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> 編集者による解説?の部分はこれのことを言っているのだと思いますが、意味不明で一部間違っています。> 二世代目の女王のヘテロ接合体頻度(ここではheterozygosity)は1ではありません。
追記には、三世代目のヘテロ接合体頻度が1と「文字通り」書いてあるのですが。どうして二世代目のヘテロ接合体頻度と読み間違えたのでしょうか?
> 二世代目の女王が一世代目の女王と一世代目の王との有性生殖によって生まれたものである場合には、二世代目の女王と一世代目の王との間の子は一世代目の女王から見て血縁度は0.25になってしまうという点にも触れるべきでしょう。> これ無しでは片手落ちです。
そもそも、通常血縁度が0.5の二世代目が、単為生殖で血縁度1なのは自明でしょう。
追記には、三世代目のヘテロ接合体頻度が1と「文字通り」書いてあるのですが。
私が元コメントを書いた時点では追記は無かったんですよ。
繰り返しますが、その単為生殖で生まれた二世代目の女王と一世代目の王との間の子が0.5となりますが、もしも有性生殖で二世代目の女王が生まれていたならば、一世代目の王との間の子は0.25になるはずです。
「この血縁度の差こそが一世代目の女王が単為生殖と有性生殖を使い分けることの理由の一つなのではないか」
というのが面白いところなんですよ。また、二世代目の女王が単為生殖によるものであることが分かった今では自明と言えるのですが、この論文が提出された時点では自明ではなかったのです。今では自明だがその時点では自明ではなかったことはヘテロ接合体頻度に関しても同じことが言えます。しかし、子との血縁度に関しては単為生殖で生まれた二世代目の女王との間では一世代目の王にとってかえって低下してしまうものの、
「ヘテロ接合体頻度の向上は一世代目の王にとっても有益」
ですから、血縁度に関する一世代目の女王との利害の対立を乗り越えて(王の側が受け入れて)このようなシステムが成立しているのは、ヘテロ接合体頻度の向上によるところではないかと思われますので、重要性はこちらの方が高いとは言えるでしょう。
推敲が足りずわかりにくくしてしまったようです。Supporting Online MaterialのFig.S3にある通り、"三世代目(のワーカー、ニンフ)も二世代目(のワーカー、ニンフ)と同じくヘテロ接合体頻度は1となる。"という意味です。その上の文も当然、"三世代目(のワーカー、ニンフ)はヘテロ接合体頻度が0.75"です。修正します。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
男は必要 (スコア:5, 興味深い)
とりあえずSupporting Online Material(誰でも読めるはず)のFig.S3を見ることをお薦めします。
編集者による解説?の部分はこれのことを言っているのだと思いますが、意味不明で一部間違っています。
二世代目の女王のヘテロ接合体頻度(ここではheterozygosity)は1ではありません。
もっとずっと低くなります(0.5以下)。
これは、ヤマトシロアリの単為生殖は末端融合(terminal fusion)型オートミクシス(automixis)だからです(と、解説文中で紹介されている研究報告や論文にも書いてある)。
また、一世代目の女王(primary queen)と一世代目の王(primary king)がいずれもヘテロで、かつその4つの対立遺伝子(allele)が全て異なるという前提条件が抜けています。
さらに、単為生殖で生まれた二世代目の女王(secondary queen)と一世代目の王との間の子は、一世代目の女王から見た血縁度(relatedness)が0.5になるけれども、二世代目の女王が一世代目の女王と一世代目の王との有性生殖によって生まれたものである場合には、二世代目の女王と一世代目の王との間の子は一世代目の女王から見て血縁度は0.25になってしまうという点にも触れるべきでしょう。
これ無しでは片手落ちです。
