (スコア:2, 興味深い)
なぜ役に立つのかが、よくわからないです。
カオスは、「~はランダムで予測がつかない」とか「初期値がほんのすこしでも違うと
結果が大きく違ってしまう」とか、否定的な結論ばかりを導き出しているような気がして、
学問的にはともかく、応用上は意味がなさそうな気がします。
なぜ、「予測がつかない」などの結論を導く理論が、応用上、役に立つのか、
教えてください、エロい人!
Re:カオスって役に立つの? (スコア:5, 参考になる)
多少マジレスすると、キチンとした初期値さえ与えれば遠い未来のことまで予測できるんだという素朴な決定論が、「複雑系」において成り立たないことがカオス理論で示されました。
逆に、「○○という計算モデルで初期値の確度が××なら、どのくらい先のことがどの程度予測できるのか」という問題が出てきて、そこから得られた知見は、色々なシミュレーションで使われていると思いますが。(使われてない?) まぁ、累積誤差の問題もあるので難しいんですけど。
# 「これ以上時間を発展させた計算はもはや意味がない」と言えるのは、応用上、役に立ちます。
ラプラスの悪魔 (スコア:2, 参考になる)
「ラプラスの悪魔」と呼ばれるやつですね。
この思想が流行していた19世紀末は「本質的に物理学が探求すべきことはもう残っていない」と多くの科学者が考えていました。
そのラプラスの悪魔を打ち破ったのは不確定性原理を仮定して構築された量子力学でした。量子力学で予測可能なものは波動関数であり,波動関数は確率に対応する(Bornの確率解釈)ため,確率的にしか観測することはできず,ラプラスの悪魔は20世紀初頭に打ち破られました。
カオスが発見されるのはもう少し後のことかと思われます。
Re:ラプラスの悪魔 (スコア:3, 参考になる)
量子力学は方程式自体に確率(波動関数)が入ってますが、
もとの常微分方程式(Lorenz系は偏微分方程式)に確率の概念が入ってないのに、
結果は確率“的”になる、ってのがブレークポイント。
Re:ラプラスの悪魔 (スコア:2, 興味深い)
兆候はいくつか報告されているようですが.
参考:
中村勝弘のホームページ [osaka-cu.ac.jp]
Einstein’s Unknown Insight and the Problem of Quantizing Chaos [yale.edu]
Re:ラプラスの悪魔 (スコア:2, すばらしい洞察)
非決定的と確率的は違う概念です.
Re:ラプラスの悪魔 (スコア:1)
the.ACount
Re: (スコア:0)
つまり「人間」はカオス系なので、
仮にある個人の300年後を計算しようとしても必ず死んでるので意味がないと…(違
Re: (スコア:0)
ある個人があと1日は生きてるだろうな~というのは(ある程度)予測可能だが、
あと10年生きてるかどうかは分からんから考えるのは意味がない、ということ。
Re: (スコア:0)
「複雑系」というより、「非線形系」です。非線形相互作用があれば、自由度が3以上ならカオスは起き得ます。実際、ローレンツ系の自由度は3だったはずです。また、発見当時は散逸系であることが必要だと考えられていましたが、その後、保存系でもカオスが起きることが示されています。ですから、条件として本質的なのは非線形性です。
決定論的な系で、積分可能な系で、かつ、小自由度の系であっても、長期予測が不可能な系があるということが示されたのがカオスの新しかったところです。
Re:カオスって役に立つの? (スコア:1)
失礼しました。おっしゃる通り、「複雑系」ではなく「非線形系」ですね。謹んで訂正します。ご指摘ありがとうございました。
個人的には、ロバート・メイの論文に触れた記事(『別冊数理科学』だったか?)を教えてもらい、「こんな単純な式でも非線形性があるだけでカオスになるのか!?」とビックリしたことを覚えています。
# ローレンツ先生のご冥福をお祈りします。
Re: (スコア:0)
ちょっと違うような。
カオスは、そのキチン度(?)の考え方に再考を迫ったものだと思います。
ほんとに「きちんと」してるなら結果も決定的に判るのは、カオスでも同じです。
問題は何をもって「きちんと」と呼ぶ(呼べる)か?という点が変化したことです。
たしか
「微小変化の線形性」
とかいう言葉があったと思います。※
系が非線形だろうがなんだろうが、
入力の変化が「微小」ならば、
さすがに出力の変化も「微小」であり、
そういう意味ではその範囲では線形みたいなもんだと思ってもいい、
という考え方です。
そして大抵の系