ハイパーテキストのキモはまさに、この引用/参照をネットにもってきたことだ。こんなことは、小説しか読んでない人には思いつかない。CERN で最初の WWW が出た後、NCSA で画像を入れる改良がなされたわけだが、これも、論文には写真やグラフを入れるのがあたりまえだから、当然なされるべき改良だ。論文(ジャーナル)の価値の指標として以前から Citation Index [thomsonscientific.jp] というのがあるが、これも Google の PageRank [nifty.com] となって出てきている。
さて、こうして学術論文の入れ物として発明された WWW であるが、商売や報道には利用されているものの、肝心の学術論文の利用はまだ発展途上といったところだ。論文のことを Paper というくらいなので、紙ベースのものでないと論文らしくないということのようだ。実際のところ、価値ある論文誌は、結構な値段を設定しても、研究者が時流に遅れまいと研究費をはたいて買ってくれていた。また、価値を維持するために、ピアレビューもきちんとやっている(らしい)。
ただ、Webベースとはいっても、ほとんどが PDF 形式で公開しているので、紙の呪縛から逃れているわけではないし、HTML 文書のように引用/参照が簡単に跳べるわけでもない。元の論文を LaTeX で書いているなら latex2html が使えるし、Word でも HTML で保存ができるわけだから、 HTML 版も並行公開するようにしてくれると、一般の研究者はもっと喜ぶのではないかと思う。そうなれば、WWW は本来の姿を取り戻すということだ。
そもそもWWWは学術論文のためのものであった (スコア:3, すばらしい洞察)
WWW のことを初めて聞いたとき、「あ、これは学術論文をネットにもっていくということだな」と、ピンときたもんだ。学術論文というのは、個人あるいは研究グループが突発的に天才的ひらめきで書けるようなものではなく、ニュートンが「巨人の肩」 [wikiquote.org]と言ったように、数多くの先駆者の仕事の上に書くものだから、引用/参照をおろそかにしてはいけない。そこで、引用部のところには (著者, 発行年) や [1] などの形式で、ここには元になった参考文献があることを明示する。そして、論文の巻末には参考文献のリストを付ける。自分が大学院生だった頃には、この参考文献リストを片手に図書館で論文探しをしたものだった。
ハイパーテキストのキモはまさに、この引用/参照をネットにもってきたことだ。こんなことは、小説しか読んでない人には思いつかない。CERN で最初の WWW が出た後、NCSA で画像を入れる改良がなされたわけだが、これも、論文には写真やグラフを入れるのがあたりまえだから、当然なされるべき改良だ。論文(ジャーナル)の価値の指標として以前から Citation Index [thomsonscientific.jp] というのがあるが、これも Google の PageRank [nifty.com] となって出てきている。
さて、こうして学術論文の入れ物として発明された WWW であるが、商売や報道には利用されているものの、肝心の学術論文の利用はまだ発展途上といったところだ。論文のことを Paper というくらいなので、紙ベースのものでないと論文らしくないということのようだ。実際のところ、価値ある論文誌は、結構な値段を設定しても、研究者が時流に遅れまいと研究費をはたいて買ってくれていた。また、価値を維持するために、ピアレビューもきちんとやっている(らしい)。
しかし、価値ある論文誌を目指しながらも、印刷費と送料にあえぐ中小の学会では、紙ベースでの発行からWebベースに移行するところが出てきている。(とある学会の例 [ipsj.or.jp]) ピアレビューによって論文誌の価値を維持しながらも電子化によって流通を確保しようという方向なのだろう。
ところが、実際の論文の価値というのは、どれだけいい論文誌に載せたかではなく、載った論文がどれだけ引用されるかというところにある。実際、ピアレビューといって、偉い先生のところに送ると、実際にはそこの学生が読んでたりするという話はよくある。なので、とにかく論文を(草稿でもいいから)公開してしまえということになる。arXive.org [arxiv.org]なんかがいい例だ。こうなってくると、中小学会はますますその存在意義が薄れてくる。せいぜい同窓会的に年1回の研究発表大会を開くことくらいだろうか。
ただ、Webベースとはいっても、ほとんどが PDF 形式で公開しているので、紙の呪縛から逃れているわけではないし、HTML 文書のように引用/参照が簡単に跳べるわけでもない。元の論文を LaTeX で書いているなら latex2html が使えるし、Word でも HTML で保存ができるわけだから、 HTML 版も並行公開するようにしてくれると、一般の研究者はもっと喜ぶのではないかと思う。そうなれば、WWW は本来の姿を取り戻すということだ。
Re: (スコア:0)
コンテンツをXMLで保持し、PDFとHTMLを両方出している雑誌も出てきています。例えばPLoS [plos.org]が出してる雑誌とか。
とある学術雑誌が経費節減を論ずる際に、学術雑誌た