ここまでの話は専門用語だらけで集団遺伝学の知識が無いと分かりづらいと思いますが、とりあえずヘテロだと劣性有害遺伝子が発現しないため生存に有利であるからヘテロ接合体頻度が高い方が良い、また、血縁度の高い子をより多く残す方が良い、ということを頭に入れて読めば、ヤマトシロアリの一世代目の女王が有性生殖と単為生殖の使い分けによってこの両方を実現していることが分かると思います。
二世代目の女王のヘテロ接合体頻度がかなり低くなる問題をどのように回避しているのかが興味深いところです。
おそらく何らかの方法で有害遺伝子そのものを集団から除去するメカニズムがあるのでしょう(と、これも研究報告にありますね)。
最初に読売に出たときにはなんで論文として公表される前におおっぴらにするんだろうと思ったのですが、Scienceに掲載されることが決まっていたんですね。
先日あった生態学会でも口頭発表があったようです。
私は残念ながら裏番組を聴いていたのでこの発表は聴けませんでした。
松浦さんの研究室では他にもシロアリの卵に擬態するカビ(!!!)の化学的擬態(要するに卵と認識されるフェロモンを作っている)メカニズムの解明などものすごい成果を続々と挙げておられます。
こちらも既に超一流誌に掲載されていたと思いますが、現在北大で開催中の応用動物昆虫学会でもお話があるようです。
Re:男は必要 (スコア:1, すばらしい洞察)
> 編集者による解説?の部分はこれのことを言っているのだと思いますが、意味不明で一部間違っています。
> 二世代目の女王のヘテロ接合体頻度(ここではheterozygosity)は1ではありません。
追記には、三世代目のヘテロ接合体頻度が1と「文字通り」書いてあるのですが。
どうして二世代目のヘテロ接合体頻度と読み間違えたのでしょうか?
> 二世代目の女王が一世代目の女王と一世代目の王との有性生殖によって生まれたものである場合には、二世代目の女王と一世代目の王との間の子は一世代目の女王から見て血縁度は0.25になってしまうという点にも触れるべきでしょう。
> これ無しでは片手落ちです。
そもそも、通常血縁度が0.5の二世代目が、単為生殖で血縁度1なのは自明でしょう。
Re:男は必要 (スコア:2, 興味深い)
追記には、三世代目のヘテロ接合体頻度が1と「文字通り」書いてあるのですが。
私が元コメントを書いた時点では追記は無かったんですよ。
そもそも、通常血縁度が0.5の二世代目が、単為生殖で血縁度1なのは自明でしょう。
繰り返しますが、その単為生殖で生まれた二世代目の女王と一世代目の王との間の子が0.5となりますが、もしも有性生殖で二世代目の女王が生まれていたならば、一世代目の王との間の子は0.25になるはずです。
「この血縁度の差こそが一世代目の女王が単為生殖と有性生殖を使い分けることの理由の一つなのではないか」
というのが面白いところなんですよ。
また、二世代目の女王が単為生殖によるものであることが分かった今では自明と言えるのですが、この論文が提出された時点では自明ではなかったのです。
今では自明だがその時点では自明ではなかったことはヘテロ接合体頻度に関しても同じことが言えます。
しかし、子との血縁度に関しては単為生殖で生まれた二世代目の女王との間では一世代目の王にとってかえって低下してしまうものの、
「ヘテロ接合体頻度の向上は一世代目の王にとっても有益」
ですから、血縁度に関する一世代目の女王との利害の対立を乗り越えて(王の側が受け入れて)このようなシステムが成立しているのは、ヘテロ接合体頻度の向上によるところではないかと思われますので、重要性はこちらの方が高いとは言えるでしょう。
Re: (スコア:0)
Re:男は必要 (スコア:1)
推敲が足りずわかりにくくしてしまったようです。
Supporting Online MaterialのFig.S3にある通り、
"三世代目(のワーカー、ニンフ)も二世代目(のワーカー、ニンフ)と同じくヘテロ接合体頻度は1となる。"
という意味です。
その上の文も当然、
"三世代目(のワーカー、ニンフ)はヘテロ接合体頻度が0.75"
です。
修正します。